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ザクとは違うのブログ一覧

2020年07月13日 イイね!

松型駆逐艦・竹(艦体各部の製作・最終回)

爆雷装填台を作ります。

基本的にはトラス構造なので、極細伸ばしランナーorプラ棒を正確に切り出して組み上げれば完成するはず…だったのですが、実際にやってみたところ(画像左)まったく実感を損なう出来栄えになってしまいましたorz

「何でもスクラッチ」のザクとは違うとしては悩みましたが、やむを得ずエッチングパーツのお世話になることにしました。そのためだけに半日かけて名古屋の有名模型店までドライブしたのは内緒です(笑)
しかしその甲斐あって画像右に示すように非常に精密度の高い爆雷装填台が安易に出来上がりました。
エッチングパーツの威力をまざまざと見せつけられた瞬間でもありました。
(ただ後で分かったのは、これとて図面サイズより微妙に大きい(短辺で0.3mm程度)です。正確性を期したい場合はファインモールド以外を選択すべきと思われます。)

爆雷装填台は上部と側面に薄い防弾板をつけた例もあったようです。

竹がどうだったかの資料がありませんが、模型的な見栄えを重視して未設置としました。

甲板のヘリには手すりが付きます。
これもエッチングパーツが出ていますが、さすがにこれくらいは自作で頑張りたいと考え、まずは柱を作るため、ピンバイスで開けた穴に伸ばしランナーを差し込み、1.5mmの高さに作った治具を使ってニッパーで切断します。

その後、手すり(チェーン)部分を髪の毛で表現するため、柱に瞬着で接着します。
しかしピンと張ろうとしてテンションを掛けると伸ばしランナー製の柱はそれに耐えられず曲がってしまいました。

次に試したのは手元にあった0.28mm径の金属ワイヤー。

しかしこれもいったんは画像のようにきれいに張れましたが、その後は髪の毛の自然な曲がりに接着力が耐えられず、失敗。
柱も0.28mmでは少し太めだと感じました。
悩んだ挙げ句、0.19mm径の金属ワイヤーと0.06mmのメタルリギングを入手し、3度めの試作。

今回はうまく行ったようです。
本番ではもう一段ギアを上げた仕上げを行おうと誓いました。

多くの試作と失敗を経て手すり設置を完了させました。

ここまで来ると船全体の形がかなり見えてきたという印象を受けるので、気分も上がります。
まずは喫水線下をハルレッドで塗り、その部分にマスキングテープを貼ります。
その後全体に軍艦色(今回は佐世保工廠色)を吹き、予め塗っておいたリノリウム甲板部分と喫水線下部分のマスキングテープを剥がします。

これまでは各パーツごとの製作が続いていたので全体像が見えませんでしたが、この姿を見るといよいよ完成が近いことが実感できます。

これまでに作った艦橋、後部構造物そして前後主砲と魚雷発射管を艦体へ設置しました。
しかしここで問題発生。
魚雷発射管を左舷に向けて設置しようとすると手すりと干渉してしまいます!

図面を見直しましたが、発射管手すりとも寸法や位置に狂いはありません。
とすると魚雷発射時は手すりを倒していたと考えるのが妥当です。
実際、旧海軍の「合戦準備」には以下の記載があります。

「Hand Rail はこれを外したる後直ちに敵と会戦せざるとき、または夜間哨戒中にありては人員保安のためこれを立て置くを例とす。」

今回は夜戦が舞台なので、上記からは立てておくのが正しいことになりますが、魚雷が撃てないのはおかしいので、魚雷周辺の手すりのみ倒しておくことにしました。

そして機銃の設置。
25mm機銃は細かいモールドが自作では表現できないので、アフターパーツを使います。幸いフジミから出ているパーツセットには双眼望遠鏡や探照灯管制機などとともに単装及び3連装の機銃もセットされているのでこれを使うつもりでいました。
しかしパーツを実測してみると図面より微妙に大きい。3連装の幅で言うと0.5mm以下の違いですが、狭いスペースに所狭しと機器を配置している駆逐艦の場合、0.何ミリが致命傷になりえます。
悩んだ挙げ句単装3連装ともファインモールドのナノドレッドを使うことにしました。

↑画像左がフジミ、右がファインモールドです。
若干お金はかかりますが、そのクオリティは艦船モデラーが等しく認めるレベル。サイズの正確性もさることながら、精密なディテール表現には度肝を抜かれました。特に単装に至っては弾倉に空いた0.1mm程度の穴から見える実弾まで表現されているという…。もうここまで来ると変態を超えて狂気の沙汰です(褒め言葉)

