
「4耐は最後の10分間に様々な展開とドラマがある」という話を聞かされていた。今回身を持って体験した。
チェッカーが大きく振られる下、ホームストレート壁際をノロノロと走ながらコントロールラインを越える瀕死の 180号車。祈るような気持ちとゴールした瞬間の感動。あの時の気持ちをどのように伝えれば良いのか。
それまでの 3時間50分、時間をかけて膨らみきった風船が突然はじけるように、保たれていた均衡が崩れはじめる。それまで強く輝き夜空を照らしていた星たちが、次々に流れ落ちて舞台から姿を消してゆく。
【10分前:いよいよクライマックス、トップは既に燃費モード】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,175周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,175周,+13.413
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,175周,+36.345
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,175周,+41.511
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,175周,+42.310
6位 : 10号車(ザ・マイカーロードスターSPL),173周,+2LAP
・・・
10位:818号車(LTV ROADSTER) ,173周.+2LAP
11位:180号車(パーティレース10ロードスター),172周,+3LAP
12位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,172周,+3LAP
13位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,172周,+3LAP
09号車、01号車 はすでにスローダウン。24号車、27号車 はここまで 12秒台前半 のペースをコンスタントに出して追い上げて来た。10号車 は早くもガス欠の為に既にピットイン。チェッカー寸前にコースインしてなんとか完走する作戦。我らが 180号車 は前行車に 1LAP 空けられ、後ろから 11秒台 で迫る 77号車 の猛追を受ける展開。
【9分前:後続車に迫られピンチに】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,176周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,176周,+10.783
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,176周,+31.121
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,176周,+35.431
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,176周,+36.147
6位 : 04号車(CGロードスター) ,174周,+2LAP
・・・
10位:818号車(LTV ROADSTER) ,173周.+3LAP
11位:180号車(パーティレース10ロードスター),173周,+3LAP
12位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,173周,+3LAP
13位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,173周,+3LAP
24号車、27号車は12秒台 で全開バトル。ピットストップを続ける 10号車 は 4号車 に抜かれ上位争い脱落。我らが180号車 は77号車 の射程圏内に捉えられる。ピンチ。
【8分前:レースはトップスピード、ひとつ順位をあげる】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,177周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,177周,+9.237
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,177周,+28.242
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,177周,+31.744
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,177周,+32.343
6位 : 04号車(CGロードスター) ,175周,+2LAP
・・・
9位:818号車(LTV ROADSTER) ,174周.+3LAP
10位:180号車(パーティレース10ロードスター),174周,+3LAP
11位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,174周,+3LAP
12位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,174周,+3LAP
前方では24号車、27号車の全開バトルが続く。180号車 は混走の中 12秒台 のタイムをキープ、77号車 を抑える。ピットストップ中の10号車 を抜いて順位が 10番手 に上がる。
【7分前:ガス欠警告灯ON、絶対絶命】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,178周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,178周,+8.959
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,178周,+25.437
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,177周,+1LAP
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,177周,+1LAP
6位 : 04号車(CGロードスター) ,175周,+2LAP
・・・
9位:818号車(LTV ROADSTER) ,175周.+3LAP
10位:180号車(パーティレース10ロードスター),175周,+3LAP
11位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,175周,+3LAP
12位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,175周,+3LAP
24号車、27号車 の全開バトルがまだまだ続く。我らが180号車 ガスの警告灯ON(多分このころ)。鬼監督からは 「構わず全開」 の指示。12秒台 後方。後方より迫る 77号車 は 12秒半ば のペース。絶体絶命。
【6分前:怒りの12秒フラット、上位から脱落車】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,179周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,179周,+5.114
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,178周,+25.437
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,178周,+1LAP
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,178周,+1LAP
6位 : 04号車(CGロードスター) ,176周,+3LAP
・・・
9位:818号車(LTV ROADSTER) ,176周.+3LAP
10位:180号車(パーティレース10ロードスター),176周,+3LAP
11位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,176周,+3LAP
12位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,175周,+4LAP
前の方では 24号車、27号車、意地の張り合い。我らが180号車 も負けていない。警告灯を付けたまま怒りの 12秒フラット。77号車 を少し引き離す。04号車、スローダウン。
【5分前:束の間の均衡】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,179周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,179周,+5.114
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,179周,+20.253
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,178周,+22.867
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,178周,+23.646
6位 : 04号車(CGロードスター) ,177周,+2LAP
・・・
9位:818号車(LTV ROADSTER) ,177周.+2LAP
10位:180号車(パーティレース10ロードスター),176周,+3LAP
11位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,176周,+3LAP
12位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,176周,+3LAP
各車、それぞれの事情をかかえながら均衡を維持。
【4分前:迫る77号車の毒牙】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,180周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,180周,+5.016
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,180周,+19.809
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,180周,+22.228
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,180周,+23.090
6位 : 99号車(CT雀Racingロードスター),178周,+2LAP
・・・
9位:818号車(LTV ROADSTER) ,178周.+2LAP
10位:180号車(パーティレース10ロードスター),177周,+3LAP
11位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,177周,+3LAP
12位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,177周,+3LAP
04号車 こらえきれずに脱落、99号車 が 6位 に浮上。我らが 180号車 に迫る 77号車 の毒牙。何とか走り切ってくれ!
