
2011年12月11日(日)いよいよレースの当日です。サーキットロッジに宿泊のため、朝はゆっくりです。2度寝して外に出ると、車は霜で真っ白になっています。とりあえず、エンジンをかけ、ヒータを入れ暖気をしながら部屋に帰って3度寝します(笑)。
6:30 受付を済ませると、7:10 ブリーフィング、8:10 車検とやや間延びしたタイムスケジュールです。レーシングスーツは着てきたし、前日走行しているので、ポンダーを付け終えると、やることがあまりありません。9:00 からの予選開始まで時間があるので、のんびりと過ごします。気温が低いが、日差しが出て路面温度は昨日よりも上がりそうです。
今回、サーキットトライアルは 70~80台 が集まったとのことですが、Party Raceを含めて終日走行予定が埋まっているわけではなく、間ではサーキットライセンス保持者の通常のスポーツ走行が行われています。
Party Race としては、当日の病欠などもあって、NC1 が 8台、NC2 が2台、NB2 が 2台、計12台 の参戦となりました。
予選
先日のタイムがまぐれでなければ、そこそこの好ポジションが狙えそうです。私は、レースの日の朝食はなるべく摂らないことにしています。なぜならば、人間といっても所詮動物の端くれです。お腹がすいてハングリーな方が、獲物を捕らえるための鋭敏な感覚が研ぎ澄まされ、反射神経が向上すると信じているからです。
足をつらないように準備運動は万端。最高速からの、頭が真っ白になるようなフルブレーキングを何度も頭の中でイメージしながら、攻めの気持ちを保つようににつとめます。レースはメンタルなスポーツです。人間のスイッチが入ったり、切れたりすることでタイムが大きく左右されてしまいます。
岡山国際サーキットのイベント進行は、秒単位で正確に進められます。車載の電波時計が、8:59:59 を示し、9:00:00 に変わった瞬間、信号が青になりコースインです。
前日走行の感触が良く残っており、攻めきった手ごたえがあった アタック3周目、P-LAP 表示で1分56秒フラット。それなりのポジションは確保しただろうという確信を得ます。戻ってくると、ポンダーとの計測位置の差もあって、公式タイムはなんと、1分55秒999です。1/1000 秒の差とはいえ、55秒台 と56秒台の差は大きいです。ライバルたちに与えるプレッシャーはタイム差以上のものがあるでしょう(笑)。
自分では上出来以上のタイムを出したものの、やはり 12号車さんはさらに上を行き、54秒台を出しています。45号車さんは、前日は調子悪いようなことを言っておりましたが、本番ではきっちりと56秒1まで詰めてきました。45号車さんと言えば、NC2のシリーズチャンプです。自分がほんの少しとはいえタイムで上回ったということは、まあ、正直に言うと誰かに自慢したい気持ちです(笑)。
ともかく、総合2位、決勝グリッドでは フロント・ロウ に車を並べることになりました。
決勝までの時間
先日の筑波に引き続き、787Bのデモランが行われます。その人気といったら凄まじいもので、ピットでは黒山の人だかり、表を走れば人の群れが移動し、裏を走れば人の群れがまた移動しといった感じです。
予選の結果がそこそこだったもので、とりあえず腹ごしらえです。ラーメン、カレーセットです。ハングリーな野生の感はここで失われます(笑)。
決勝(以下、敬称略です)
先頭から、12号車、44号車(私)、45号車、3号車、78号車、36号車...と続きます。
2番グリッド、私のポジションは1コーナに対してイン側です。最初のコーナは90度以上まわりこんでいるので、インベタが速いハズです。事前のシミュレーションでは、スタートをそこそこ決めて、12号車 のインを取り、並走で抜けてあわよくば先頭奪取の作戦です。
後方は、左後ろに45号車、さらにその後ろにスタートの得意な3号車。3号車がスタートを決めて、45号車 をある程度牽制してくれれば、私は前方の車に専念できることになります。
シグナルの赤ランプが、左から順番に1秒ごとに点灯してゆきます。5灯 点灯して、消灯でスタートです。スタートは悪くない。先頭 5台、ほとんど同じくらいのスタート。12号車 すかさず右に車を寄せ、イン側を確保。後方、頭を振って確認した左後ろの 45号車 は並びかけるまでにはいたらずやや余裕がある。3号車、失敗ではないが 45号車 に仕掛けるまでには至らない。
アウトに飛び込むか、12号車を追ってインベタで行くか、迷ったあげく当初の計画通りインベタで。と、思ったら12号車の減速が思ったより大きい。頭を抑えられ、45号車に外側からの飛込みを許す。私に続いてインベタで入った3号車も、やや失速をよぎなくされた感じ。
