「天気が良く、道が空いて、体力に自信のある日」
果たしてこの条件に当て嵌まる休日が年間に何日あるだろうかと考えると、本当に僅かに思います。その僅かな日に乗る為の一台を保有する事は、色々な意味で制約の無い方のみに許された最高の贅沢だと思います。自分自身は色々な制約があるので難しいとは思いますが、いつかその制約から解き放たれた時に選ぶ一台にはオープンを夢見ています。
私が初めてオープンに乗ったのは比較的最近で、10年までは経っていない丁度今頃の季節でした。

ジャガーを点検か何かでディーラーに預けた際に代車で乗ったジャガーXKRコンバーチブルでありました。ディーラーで受け取って早速ソフトトップを開けた時に飛び込んできた空の解放感には異世界の乗り物に乗ったくらいのカルチャーショックを受けたのを今でも覚えています。
あの日は平日だったにも関わらず、寒さに負けずバーバリーのトレンチコートを着込み薄手の革グラブを嵌めて屋根を開けて出社した記憶があります。それを目撃した会社の子に「スナイパーですか?」と笑われましたが、恥ずかしげもなくその程度のコスプレが出来ないと乗りこなせないと自分に言い聞かせた痛々しい記憶もまた良い思い出です。
夜になってもそのまま屋根を開けて都心に飛び出しました。見上げる東京タワー、夜の銀座、人もまばらな大手町のオフィス街…いつも見慣れた風景がダイレクトに飛び込んで来る感覚、BGMには時折聞こえるV8サウンド…これはセダンの深窓から眺めるものとは全く異なる世界でありました。翌日の車両返却の時には生憎の雨模様でしたが、そのソフトトップを叩く雨音までもBGMにしてしまう程の魅力を感じました。
こんな感じに乗るなら今のFタイプコンバーチブルはスパルタン過ぎですし、マセラティのグランカブリオはゴージャス過ぎます。そこで前出のジャガーXKコンバーチブル等が一番相応しいように思いますが、それも少し草臥れた感じだとより雰囲気あって良いかも知れません。
いつの日かアストンのDB11ヴォランテを購入し、新車の時にはそのピカピカ感を楽しみ、古くなったら労わりながら愛でるという楽しみ方をしたいものです。
その為に、DB11のヴォランテはメタルトップにならない事を願うばかりです。
Posted at 2017/01/13 15:23:28 | |
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