純正オートエアコン化改造 番外：理屈編

990S を純正フルオートエアコンにしましょう！

今回は理屈を解説します。読み物にどうぞ！

※検索エンジンから来た方へ
NDロードスター マニュアルエアコン車を純正フルオートエアコンに改造する記事です。
全体作業は【まとめ記事】を参照ください。
https://minkara.carview.co.jp/userid/615186/car/3285399/7266064/note.aspx

先に結論から。
NDロードスターのマニュアルエアコンは
『オートエアコンのオートモード封印』
で設計されています。

機構やパーツの差は僅かなのです。

始まりはいつも整備書からです！

まずはオートエアコンのブロック図を見てみましょう。
https://www.mx5manual.com/page.html?p=service&s=SC3360&docid=SH13249

次にマニュアルエアコンのブロック図。
見比べてみましょう…

https://www.mx5manual.com/page.html?p=service&s=SC3360&docid=SH13262

あれれ？ほとんど変わらなくない？？

そう。日照センサと内気温センサくらいしか差がないんですよ！

配線図も確認しましょう。もう一目瞭然です。

https://www.mx5manual.com/page.html?p=wiring&s=WR001&docid=SM356440
https://www.mx5manual.com/page.html?p=wiring&s=WR001&docid=SM356442

センサ２個の有無をのぞいてピンアサイン完全に同じです。

アズビルト・コンフィグでも確認です。
マニュアルエアコン車の990Sでもオートエアコンのフラグが入ってます。

エンジンPCM等の車内通信ネットワークからはオートエアコン車と同一扱いされてます。

ですので車体側のコンフィグ変更不要でポン付け可能です。

ユニット構造の解説です。

一般論として、小型車前席用のシンプルなエアコンは切り替え装置が３つ内蔵されてます。
内外気切り替えフラップ、吹き出し口切り替えフラップ、温度ミックスフラップです。
普通のマニュアルエアコン車はダイヤル操作がそのままケーブルでつながってて、その力で切り替えフラップがパタパタ動きます。人力操作です。軽自動車なんか今でもコレですね。

オートエアコン車はフラップが電動モーター化されていて、オート作動対応になってます。

ところがNDロードスターは違います。
ユニット本体はオート・マニュアルで共通設計になっていて、マニュアルエアコン車でもオート車と同じくフラップはすべて電動です。

理由はわかりません。
インパネのレイアウトが狭すぎてマニュアルケーブルを配索する余裕がなかったか、作り分ける設計・製造工数が見合わないか…。
そんな所でしょう。

メーカー製造コストはセンサ２個を除けばほぼ一緒です。

こりゃマニュアルエアコン作ったのは販売差別化の都合でしょうねぇ…。

【結論】
NDロードスターのマニュアルエアコンは
『オートエアコンのオートモード封印』
で設計されています。

スイッチパネルとセンサ２個だけで純正フルオートエアコン車になれます。

【補足】
室内温度センサには風当て（アスピレータ）機構が必要です。

今回の一連の解説ではこのアスピレータホースが未接続です。
ちょっと室内温の制御に遅れが出るかも？
処置が確立したら追補版を作成するつもりです。

ホースの部品はディーラーで注文通ったんですが、納期４か月と言われちゃいました。
2023/２月末注文、届くのは６月末ですね。
今回は一旦アスピレータ未処置のまま記事化しています。