前回に引き続き、地味~な船体工作です(笑)
前回、倉庫スペースの床を貼り塗装まで終わったので、船底板を接着します。
キットにも船底板は入っていますが、ジオラマ化する際に高さが足りなくなるので、キット板の下に1mmプラバンを貼り付けました。これは接着中の状態↓

このあと合わせ目消しを行いましたが、これが予想を遥かに超えて難渋。詳しくは後述します。
舳先の形状ですが、実は一等輸送艦の舳先の形状は2種類あります。
前々回の製作記でも記したように、艦首側面形状が直線のもの(1号、2号、11号、16号)と中程に折れ角があるもの(4号、5号、9号、17号、19号、22号)です。
キットは直線になっているので、中折れ型に修正します。
舳先の一部を削り取って、Φ1mmの穴を開けて丸棒を差し込みます。

この上からエポパテを盛って大体の形を作り、さらにパーツとの境目にラッカーパテを盛っては削りを繰り返して形を整えました。

一等輸送艦の正面線図は手元にないのでラインは適当ですが、この艦はそれまでの日本艦船のような美しいフレアはほぼ付いていないことが実艦の写真から推察されるので、比較的ラクな作業でした。と言っても左右均等にするのは難しいです…。
さて合わせ目消しですが、前回ブログで報告した舷側の貨物搬出入口の下あたりに約2センチに渡って僅かな段差が出来てしまいました。これが何度もパテ盛りをし、プラペーパーを当て、パテをラッカータイプから溶きパテに変えるなど、考え得る手段は全て試しました。この間、一週間。
しかしそれでも消えません。なぜだ…。
今回こそは妥協なき作品作りに取り組もうと意気込んでいましたが、さすがに気力が続かず妥協することにしました。

うーむ、かっこ悪い…orz
しかしこれで漸く次のステップに進めます。
次は舷側に装着されているT字状の板の再現。
手元にあるどの図面でも位置や大きさが示されていないため、実艦写真から推定しようと思います。

いずれも第9号の写真ですが、斜めから撮影されているため正確な位置や大きさを算出するのは私の技術ではなかなか困難です…。
次にチェックしたのは第9号と同じ呉で建造された第5号の写真。

うっすらとしか写っていませんが、どうにか位置と形状が特定できました。
ここからサイズを推定したのがこちら↓

板は片舷に3枚ずつ付いているようですが、下の画像に示す大ブロックの接合箇所とは異なる位置にあることが分かりました。

では、そもそもこのT字型の板は何のためのものなのか。
「まけた側の良兵器集Ⅰ」ではブロック同士の接合用とされていますが、呉海事資料館の論文や「船の科学」連載記事にある寸法を図面に当ててみると、少なくとも船首部と中央部、中央部と船尾の接合用ではありません。
そこで先程のイラストをよく見ると、中央の舷側重油タンクブロックと機械室ブロックを接合させるためのものかもしれないと気付きました。3つのT字板が均等でなく2つが後ろ寄りに配置されているのは、船体中央部の前半は貨物スペースで後半が重量のある罐室及び機械室になっているからだと思われます。
これが正しいとすると、舷側重油タンクブロックと船首ブロック及び船尾ブロックを接合するための前後に伸びるT字板が別途あってもよさそうですが、手元にある実艦写真ではそのようなものは確認できませんでした。
ということで形状、大きさ、位置が特定できたので、プラペーパーでT字板を作りました。
これを推定した位置に貼り付け、さらに船体前後に延びる溶接痕を再現します。

溶接痕は舷側に入れた0.1mm幅の溝に極細伸ばしランナーを埋め込むことで表現しました。

やばい、かなりのオーバースケール…。でも今更修正効かないし…。
やっちまいましたorz
今回はここまでです。
次回も船体の工作の予定。
まだまだ地味な回が続きます…。
Posted at 2022/06/02 22:38:10 | |
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