2コーナ、入り口で45号車と並走で進入。思い切り良く飛び込んできて膨らんでくる45号車にあっさりと前を譲る。「おい、テメー、ちょっと今の危なくないか」と思いつつ、狙ってやったのなら間違いなくレース巧者である。信頼して飛び込んで頂けるのも複雑な心境(笑)。
後方では、1コーナでインを取った 36号車 が、2コーナ、アトウッドコーナまでに 78号車 の前方に出る。
奇しくも、先頭の 2台 は今年の NC1、NC2 のシリーズチャンプ。12月になると シリーズチャンプ同士の直接対決をレポートすることが恒例になった、私、今年こそは前方の 12号車、45号車から離されるわけにゆかない。
先頭の12号車は、予選 54秒台の走りは温存してやや抑え気味の走り。これに続く 45号車、44号車(私)。抑えるとはいっても、56秒台 をコンスタントに刻む、決してスローペーストは言いがたい。
12号車、45号車、セッティングが同じためか、ほとんど同じラインをトレースするように走行を重ねる。これに対して、全く違うラインで追いかける 44号車。45号車、何度か 12号車 に近づくが、大きくラインを変えて勝負をしかけるような動きはない。つまらん、もっと何かやってくれ~(笑)! 後ろから、2台 からんでのコースアウトを期待し、呪いをかけ続ける私。
3周目付近では、1コーナ出口で 12号車がラインを膨らませ、ダートに完全に落ちる。姿勢を乱さず、コースに復帰し、順位の入れ替えはなし。呪いが足りなかったようだ(爆)。
むしろ、44号車(私)の方が、45号車 に仕掛けることになる。複合ヘアピンの 1個目、ブレーキングのタイミングの違いに、思わずブレーキが余ってしまい、イン側に飛び込む。飛び込んだ本人も、飛び込まれた 45号車も予想していなかった。クラクションに反応した 45号車 がアウトにラインを交わし、1瞬並走に入るも次のヘアピンで縦列に戻ってしまう。最終の1個前ではラインが 1本 しかないため、ここに並走で持ち込まないと勝負は難しい。
特にアトウッドコーナの進入と立ち上がりでは私に分があり、バックストレートで何度かチャンスが訪れる。何度か色々なパターンを試し、帰ってから車載を見て、スリップの効果が大変に大きいことが判った。
アトウッドの立ち上がり直後にテール・ツー・ノーズ、そのままスリップを使い4速に入れる付近で車をかわすと、絶好のタイミングに付ける。今回は、170km からのフルブレーキングでの飛び込みに自信が無く、インを刺しきることができなかったが、タイミング的には確実に捕らえる位置につけていたと思う。自信が無ければ無理なことをしないのも、レースを無事に走りきる上で重要だと思う。自身を持って仕掛けるには、もう少し練習が必要だ。
アトウッドで同じくらいの立ち上がりで、スリップを使わないと微妙に離れてゆく。これは、加速区間であるので空気抵抗が影響しない物理の法則に従っている。
アトウッドの立ち上がりでこちらの方が良くて、たとえば筑波の裏ストレートで完全に並べるようなタイミングで、ノーズがかぶるくらいの並走で加速をはじめても、45号車が12号車のスリップに入っていると、スリップから外れた私の車は遅れて離されてしまう。複数の車両が走っている時のスリップを考慮したポジション取りは奥が深い。
レースを通して、自分の遅いところ、速いところが確認できた。弱点としては、リボルバーのコーナリングが遅くもう少し速度を乗せても良さそう。また、複合ヘアピンの2個目の立ち上がりが遅いため、メインストレートではスリップを使ったチャンスを得ることができなかった。さらに、「最終コーナの外側の緑の縁石は踏んではいけない」との刷り込みがあり、ここをしっかりと踏めていなかったことも反省点(笑)。
チェッカー
結局、順位を保ったまま 総合3位 でチェッカー。特別戦では 3度目の表彰台に乗ることになりました。
ひとつ後方、36号車 と 78号車 のバトルは、78号車 が 36号車を追い回した挙句、抜き返したとのこと。地元で地の利があるとはいえ、来年の活躍が期待されます。
そして、レース結果の発表。なんと、レース の
ファステスト・ラップ 獲得 です。記憶の限り、44号車としては 2年前に 筑波の ピット・ロード での ファステストを獲得して以来の快挙となりました(笑)。
はるばる、遠方の岡山まで参戦された参加者の方々、お疲れ様でした。また、主催者、関係者の方々、楽しいレースをありがとうございました。