【3分前:「ガス欠」の死刑宣告】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,181周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,181周,+2.574
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,181周,+16.967
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,181周,+18.268
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,181周,+19.154
6位 : 99号車(CT雀Racingロードスター),179周,+2LAP
・・・
9位:818号車(LTV ROADSTER) ,178周.+3LAP
10位:180号車(パーティレース10ロードスター),178周,+3LAP
11位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,178周,+3LAP
12位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,178周,+3LAP
77号車 に追いまくられる展開が続く。 直後に「ガス欠症状」の報告。まるで癌の告知か死刑宣告を受けたようなショックがチームを襲う。残り3分。このままコース上でスローダウンしチェッカーを待ってコントロールラインを通過するくらいはできるだろう。順位は望めないがせめて完走を。
【2分前:ティーポチーム停止、長いあと1周...】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,182周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,182周,+3.877
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,182周,+15.667
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,182周,+18.790
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,181周,+1LAP
6位 : 99号車(CT雀Racingロードスター),180周,+2LAP
・・・
9位:818号車(LTV ROADSTER) ,179周.+3LAP
10位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,179周,+3LAP
11位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,179周,+3LAP
12位:180号車(パーティレース10ロードスター),178周,+4LAP
トップを走る 09号車、最後の力を振り絞るようにこれまで抑えてきたタイムを上げる。27号車 スローダウンそして完全停止。我らが180号車 は戻ってこない。無線で入るポジションレポートで、まだ走行可能な状態であることがかろうじて把握できる。まだ完走できる。「ピットインしないで、コース上をスロー走行!」
と、ここで予想外の事件が発生。期待よりも早い周回 (とはいっても 1分50秒367)で周回してきた 180号車 がコントロールラインを通過してしまった。耐久は 4時間 を経過した後に先頭車両がチェッカーを受け、その後にチェッカーを受けないと完走扱いにならない。従って、この状態からあと少なくとも 1周 しなければリタイアとなってしまう。
【1分前:祈るような気持ち】
1位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,183周
2位 : 01号車(モタモタロードスター) ,183周,+3.022
3位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,182周,+1LAP
4位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,182周,+1LAP
5位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,181周,+2LAP
6位 : 99号車(CT雀Racingロードスター),180周,+3LAP
・・・
9位 : 04号車(CGロードスター) ,180周,+3LAP
10位: 77号車(EDGE ROADSTER) ,180周,+3LAP
11位: 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,179周,+3LAP
12位:180号車(パーティレース10ロードスター),179周,+4LAP
祈るような気持ち。あの状態から 1周 走れるのか。正直ダメではないかと思った。位置の移動を知らせるポジションレポートが、僅かな望みをつないでゆく。
【チェッカー:最後たったの1周を残して...】
1位 : 55号車(SYE ROADSTER) ,184周,
2位 : 24号車(ホットバージョンロードスター) ,184周,+3.427
3位 : 01号車(モタモタロードスター) ,184周,+4.034
-位 : 09号車(ホリデーオートロードスター) ,183周,+1LAP
4位 : 99号車(CT雀Racingロードスター),182周,+2LAP
5位 :818号車(LTV ROADSTER) ,182周.+2LAP
6位 : 88号車(カービューロードスター) ,182周,+2LAP
-位 : 27号車(ティーポRTロードスター) ,181周,+3LAP
-位 : 77号車(EDGE ROADSTER) ,181周,+3LAP
7位 : 31号車(カー・マガジン・ロードスター) ,181周,+3LAP
-位 : 04号車(CGロードスター) ,180周,+4LAP
8位 :180号車(パーティレース10ロードスター),180周,+5LAP
183周 にわたりトップを守り続けていた 09号車、たった最後の 1周 を走りきることができなかった。我らが 180号車 の好敵手となった 77号車 も最後に沈黙。たった 5分前 には 6位 まで登りつめてた 04号車 も残ることができなかった。ほんの 1周前まで 2位 を死守していた 01号車 も、この 1周で 2台 に抜かれた。 そして、劇的な勝利を手にした 55号車。
流れて消えた星々の中で最後まで弱々しい光を放ち続け、2分29秒895 という参加車両の中で最も苦しい最終ラップを刻んだ 180号車。最終の出口に見慣れた電飾を見つける。もう止まってしまうかもしれない。「来い!来い!」と叫び、ゴールした瞬間、チーム一丸となって応援した。今書いても、なんか泣きそうな気持になる。
サポートにまわってくださった方々、同じチームで参加した他のドライバの皆様、そして誰よりも一番今回のレースについて考えてくれていた監督。本当にありがとうございました。そして、お疲れさまでした。また来年がんばりましょう!
そして...えっと、一応ドライバとして参加もしておりました。このあたりも、別途レポートしたいです。