甲冑ボランティア　対応に困ったシリーズ　『映画の感想』

関ケ原の映画が全国放映されていた。

多くのお客さんが、感想を伝えてくれた。

そんな最中、とあるおばさんが・・・。


いつものテーブルで地図を広げてガイドしていた。

ガイドが終わると、新しいグループがやってきた。

６０歳ぐらいのおばさんと、その息子さんらしき二人の男性が。

おばさんは関ケ原合戦が詳しいらしく、私の手作りの地図を見て、ここまで書くのに相当勉強したのだろうと褒めてくれた。

嬉しくなった。

まあ、ここまではよかった。

ここまでは・・・。


おばさん　　『あなた、映画の関ケ原、みたの？』

すた　　　　　『はい、みましたよ。』

おばさん　　『あんた、いっぱい勉強している。これだけ勉強したあなたからみて映画どうだった？』

ストレートに聞いてきた。

映画の舞台でこんな格好をしてガイドしている以上は、その発言には少なからずの影響力が出る。

すた　　　　『いや、ちょっとお答えできません。』

しかしおばさんは、同じ質問を続けた。

すた　　　　『私、ここでこういう事をやっているので、お答えできないんですよー。』

それでもまだ尋ねてくるおばさん。

おばさん　　『昔、関ケ原の大河ドラマがあったわよね。あれと比べてどうだった？』

そんなものは無い。

無いものとは比べられない。

でも、多分ビデオの事を言っているのだろう。

そう思って話を続けた。

すた　　　『いやぁ～、そうですねぇ、それがなんなのかよく分かりませんが、お答えできないです～。』

それでもおばさんは更に食らい付いてきた。

おばさん　　『大河ドラマと映画、どっちが面白かった？』

すた　　　『他の人に聞かれてもなんなんで～。』

のらりくらりとかわした。

おばさん　　『ここには私たちしかいないから、こっそり言って。』

おばさんたちのすぐ後ろに、別の男性グループが居た。

それを伝えると、おばさんの表情が固まった。

ゆっくりと、頭を下げてお断りした。

すた　　　　『申し訳ありません、お答えできません。』

下げた頭をゆっくりと戻すと、おばさんはさらに固まった。

その直後、おばさんは怒った顔をして、僕に向かって怒鳴りつけた。

おばさん　　　『どうなの？面白いの？面白くないの？答えなさい！！　　　』

　　　

・・・答えなさい　って、なんだ？

誰に向かって言ってるんだ？

偉そうに命令するな。

頭に来たが、黙ってこらえた。



すると、今まで横で黙っていた男性がおばさんに、こうつぶやいた。

男性　　　『もう、あっち行こうよ。』

おばさんは、反対方向へ向かいながら、私に向かって、履き捨てるように、こう言った。

おばさん　　『　　そら、言えんわなぁ！！　　』




それ以降は、さらりと答えることにした。

（ーー；）