今回は、今となっては激レアキットとなってしまったウクライナのDiOlex Production製 SFフォレスターを製作しました。
サイドミラー、ルーフレール等も一体のボディ+クリアーパーツのみという簡素なキット構成で、シャーシ&内装はハセガワ製GCインプレッサのものを移植して組み立てるという代物です。
今回は、『HONORURU在住のサーフィンとスバルが好きな若者』を再現する仙台在住のオーナー…という回りくどい設定です(笑)
USDM jamやK-DAYにエントリーしている車両を想定しています。
現地における年式及びグレードとしては、後期型にあたる2001MYの"L"という廉価グレードを再現しています。
ボディカラーは北米らしいシエラゴールドメタリックとし、バンパー類は樹脂無塗装としました。
このカラーリングは北米モデルのみで、国内モデルはバンパー類も塗装済しか設定が無いようです。
ゴールドはタミヤのシャンパンゴールド、樹脂バンパーはつや消し黒にフラットホワイトを混ぜることで、つや消し黒の窓枠やルーフレールとの差別化を図っています。
灯火類は地味に苦労したパートです。
まず、1/43スケールのレジンキットの如くバキューム一体成型のクリアパーツを切り出して使用する為、チリ合わせが非常に難しい点。
そして、レンズカットが無く透明度が高すぎる為、どうしても実車の雰囲気にならない点。
前者は根気で合わせれば何とかなりましたが、後者はヘッドライトはデザインナイフで傷を付け、コーナーマーカーはレンズカット模様をシルバーで印刷したデカールを裏から貼り付けるという技法でそれっぽく仕上げました(;^ω^)
遠くから見ればレンズカットが入っているように見える…ような気がします(笑)
コーナーマーカーにはUSモデルのみ存在するリフレクターも仕込んでいます。
フォグランプにはルーバーが付きますので、こちらも自作デカールで再現しておきます。
また、元々のキットはヨーロッパ仕様のようでヘッドライトウォッシャーが付いていましたので、US仕様にすべく削り落としておきます。
前述した回りくどい設定に合わせて(笑)、RHDながらワイパーの向きはLHD仕様にしています。
グリルもUS後期モデルは縦に3本の仕切りが追加されますので、プラ棒で再現しておきます。
また、US仕様のSFフォレスターは2.5LのNAモデルしか存在しません。キットはターボダクトが付いていましたので、シアノンで埋めておきました。毎度のウォッシャーノズルも別パーツ化しておきます。
生活感を出すため、日本でいうETCのようなFasTrakをダッシュボードに固定(実際はFガラスに貼り付けですが)、ホノルル周辺の施設で実際に使用されているパーキングパーミットをネットで拾ってきてデカール化&貼り付けておきました。
この作品で一番の魅せ所?となるホイールは、私の作品では毎度お馴染みの幻想技研様にて製作して頂きました、15インチSF純正鉄ちんホイールです。ガイアカラーのプレミアムミラークロームで塗装しました。
合わせるタイヤはフジミのアストロ用BF Goodrichです。SF純正に比べて一回り大きいサイズですが、1inchほどリフトアップして履かせているという設定です。大径の方が模型映えしますね。
泥除けはキットでは再現されていなかったので、プラ板で再現しておきます。
サイドのロゴは資料を見ているとステッカーだったりエンブレムだったりするので、今回はエンブレムにしておきました。シルバー一色で貼り付けるとボディカラーと同化してしまったので、下に一回り大きい黒のロゴを貼る事で存在感が出るようにしています。
リアビューです。
GCインプとは違う腰高感がSUVらしさを際立たせますね。
ドアハンドルは一体成型だったので、毎度の如く別パーツ化しておきました。この方が塗装もしやすいですし。
ちなみにドアハンドルが樹脂無塗装なのもUS仕様ならではのようです。
ドアミラーのコーションはデカールで再現しておきます。
テールランプはフロント以上に試行錯誤しました(笑)
元々は実車同様?の仕切りやバルブ形状がしっかり再現されていたのですが、透過率が高いレンズだと逆に仇となり、中身がよく見えすぎて逆に違和感がありました。
インナーは一度くり抜きフラットに造形。ハセガワのミラーフィニッシュを貼り込んでおきました。
その後、レンズカット模様を白で印刷したデカールをインナー側に貼り付け、レンズは実車の写真をデカールに印刷して裏面から貼り付け、さらにクリアーレッドとクリアーオレンジで塗装して取り付け、、とかなり面倒な工順で再現しました(;^ω^)
インナーにはリフレクターも装備して情報量を増やしています。
リアガラスも同様に模様無しの透明塩ビ板だったので、デフォッガ(熱線)のデカールを作成して裏側から貼り付けました。
ちなみに、小ネタですが給油口のフタには凸形状が付くのがUS仕様です。
リアスポイラーの代わりに装着するのは北米ディーラーOP?のダストディフレクターです。プラ板から作成しました。中央にはウォッシャーノズルの逃げを設定しておきます。
リアワイパーは中央から左側に伸びるのがJP、右側に伸びるのがUS仕様です。ジャンクから形状が近いものを取り付けました。
リアバンパーにはバンパーガードが標準で設定されるのでプラ板で作製。
バンパー自体もヨーロッパ規格の幅広ナンバー仕様でしたので、US仕様に作り変えました。
バックフォグも装着されないので、シアノンで埋めておきます。
またまた小ネタですが、リアクオーターガラスのAWDロゴも前期/後期で2種類あるようです。
(有識者様のご指摘により知りました…(笑))
当初はしっかり間違えていた為、差し替えておきました(笑)
ルーフは純正OP?なのか、北米でも付けている個体が少ないですがルーフプロテクトモール(正式名称分かりませんが)を再現しておきます。ちなみに国内では出回っていないのか、装着例がありませんでした。
US仕様では標準装備となる純正キャリアはプラ板で再現し、DAKINEのキャリアパッドも再現しておきました。
US仕様はヒッチコネクターが標準装備らしいので、折角なのでヒッチメンバーも再現しておきました。
マフラーは出口位置を延長してフォレスターの寸法に合うようにしています。
ナンバープレートの地名は仙台にしました。完全に個人的な主観ですが、某USプロショップの影響が大きいのか雪が積もりやすい土地柄なのか、仙台ナンバーのフォレスターはハイレベルな車両が多いイメージです。
内装はバスタブとダッシュボード、コンソール周辺はGCインプを使用しました。
厳密にはダッシュ&コンソールはインプとフォレスターで形状が異なりますが、そこまで拘ると完成しなくなると思ったので割愛しました(;^ω^)
ただしUS仕様の場合、ダッシュボードのグローブボックスには鍵が付きますので、雰囲気で再現しておきます。流石に見えないので誰も気付かないと思いますが…(笑)
トランク周りはGCインプの場合はトノカバーで隠れますが、折角なので再現してみました。閉状態のトノカバーはプラ板で製作しました。
シフトはMT→ATに変更しました。ゲージの文字が左側にあるのはUSコンバージョンの証です。サイドブレーキの向きはJP・US共通です。
ステアリングはGCインプ付属のスポーツタイプではなく、形状が近いジャンクパーツを流用しました。USで設定されるクルコンのスイッチも装着しています。
シートもGCインプのセミバケタイプから、フォレスター純正のコンフォートタイプに変更しました。ヘッドレストには穴が空いています。
リアシートも形状を変更しています。ヘッドレストが3つ装着されるのは後期モデルからの仕様変更です。リクライニングのレバーも再現しています。
元々が3Dプリンタの積層品そのままなので、積層痕が凄まじい・スジ掘り一切無し・割れやすいという非常に扱いにくいキットではありましたが、素性を理解すればインジェクションキット同様に組めるようです。
また世界情勢が落ち着いた後、メーカーが復活してくれる事を願っています。
ちなみにこちらの作品は、実に3年振りに一般公開が決まった 第60回 静岡ホビーショー(5/14~15)のモデラーズクラブ合同作品展にて、1/24MOTORINGブースでの展示を予定しております。
また、5月末には朝霧オートキャンプ場で開催される"TheSUBIE#2"内の企画『USDM/SCALES』でも展示の予定です。
5月は静岡でお会いしましょう。