
「スピード経営」目指すトヨタ 取締役を大幅削減、権限委譲
2011/3/ 4 20:39
(↑「トヨタ・エスティマ(1990)」)
トヨタ自動車が「スピード経営」を目指して、役員制度改革に取り組む。現在27人いる取締役を大幅に削減して、意思決定の迅速化と権限委譲を進めたい考えだ。
グローバル市場をめぐる次世代型エコカーの開発競争が激化。また、2009~2010年にかけて北米を中心に起こった大規模リコール(無料回収・修理)問題への対応で初動が遅れた反省を踏まえて、経営体制のスリム化を図る。
トヨタの役員制度改革は、2003年に一般企業の執行役員に相当する「常務役員」制度を導入して以来の大規模な見直しとなる。現行の取締役と常務役員をあわせた77人を60人前後まで減らすとみられている。
■トヨタ経営陣、日産より20人以上多い
「スピード経営」でグローバル競争に打ち勝つ(写真は、トヨタ自動車のホームページから)
トヨタ自動車の取締役は現在、豊田章男社長ほか、会長1人、副会長2人、専務15人と2人の取締役の計27人がいる。さらに、常務役員は50人にのぼる。
かつて経営不振にあえいでいた日産自動車は仏ルノー出身のカルロス・ゴーン氏が社長に就くと、強烈なリーダーシップを発揮して大胆な経営改革を断行。経営内容も急回復してきた。
日産の経営陣はゴーン社長以下、志賀俊之COO、副社長5人、常務13人と28人の執行役員とフェロー2人の50人体制。トヨタと比べると、20人以上も少ない。
トヨタは「決定していることはない」(広報部)と繰り返すが、取締役を大幅削減するのは間違いないようだ。
■悪い情報ほど経営幹部に届きにくくなる
トヨタも日産も、販売競争の主戦場はいまやアジアなどの新興国をはじめとした海外だ。米国などの大規模リコール問題で躓いた「豊田社長」体制のトヨタだが、2010年4~12月期連結決算によると、世界生産台数は前年同期比6.2%増の551万7000台で、それによる連結売上高は5.0%増の14兆3516億円。本業の儲けを示す営業利益は約8倍にあたる4221億円と、再び勢いを取り戻した。
グローバル競争に勝ち残っていくためにも、トヨタが「スピード経営」体制に移行するタイミングとしては好機といえる。
豊田章男社長は2009年6月に、11代目として就任した。創業家出身ということもあって、否応なく注目が集まったが、直後から米国での大規模リコール問題の対応に追われた。その影響で売上げが大きく落ち込むなど、いわば「最悪」の船出だった。
組織が大きくなると、悪い情報ほど経営幹部に届きにくくなる。おそらく、大規模リコール問題でそのことを痛感したのだろう。組織のスリム化による社内議論の活発化は、豊田社長の目指すところでもある。
(記事引用ゴメンナサイ)
他のサイトで興味深い記事が。以下引用。
「現代自動車」躍進の真因は「脱トヨタ生産方式」にあり
2011年03月06日
①現場にはカイゼン活動を極力させない
②1ラインの工程数は日本メーカーの2倍
③デザインのプロを呼び戻したトヨタ
もともと現代は、欧州のデザイン開発拠点を強化するなどデザイン力には定評があっただけに、デザインという目に見える「表」の競争力と、現場での生産性向上という外部からは見えづらい「裏」の競争力が融合して、企業としての力をつけていったのだ。
こうした現代の躍進に焦っているのがトヨタだ。今年モデルチェンジが予定されている「カムリ」の開発では、「ソナタ」に負けるなとの厳命が経営陣から下っている。役員人事でもトヨタは豊田章男社長自らの指示で、今年1月1日付で役員人事を断行。通常、役員人事は6月なので異例の時期だった。
関連企業の関東自動車工業に出向・転籍していた元デザイン統括部長の福市得雄氏を復帰させ、常務役員に抜擢したのだ。福市氏は多摩美術大卒でデザインのプロ。名車と言われたミニバン初代「エスティマ」のデザイナーを務めたほか、トヨタの欧州のデザイン開発会社に駐在経験もある。
この人事の背景には「デザインで現代に負けている」といった危機感がある。トヨタでは役員以上にデザインの専門家が不在で、現在は「プリウス」のチーフエンジニア出身で門外漢の内山田竹志副社長がデザイン本部を担当している。今後は福市氏が同本部を仕切っていくと見られる。
<現代ビジネス/井上久男「ニュースの深層」/「現代自動車」躍進の真因は「脱トヨタ生産方式」にあり>
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2207
<J-CASTニュース/「スピード経営」目指すトヨタ 取締役を大幅削減、権限委譲>
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2011/03/07 16:47:27