艦の中ほどの三連装機銃座跡には復員用の木造建屋がありました。

両舷に向かった片流れ屋根です。窓は↑の1箇所以外はどのようについていたのか不明です。また扉がどこに付いていたかも不明。サイズはこれらの写真から推測しました。
また、壁の板の向きは戦後のバラックを参考にしました。

0.3mm角棒で梁も付けました。
中央機銃台後ろの2番ハッチは乗組員の休憩等に使うスペースだったようです。ここがどのようになっていたのか不明ですが、同様の建屋があったと推定し、同じものを作りました。
次に取り掛かったのは艦尾エプロン。
捕鯨船が取ってきた鯨を艦尾スロープから揚げる際の装備です。
19号より後に改装され9号ではこのような形状。
19号はこれほど鮮明な写真がなく、粗い画像から推測するしかありません。

高さは人の腰あたりまでで、スロープ途中で終わっています。ボラードの位置からすると、エプロンはあまり長くないようです。
またこちらの写真(2度目の操業中)では…

艦尾に向かって登り傾斜がかかっており、これはエプロン内側に張られた木甲板との段差を解消するための作りと考えられます。
右には何らかの設備がありますが、これは2度目の操業時に設置されたものだそうです。
こちらは操業や復員が終わった英国引渡し直前の写真です。

赤枠はエプロン設置跡と思われる箇所ですが、先程の写真と比べエプロンが艦尾端近くまで延長されています。
青枠部分には13号と同様の湾曲部の設置跡がありますが、F様に確認したところ、2度目の操業前に設置されたものだそうなので、今回の製作ではスルーします。
ということで製作。
エプロンは0.1mmプラ板で作り、外側に三角ステーを並べました。

片側しか作っていませんが、もう片方は操業中に破壊された状況を再現するためです。
エプロンとの間には木甲板を張ります。
少し脱線しますが、スロープ部になぜ木甲板を張る必要があったのでしょうか。
その検討のためには、エプロンの用途を知る必要があります。これらは推測ですが、①鯨体を艦中央に寄せる②エプロン付近で初期的な切断作業を行い、スロープの傾斜により血液などを艦尾から流すので、その時の鯨体固定用③鯨の転落防止、の3点だったと考えます。その場合、鯨を固定する必要があるため、その重量に耐えられることや、繋止用フックなどがあったと考えられます。
その上で実艦写真をよく見ると、エプロンの間に横線が入っています。

これは木甲板上での作業中に鯨がずり落ちてしまわないための滑り止め用横桟だったのではないかと考えました。
そしてようやく製作。
「桜と錨の気ままなブログ」によれば、木甲板1枚の幅は7インチなので、1/700で0.25mmとなりますが、その通りに施工するとちょっと煩く感じるので0.5mmとし、端部を斜めに削りました。
木甲板は後マストから艦尾排気筒までのエリアにも張られていました。
これはちょうどその下に缶室や機械室があるので、そこからの熱が鯨肉に伝わってしまわないようにするためのものです。
こちらにも艦尾木甲板同様、一定間隔で横桟が入っているようなので、そのように作ってみました(↓画像は未施工状態)。
捕鯨母船の形がかなり出来てきたように思います。
ぼちぼちジオラマ化する際に一緒に登場させる捕鯨船などを作り始めようかな。
キットがないのでフルスクラッチになりますが…^_^;
Posted at 2024/07/20 15:34:42 | |
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