船体のアウトラインが出せたので、次に舷側外板の段差表現を行います。
鳥海にはミジップの詳細が分かる写真が残っており、それにはっきり写っています。
しかし艦首及び艦尾付近はそうした確認が出来る写真が残っていないので、シコルスキー氏の「重巡高雄図面集」の側面図に示されたラインを参考にしながら、マスキングを行いました。

直線部は紙製、曲線部はタミヤの曲線用マスキングテープを使っています。
そしてサフを数回塗り重ね、マスキング剥がしの儀…

ん~、ちょっと違う…
このあと舷窓を開口しますが、その位置とうまく合わない気がします。
サフの山を削ってもう一度マスキングし直すか…とかなり悩みましたが、あの面倒な作業をもう一度やらなければならない苦行感に堪えられそうにないのと、そんなことをしていると何時までも完成しないのではないかという怖れを抱くとともに、綺麗に仕上がったとしてもその部分に目が行く人はそう多くないだろうという安易な気持ちから、再施工を取りやめ、サフの山を削っておしまいにしました(笑)
そして舷窓の開口。
まずは位置のチェックから始めます。
鳥海の場合、新造時から沈没までの間、舷窓を閉塞していないので、新造時のままを表現することになります。
幸いにもその位置が「真・総ざらい2高雄型重巡洋艦編」に図面として載っており、これと実艦の写真を見比べながら特定していくこととしました。
チェックの結果、左舷の一部に微妙な違いは認められるものの、総ざらい図面の位置でほぼ大丈夫ということが判明。これを基にまずは鉛筆で開口箇所をプロットします。
舷窓を一直線に並べるため、鉛筆プロットに沿ってスジボリ用ガイドテープを貼り…
鉛筆プロットの点に、まち針の先で小穴を開けます。
これらの修業を乗り越え、ようやく舷窓がすべて開口されました。
そして0.4mmドリルで一つ一つ開口。
これまで私の艦船制作は終戦間際の小艦艇が中心だったので、このように多くの舷窓が整然と並ぶ姿を再現したのは初めてでした。改めて見てみるとちょっと萌えますね♪
冒頭にあげたミジップの写真には舷側に変形六角形の装甲板が付いていることを確認できます。

「?」と表示した箇所はこの写真では六角形板の確認が出来ませんが、シコルスキー図面には示されています。
この板は船体の強度を上げるためのものだと思われますが、鳥海のここだけその板が無いと考えるのは合理的でないと思われるので、「ある」と判断しました。
シコルスキー図面では六角形の下に伸びる縦長の細い板もあると示されていますが、鳥海の写真ではそれが見当たらないので、六角形のみ再現することとします。
そしてプラペーパーを3.6×1.0mmのサイズで12枚切り出しました。
次は舷外電路を設置予定。
まだまだ地味な船体工作は続きます…。
Posted at 2025/04/29 09:16:08 | |
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