武装に関しては、福井静夫氏ほか2名がマリアナ沖海戦後の増備位置調査を行っており、書籍にもまとめられています。
それによれば竹は単装機銃4基が増備されたこととなっており、その位置も明示されています。

しかしそれらの弾薬箱がどこに増備されたか確認できないので、適当と思われるスペースに設置してみました。

次は短艇の工作です。
松型はそれまでの艦隊型駆逐艦が搭載していた7mカッターではなく、ひとまわり小さい6mカッターを積んでいました。
アフターパーツで一部メーカーから6mタイプも出ていますが、そのためだけにお金を出すのはあまりに勿体ないので、手持ちにあった7mカッターの全長を短縮し全体のフォルムを見直します。

画像にあるそれぞれの左側がキットの状態、右側が加工後です。
しかし特に内部をくり抜く作業は予想以上に大変で、これを同じクオリティでもう一つというのは厳しいと感じました。
そこで思いついたのが「複製すればいいじゃん」という安易な発想。
少なくとも下面は複製することで全く同じものを作ることができるし、上面もエポパテ塗りつけ時に凹ませておけば良いと考えました。
ということでまずは型想いで型取り。

いきなり完成状態です(笑)

上面くり抜き部も極小サイズのため表面処理が難しく、複製が必ずしも最良の選択とはまでは言い切れませんが、一定のレベルにまでは行ったかなと思ったのでこれでよしとしました。
その後乗組員座席となる横桁を設置。
また短艇設置位置の甲板に短艇を固定するための架台を作りました。

なお旧海軍での戦闘準備として「短艇には海水を入れておく」というものがあるので、内部に木工ボンドを入れて水の表現をしてあります。

お次は10m運貨船、通称・小発です。
しかしここで悩んだザクとは違う。
竹は新造時に比べて電探や機銃を増備してオルモック輸送を迎えています。他の艦艇も同様ですが何か増設する際はその分の重量を別装備の撤去で賄っていたという意見があります。しかし竹の場合、何かが撤去された記録などは明確でありません。そこで使用頻度の低い小発を降ろしたのでは?と考えました。この時は2隻とも降ろした設定にするつもりでしたが、そのスペースががら空きとなるのは不自然なので無理やりひねり出したのがドラム缶。

0.9mm丸棒を2mmの長さに切り出したものです。若干大きめですが雰囲気重視ということで(汗)

ガ島戦後、駆逐艦の鼠輸送が続いたという記録を私は知りませんが、小発1隻+ドラム缶で迅速確実に物資輸送を補助するという考えがあったとしてもおかしくはないと思い、資料的根拠なしにそうすることにしました。

肝心の小発はWLパーツ(確か二等輸送艦同梱)の形状を修正することとしました。

まずは平面形を、キットの「舳先が太めで後ろに行くに従って若干細くなる」という形状から「船首船尾以外は左右並行」に修正し、物資等搭載スペースも図面に合わせて修正しました。

余談ですが小発はその図面写真ともほとんど出回っておらず、特に実物の写真が最後まで確認できませんでした。よって工作に際しては竹の図面に書かれたものを基本にしています。

後部構造物付近には応急処置用円材置き場があったので、設置場所を伸ばしランナーなどで作り、その上から円材に見立てた伸ばしランナー数本をまとめたもの置きました。

戦争後半の旧海軍艦船は不燃化対策として可燃物を徹底的に陸揚げしたと聞きますが、円材は不沈化に必要なので陸揚げされてはいません。

このあと未施工だったメインマストを作りました。
松型のマストはそれまでの円形断面ではなく三角断面のものを二本張り合わせて作ったとのことなので、プラストラクト製0.3×0.3mmの角棒を入手して組み上げました。
中段には伸ばしランナー製の2キロ信号灯も設置しました。
マストトップ付近には3本の横桁が走っていますが、2本目は図面及び実艦写真を見る限り斜め後方に伸びていると思われたのでそのように設置しました。
また最上段の横桁接続部にはE-27逆探も設置しました。

メインマストと後部マストが立ったので、その間を走る空中線を張ることにします。大抵の作品ではしっかりとテンションを掛けてピンと張ったものが多いと思いますが、竹の画像ではそうなっていません↓


よって作品でもそのように表現するため、メタルリギングをマスト間より少し長めに切断し、しなりが付くようクセ付けを行いました。


艦尾にある旗竿ですが、図面だと2番主砲とほぼ同じ高さになっています。
しかし実艦写真を見ると、もう少し高くなっています。

同型艦の写真も確認しましたが、図面のような高さもあれば、竹同様の高さのものもありました。
今回は写真ベースで高めの旗竿とし、中段に伸ばしランナーで図面と同じ高さに艦尾灯を設置しました。

第一煙突左舷側には烹炊室煙突が伸びていました。
キットではフジミタミヤとも甲板から生えているように表現されていますが、烹炊室は艦橋後端にあるので、煙突で排出すべき煙はそこで発生します。
よって作品ではそのように設置しました。


第二煙突前にも極細の煙突(?)があり、図面でも実艦写真でも確認できます。
よって極細リード線で表現してみました。

ただこの煙突と思われるものが何のためのもので、どこから生えているのか分かりませんでした。

さ、あとは塗装して完成!
Posted at 2020/07/14 18:07:54 | コメント(1) | 艦船模型 | 趣味
2020年07月13日 イイね!

松型駆逐艦・竹(ジオラマベースの製作・最終回)

約5ヶ月半にわたった駆逐艦竹の製作。
実は7月12日深夜についに、ようやく、やっとこさ、完成しました。
本来なら完成報告ブログを上げるべきですが、制作記録を残す意味でまずはそれまでの過程を3回に分けてアップしたいと思います。

ジオラマベースとなる海面の製作は既に5回の試作を経ていますが、なかなか納得の行くものができていません。しかしさすがにもう終わりにしたい。そういうつもりで6回目に本番のつもりで作ったのがこちら↓


それでもなお画像に示すようにまだまだ納得の行かない部分が見られました。
徐々に嫌になってきていますが、少しでも満足度を高めるため、泣きながらもう一度チャレンジすることにしました。

そして7度目の製作。
これまでの度重なる試作と失敗を思い起こしながら、今度こそ最後という心意気でベースに粘土を塗りつけます。
乾燥後、ヒケや割れはパテで修正します。

しかし。

やはりそれでも納得が行きませんでした。
最初の画像に示した課題のうち「舷側白波の外に波は発生しない」はクリアしていますが、他の部分は改善が見られません。
ここで参考にしたのがこちら↓

アメリカ駆逐艦アレンMサムナーです。
これ以外の画像も含めて今一度よくよく再検討した結果、分かったのは3点。
◆艦首によって切り裂かれた海水はその少し後ろに落ち、そこまでは波などは発生しない
◆舷側周囲に発生する波は「一面水色でその外縁部のみ白くなる」というわけではなく、全体的にランダムな白波のラインが入ったようになる
◆白波が立って海水が回乱されているエリアは水色になるのではなく、エメラルドグリーンのような色になる


こりゃ8回目に突入か…?

でもヘタレモデラー的には流石に全くのやり直しとして8回目の製作をするのはしんどかったので、6作目をリメイクすることにしました。
石粉粘土製なので、ある程度の修正は効きます。

まずは問題点の部分を削ります。その部分は高さが不足するので、上からラッカーパテを盛り付けます。
硬化後はヤスリで形状を整えました。

なお艦は右回頭中の姿を表現するため、左舷側に5度傾けて設置します。
このため右舷側に1mmプラバンを敷いてあります。
魚雷を発射するときにはいわゆる「腹打ち」を避けるため、回頭により艦体を敵艦に向けて傾けるようにしていたようです。ただ旧海軍による魚雷射法などの資料も見ましたが、何度くらい傾けることとされていたのかの資料は見つかりませんでした。

今回は電飾も行います。
100均置き時計から取り出した回路にLEDを接続し、ボタン電池につなげる線をはんだ付けしました。
そして電飾ユニットをジオラマベースに設置。

電池ボックスは作らず、前回のムサイ型輸送艦ジオラマ同様、ダブルクリップで電池を固定する「なんちゃって電池ボックス」を採用しています(笑)
無論、その時同様点滅する仕様です。
これを使って点滅させるのは、竹の近くに立つ水柱。
実際の点滅の様子は完成ブログにてご覧いただくとしましょう。
今しばらくお待ち下さい。

既に艦橋や煙突などの大きなユニットは概成しており、ジオラマベースの目処が立ったので、いよいよ艦体をベースに据え付けて細部の工作に移ります。

故障舵復旧装置はその存在を全く知りませんでしたが、解体中の涼月の写真に写っており「なぜこんな所にリールがあるのか」と思っていましたが、実はローラーだと分かりました。
松型駆逐艦への装備があったかどうか不明ですが、あっても不思議でないと考えて設置しました。


1/700の場合、スパンウォーターや洗い場を正確に再現している作品は意外と少ないように思います。
特に洗い場の枠まで作っている事例は、私は見たことがありません。
このあと洗い場内に水栓も設置しました。
1/700で水栓まで作ったのはかなり珍しいと思われます(笑)
Posted at 2020/07/14 17:51:31 | コメント(2) | 艦船模型 | 趣味
2020年06月06日 イイね!

松型駆逐艦・竹(各部のディテールアップ)

週刊「竹」。
今週の報告です(笑)

まずは舷梯です。

生まれてはじめてエッチングパーツを使いました。
平面の状態から階段両側の手すりを90度立て、その後ステップを一段ずつ起こしていくという手順です。
非常に繊細なモールドなので非常に神経を使います。それでも若干歪んでしまいましたorz
やっぱりこれもスクラッチすればよかったかな…(笑)

後部マストに付く13号電探の製作です。
学研歴史群像の松型駆逐艦にこのような図が載っています。

戦後に米軍が調査結果を図にしたものだそうです。
ここで驚くのは横桁が1本でなく、真ん中で切れていて2本だったこと。
これを再現できないか…。

電探の中央を走る柱は断面が三角なので、まずは0.3mm角棒を削って三角にします。その後横桁をつけようと何度も試しましたが、あまりにも小さな部品過ぎて無理でしたorz

やむを得ず柱を四角のものにし、横桁も1本で妥協することにしました。
それでもそれぞれの部品が非常に細かい(2本の横桁に渡す支えは長さ0.7mm)ので、かなり苦労しました。

後部構造物に設置される部品を作り上げて設置しました。

この周辺は詳細がわかる写真がないため、図面を基にして作らざるを得ませんでした。
なおマストは断面が四角だったようですが、ついそれを忘れて作ってしまいました。痛恨のミスです。


救命浮標は1mm丸棒に0.5mmの穴を明けました。
オスタップは0.6mm丸棒に0.3mmのピンバイスで凹を作っています。
ピンバイスの先端がなかなか円の中心に当たらず、苦労しました。
ちなみにオスタップとは洗濯桶のことです。

艦首には旗竿、フェアリーダー、錨見台を付けました。

今回は航走状態のジオラマにするので、旗竿は倒した状態を再現します。
問題は倒した時に2本のステーはどのようになるのかという点でした。

駆逐艦親潮の写真では主柱に付いたまま後方に伸ばした状態に見えたので、そのように再現しました。
フェアリーダーは0.3mmプラバンに0.5mmの穴を開けてから適切な形状に切り出すという方法で作りました。
錨見台は親潮の写真から、裏側に三角ステーが確認できたので、そのように作りました。

船首楼甲板後端の壁には乗組員用ハッチがあったようです。↓は駆逐艦蔦ですが、当該ハッチのヒンジは左舷側に付いていると確認できます。



左舷側には洗い場をプラペーパーで再現。細切りで枠も付けました。ちなみに洗い場で洗うのは食器類などであり、いわゆる洗濯場ではありません。
第一煙突には蒸気捨管を設置するとともに、両側に汽笛を付けました。汽笛の線はリード線をほぐして出てくる銅線1本を使っています。


第2煙突にも蒸気捨管を付けました。
先程のオスタップは第2煙突前に3つ設置されます。
図面では煙突周辺に小さな四角いものがいくつか書かれていますが、それらが何であるのか、いくら調べても分かりませんでした。


海面の試作もこれで5回め(汗)
今回は舷側周辺とウエーキの作り方の勉強です。
前回までの失敗とその後調べた資料を念頭に置きながら作りました。
ウェーキの盛り上がり方と艦尾からの距離が少し不満ですが、全体の感じはまずまずに仕上がった気がするので、いよいよ本番の製作に移ります。

実はこのブログを書いている段階でジオラマベース本番製作進行中です。
台座へ石粉粘土を塗り、現在は乾燥によるヒケを修正中です。
順調に行けば明日にも海面の塗装に移れるかと。
その後は艦体全周のスパンウォーターと艦尾の爆雷投下軌条を付けてから、いよいよ艦全体の塗装。
そこまで行けばかなり完成が見えてくるかな(^^)
Posted at 2020/06/06 22:39:14 | コメント(4) | 艦船模型 | 趣味
2020年05月30日 イイね!

松型駆逐艦・竹(続・ジオラマベースの製作)

前々回の製作記録で3回の試作を経て、本製作の途中まで報告したので、その続きです。



石粉粘土の特性上、乾燥後のヒケはどうしても発生します。
画像で分かるように、海面と舷側や艦尾との間に若干の隙間ができました。
このままでは完成させられないので、補修作業に移ります。

隙間ができた箇所に、乾燥後に再びヒケが発生しても大丈夫なように、隙間よりも少し厚めに石粉粘土を盛り付けます。
艦尾波(ウェーキ)の形状がよくないと感じられたので、少し余分に粘土を盛り付けました。

乾燥後に艦の大きさに合わせて余分な粘土を削ります。



形状の修正と塗装が終わったら、その上からプラ材の削りカスを塗布します。
こうすることで海水が泡立った様子が表現できるだろうという目論見です。

一通りの作業を終えました↓

しかし、画像に示すような課題があると思いました。
再度作り直すかどうか、悩みます。

ここで思い起こすのはムサイベース高速輸送艦をジオラマ化した瞬間、一気に駄作になってしまったこと。

決断を下すのに約1週間かかりましたが、やはりやらなくて後悔するよりやって後悔すべきだと考え、再び1からやり直すことにしました。


こちらは綿による弾着の表現です。
これが試作2つ目。
中心部となる円筒形を透明フィルムで作り、その周りに薬局で買った脱脂綿を引き抜くような感じで取り出し、円筒周りに木工ボンドで付けていきました。
まぁまぁの出来栄えかなと思いましたが、これまたリサーチ不足を露呈。
そもそも水面への弾着はこのような形ではなく縦長の「水柱」になります。
これまたやり直しですorz

ということで勉強。
まずは横から見た艦首波。


全力公試運転中の槇とエンガノ岬沖海戦で戦闘航行中の桑です。
艦首によって切り裂かれた波は最上甲板と海面の中間程度までしか上がっていないように見えます。

次に上から見た艦首波。


夕雲型駆逐艦と軽巡夕張です。
いずれも艦首によって切り裂かれた波はあまり広がらずに後ろへ延びています。
夕雲型の写真は回頭時にどう波ができるかの参考にもなりますが、あまり速力が出ていない状況と思われます。

両舷にできる波は以下の写真も参考にしました。


陽炎型駆逐艦と護衛艦わかば(駆逐艦梨を引揚げ改造したもの)です。
やはりあまり広がっていません。
陽炎型は巡航速度だと思われますが、両舷の波はもともとある海の波の影響か、不規則に波打ちながら後ろに延びています。
わかばの写真では艦尾の波(ウェーキ)を上から見た状況も分かります。
先程の槇の写真でも分かりますが、ウェーキは艦尾から若干離れたところで少し盛り上がっています。これは他の駆逐艦(全力公試)の写真にも見られます。

さらに水柱の形状。
太平洋戦争での砲撃戦中の写真はあまり多くなく、手元にあったのは以下の2枚。


いずれも捷一号作戦におけるエンガノ岬沖海戦時のもので、栗田艦隊の金剛型戦艦と重巡利根・筑摩に砲撃される米軽空母ガンビア・ベイと、利根・筑摩の砲撃を受けているセントローです。
さすがに戦艦の弾着は空母の高さの倍以上にもなっていますが、重巡の弾着は空母と同程度かそれ以下です。
またセントローの写真からは、水柱の密度の薄さも感じられました。
多号作戦の竹はアレンMサムナー級駆逐艦の12.7cm砲で砲撃されているので、比較的小さめの水柱を少なめの綿で作ればよいと思われます。

いやぁ、この段階でこんな後戻りをしているようでは、6月中の完成も危ぶまれますね…。
Posted at 2020/05/31 11:39:06 | コメント(2) | 艦船模型 | 趣味
2020年05月17日 イイね!

松型駆逐艦・竹(魚雷発射管と二番主砲の製作)

週刊「竹」、今週の報告です(笑)

まずは魚雷発射管。
松型は92式四連装魚雷発射管四型を搭載していました。
ナノドレッドからアフターパーツが出ており、他パーツも含めて極めて精緻なディテールを再現しているとともに考証もしっかりしています。これを使う手も考えましたが、たった1基のために多額のお金をかけるのもどうかと思い、スクラッチすることにしました。
寸法は「軍艦メカニズム図鑑・日本の駆逐艦」に載っていたものを採用しました。

竹の図面にも右側面と上面が載っていますが、今回は上画像の数値を使いました。
なお四型は陽炎型以降の駆逐艦すべてが装備したそうですが、松型が戦時急造を考慮した点を考えると、特にシールド部を中心により直線的なフォルムになっていた可能性も否定できません。
しかし、戦後引き揚げられた梨(橘型)の発射管の写真が学研歴史群像シリーズ・松型駆逐艦に載っており、これを見る限り陽炎型などの発射管との違いはシールド部には見られず、発射管先端が丸い(秋月型以前)か四角い(松型以降)かの違いのみと思われました。


画像左はWL阿賀野型のものですが、尾栓部のみを切り離し1mmプラ棒に付けようとしたところ、発射管のシールドからはみ出てしまう(画像右)と分かり、断念。
残念。

【参考】
 一型:5500t級軽巡洋艦
 一型改一:重巡古鷹型~高雄型(?)
 二型改一:白露型・朝潮型
 三型:重雷装艦大井北上
 四型:陽炎型以降の駆逐艦
※形式の違いがどういう部分なのか(形状?性能?)調べても分かりませんでした。



やむなく手元にあったヤマシタホビーの小艦艇装備品セットに入っている53cm三連装魚雷発射管を転用します。
(1本の直径が1mmなので、61cmとしても問題ないと考えました。)

先端部及び尾栓近くを必要なサイズに切断し、先端部は4本のうち3本は魚雷を削り取ります。尾栓は薄く削り、1mmプラ棒切り口を丸く処理したものを貼り付けました。

今回は多号作戦の魚雷発射時を再現するので、四番管のみ魚雷が残った状態にしました。

なおスクラッチにあたっては「ナノドレッドに追いつけ追い越せ」の精神で、シールド左前部下に発射管旋回用のギアボックスを設置するとともに、尾栓開閉用ハンドルを付けました。
(ギアボックスはS17.9.17撮影のドック入りした不知火の画像でも確認できます。)

93式酸素魚雷もスクラッチします。

1mm丸棒を適切なサイズ(9000mmの1/700)に切り出し、後部はテーパーを掛けて縦横の舵をプラペーパーで再現します。
なお舵のうち下に付く縦舵のみ前後に少し長くしてあります。

最後部には納豆パックのフィルムを使って二重反転プロペラ(回転状態)を付けました。
また、本体中央付近の上部には導子(発射管内にある導溝を直進するためのもの)を付けました

先端に爆発尖も付けようとしましたが、小さすぎて無理でした(笑)

二番主砲・12.7cm連装高角砲の制作に移ります。

画像は1/144サイズ。
基本的にはこれを1/700にすればよいはずです。


極力正確に縮小したつもりでしたが、画像に示すようないくつかの課題が見つかりました。
全体的なフォルムや精密感は悪くはないのですが、よく調べると1/144のものと竹に搭載されたものは若干の違いがあると分かったので、作り直すことにしました。
ネットでググると世界各地に残された12.7cm砲の画像が出てくるので、できるだけ細かくチェックします。
しかし竹に搭載されたものは以下の点が異なっていると思わます。

また↓は竹と同じ横須賀で建造された樅の写真です。

さらに初桜(橘型)↓

これらの検証から、
・砲左側の電動機室の補強フレームは1本
・砲右側のシャッター下部は少し前に出ている(初桜ほどではない)
・同シャッター脇にフレームが出ている
という3点を再現することとしました。
そして再作成したのがこちら↓

実は電動機室の幅が0.5mm大きいのですが、これと同じものをもう一回作るのはさすがにしんどいので、これで妥協することにします。
とは言え、砲側照準所内部の光学装置や砲後部の装填台二基を設置できたので、ナノドレッドを超えたのではないかと自己満足しています(笑)
Posted at 2020/05/17 17:16:39 | コメント(3) | 艦船模型 | 趣味

プロフィール

「重巡鳥海の製作(煙突の工作その2) http://cvw.jp/b/488285/48639989/
何シテル?   09/06 14:56
模型工作とキャンプが大好きなヘタレをやぢです。 私がフォローする方には2種類あります。 一つは「以前からのみん友さん」 もう一つは「ちょっと興味を持っ...
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