関ヶ原町の史跡　『十九女池・六部地蔵・七つ井戸・与市の墓』

関ヶ原には、合戦以外にも史跡がたくさんあります。
その中から一部を紹介したいと思います。



≪十九女池伝説≫
この池は、つづらいけと読み、本多忠勝の陣跡の近くにあります。

水面には、数種の絶滅危惧種の花が咲きます。

池の面積は、道路や埋め立てなどにより、小さくなりました。

現在この池は、上に新幹線が通り、２０年ほど前にできた高速道路へと繋がる交通量の多い道路がすぐ走っており、散歩道も出来て、立ち寄りやすい池ではありますが、昔は木が生い茂っており、薄暗くて入っていきにくい怖い所だったそうです。

毎朝出勤時になると、この池の入り口にあるトイレに、たくさんの人たちが立ち寄るそうです。



『物語』
その昔、夜な夜な遅くに民家に　『お椀を貸して欲しい。』と、やってくる年の瀬１９歳ぐらいの若く美しい女がおりました。

その女性はとても生臭く、あれは池の大蛇に違いないと噂が流れました。

民家のじいさんが、『蛇は鉄が嫌いだから』と、意地悪くも椀の底に縫い針を指して、その女に渡しました。


十九女池の神社


・・・それからその女は、全くお椀を借りに来なくなりました。

しかし、月の綺麗な夜に、たいそう美しい女が、笛を吹きながら歩いているという噂が流れるようになりました。

そんなある日、大変美しい年の瀬１９歳ぐらいの女が、関ヶ原の本陣の家へやってきました。

女　　『長らくおいてもらいましたが、遠くへ行く事になりました。そのお礼に、この笛を置いていきます。ありがとうございました。』


十九女池


そう言って、女は笛を置いて去ってゆき、それ以来その女は姿を見せなくなりました。

その時のお椀と笛は、宝として今でも祭られているそうです。

因みに以前は、『十九屋池』　と、書かれていたそうです。




感想：お礼を言うならば、さんざん御椀を貸してあげた民家だろうに、なんで関係の無いお屋敷へ行ったのかと疑問に思いました。
村の権力者が自分の力を子孫末代へとアピールする為に作った話かなとも思いました。






≪六部地蔵伝説≫


ココへ行くと、歯痛を治してくれるそうです。

よし！今度歯が痛くなったら、ココへ行こう！！






≪関ヶ原大火・七つ井戸≫



関ヶ原宿は、１７６０年と２回大火に見舞われた。
その後、町に７つの井戸が掘られました。

他６つは残っておらず、現存しているのはここだけ。
観光用に、大変綺麗に整備・復元されています。

関ケ原町には、火の神様を祭った秋葉神社というのがあり、おそらく火事の起こった季節はずれの秋の日に、花火大会が行われています。

この日、デロデロによっぱらった男たちが町中にあふれ出すので、運転にはご注意下され。




≪源義経に殺された男・与市の伝説≫
与市は、関ヶ原に水を引いた偉い人です。

１１７４年京都の橋を馬に乗り、部下を約１０人連れて渡っていたとき、橋の横で休憩をしていた牛若丸（源義経）に、泥水をひっかけてしまった。

それが原因で大喧嘩となり、義経に殺されてしまった。

部下も皆殺しにされた。

その後彼の亡骸は関ヶ原へと運ばれ、祀られたそうです。

与市の墓の入り口

明治時代にＪＲ鉄道の開通工事をしている時、大きな五輪の墓が見つかった。

誰かれとも無く、『こんなに立派な墓は、関ヶ原与市の墓に違いない。』　と言い出し、彼の墓と決められた（実証は無い）。


与市の墓



感想：それをどうして、合戦武将の墓だと取られなかったのかと、疑問に思った。
先日、石田三成一族の墓を見に行ったが、よく似ていた。



与市の宮



墓と宮は、少し場所が離れている。

１２１８年、神として祭られた。

この間、４４年もある。

何故、すぐに祀られなかったのだろうか。


関ヶ原合戦の翌日、１６００年９月１６日、徳川家康は与市宮に、禁制を出した。

禁制とは、盗賊などからこの宮の宝などを守る為の発令である。

それは、家康から関ヶ原村への配慮であろうか。