あ…ありのまま 今　起こった事を話すぜ！

あ…ありのまま 今　起こった事を話すぜ！

俺はセキュリティチェックのゲートを通っていたと思ったら　いつのまにか二度見されていた。

な…何を言っているのか、わからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…　催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…





事の顛末を話す。


東京出張を終え、羽田空港から長崎行きの便に乗るため、手荷物検査場でセキュリティチェックを受けた時だ。

昨日買ったすーぱーそに子の痛茶


が、液体持ちこみのためセキュリティに引っかかることを俺は知っていた。
ペットボトルや水筒類に入っている液体は、搭乗手続きの時には中身を検査される。
場合によっては中身の廃棄を命じられる。

だがペットボトルは未開封の場合のみ、内容物を検査されることは無いんだ。

せっかく買った痛茶は未開封のまま持って帰りたいって気持ちはわかるだろう？
そうさ、せっかくアキバに行って戦利品として手に入れたブツを開封するような、馬鹿なヲタクはいねぇ。

だから手荷物検査場の

こんなカゴに、財布やiPhoneやNexus7と一緒に痛茶を入れ、
セキュリティチェックの検査機器

の中に通したんだ。

当然俺もセキュリティゲート

を通った。

少々緊張したが、アラームが鳴ることもなくチェックはパスした。

続いて検査機を通った手荷物が何事も無くコンベアから出てきて、俺は正直ホッとしたね。
内心、痛茶は引っかかるんじゃねーかって思ってた。
事前にネットで調べていたとはいえ、何があるか分からんのがセキュリティチェックだからな。

コンベアに乗って俺の所に戻ってきたバッグとカゴの中に入れたブツを受け取ろうとした瞬間、

「ダブルチェックお願いしまーす！」

と声がした。
声の主はコンベアの向こう側で検査機を見ている女性の検査員だった。


「ダブルチェックりょーかーい」


屈強そうなイケメン検査員（）がそこにいた。


検「お客様、ペットボトルは未開封ですか？」ﾆｺﾆｺ

俺「あ、は、はい」ｵﾄﾞｵﾄﾞ


俺はこの時ほど緊張と絶望感を味わったことは無かった。
痛茶が未開封であることを証明するために、キャップの部分を見せた。

胸が高鳴り、手が小刻みに震えているのがわかった。
声もちょっと裏返っていた。

検査員は俺の痛茶を一瞥したあと、

検「はい、ありがとうございました～」ﾆｺﾆｺ

俺は解放された。


痛茶をバッグに入れ、俺は搭乗口に向かった。


やべぇ、あの検査員、絶対そに子見てたぞ。
内心、キモっとか思ってるんだろうな。

つーか、検査機で中身をチェックしていた女性検査員。
バッグに入っていた、

そに子ステッカー見えてたんじゃねーのか？

このキモヲタが！とか思っていたんだろ、どうせ。
ギャハハハハwwwキモヲタが痛いの持ってるよwwワロスwwwwwww

とか思っていたんだろ畜生！

こうして俺は、リアル店舗での買い物は金輪際辞め、ネット通販のみで生きていくことにした。


※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません