しばらく前、一等輸送艦第9号を作っていた時のこと。旧Twitterでその制作報告をしていると、戦後に捕鯨母船となった第9号輸送艦を研究している方(以下、F様)にフォローされました。
様々な情報交換等がある中で、こんなやり取りがありました。
ザク違:
19号輸送艦を製作するならば拙作を差し上げたいと以前から考えており、もしお受け頂けるならご希望の場面を再現したいと考えています。
F様:
是非ともお願いします。同人誌の増補改訂版をコミケで再頒布する予定なので、その時は作品を看板として展示させて頂きたく思います。
なんとっ!
単に拙作を受け取ってもらえるだけでなく、コミケで展示!?
しかもF様がお持ちの貴重な資料を惜しげも無くご提供頂けるとのこと。これはかなり真剣勝負となりそうです。
嬉しく感じると同時に、身の引き締まる思いです^_^;
さて製作。
まずは資料の確認です。

第9号製作時と同じものを使用します。図面はその際に使って書き込みがたくさんされているので、寸法を再び割り出す必要がありません。
さらにF様より提供された各種資料を参考にします。

第9号は比較的資料や写真に恵まれていましたが、19号は資料がかなり限定され、写真も不鮮明なものが大半なので、製作は推定に寄らざるを得ないと思われます。
しかしF様による「考察」は大変深い検証と慎重な推定がA4サイズで24ページにも亘る膨大なもので、これを基本にしつつ、海軍管轄下の装備等を自分なりに加えていくという流れになりそうです。
ちなみにF様の描いた捕鯨母船仕様はこんな姿↓
ということでキットに手を加えていきます。
まずは地味な船体工作。
40年以上前の金型なのでヒケなのが目立つため、まずはスクエアなフォルムとするために甲板上の構造物を全て切除してから全面にペーパー掛け。
その後、艦橋直後の舷側にある貨物搬出口を開口します。

力加減を誤って割ってしまったので、このあと補修しました…
リューターでプラを薄く削り、プラペーパーを裏打ちしました。
次に艦首形状の修正。
19号は、舳先から喫水部にかけては直線ではなく、9号同様中ほどが凸になっています。
これを再現するため、いったん艦首を削ってからエポパテで整形します。
キットの艦尾はスロープの傾斜角が一定のまま後端まで続いていますが、実艦は後端近くで少しアールがかかっているので、ヤスリで整形しました。
捕鯨母船時代は軍艦時代にあった武装は全て撤去されているため、乾舷が高くなっていたので、キットの艦底板に加え、プラ板で2mmほど嵩上げします。
ここまでで約1ヶ月。
次は最も地味で最も時間と手間のかかる滑り止め甲板の処理です。
地味な船体工作はまだまだ続きます。
Posted at 2024/04/13 22:49:06 | |
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