大掛かりな、自分のカバー範囲を超える施工として
ダンパー交換とメンバーブレース装着を行った蒼莱号。
控えめに言って、化けましたw
二度に分けて施工したわけですが、つまり二度化けたわけですw
まず、これはもう鉄板も鉄板
「ダンパー交換」
やはり、それなりに経年と走行距離のある車なので
今がそこそこ良好だったとしても、使い込んでいるうちに
すぐにへたって来るでしょう。
黒ゲート二世が結構そうでした。4年運用後の、ダンパーの抜けっぷりときたら。
毎日乗っていて、少しずつ変わってゆくものなので
なかなか「いきなり壊れた」的な変化がなく、ある日ふと気にしてみると気になりだして
夜も寝れなくなる…といった類のものです。
さて何を装着するか。
そもそも、DYの履いているダンパーは、純正で相当なものです。
よくあるカヤバ等ではなく、北欧
TENNECO社のものを奢られています。
極言すれば「純正でモンロー」ですw
(ファミリアスポルト20検討してたとき工場長が「ダンパー純正で高いでよ」と言ってた理由はおそらくコレだろうな…)
要は、吊るしの状態で既にいい脚だということです。
購入前からいろいろ調べてはいましたが、乗ってみて初めて、その意味が身体で理解できました。
で、モンローブランドからも新品交換ダンパーは出ているわけですが
そこへ「Autoexe」が割って入りますw
どうせ同じような値段なら私を選んでみないかね?と、存在感バリバリの真っ赤な筐体が囁くわけですww
マツダ車専門のチューナーで、ディーラーとも結託して販促やるぐらいのメーカーなので、信頼は出来るでしょう。マツダスピード亡き今、その存在は貴重だといえます。

筐体とかは純正そのまんま、だそうです。
では減衰力の設定以外の何がちがうねん、というと
「高精度微低速バルブ」の仕込まれた、ハンドメイド品だということらしいです。
ライン工程では調整出来んそうです。
(このあたりは
メーカーの解説文に詳しい。メーカーに質問したら、このスポーツダンパーも同じようにして作られてるという回答があったと記載されていた)
動き始めの段階から正確な減衰力を発生し、さりとて堅さ一辺倒ではなく
突き上げ(縮み)側は過度に強く突っ張らない設定。

これは、交換後に走り出して、すぐ理解できました。
何がいちばん理解できた、って
それまでの純正との違和感がまるでない。
いかにも「俺スポーツ脚に換えたんだぜフッフゥー!」的な変化は一切なく
通常運転時の快適性は、全く悪化しなかったのです。
じゃあどう変わったのよ?
答えは
峠の段差舗装カーブで一目瞭然でした。
突き上げ感がほぼ同じなのに、しっかりとした固さで踏ん張ってるわけです。
絶妙なセッティングだと唸りました。
峠道の楽しさが、安定感を伴って130%に増量ってなもんですw
で
そもそもの純正ダンパーはというと

なんと、自力反発こそないものの
抜けてませんでした。
Keiのはスッコスコだったのに。
決定的な劣化の始まる前に、新品のカスタムチューン品に交換した…というのが
Autoexeスポーツダンパー交換の実態であった、というところです。
次に、O2センサ交換の施工のついでにと持ち込んだ
フロント&リア メンバーブレース。
持ち込んだ時、たまたま工場は閑散状態にあり
事務所で「よろしくお願いしm 」あたりまで言ったころには既に
車はリフトアップされていたww
まあ、一般的な修理ではなく、中古でネジもなにもない強化パーツの取り付けであり、Autoexeの取り付け手順書をDLし、取り付け事例の画像(DCベリーサの)などを見て、お姉さままで一緒になって施工の段取りを打ち合わせていたんですが
そういうことなら私も現物を見ながら協力させてください!とwww
フロントは、まあ共締めポイントがすぐに解りました。
後方から見る(施工後)
前方から見る
問題は、4cm角の「板ナット」が要求される、リア側。
こればかりは工場の発生品にも勘合するものがなく

この角ワッシャーにボルトを溶接するか?といった対応を考察してたのですが
要は、この寸法の板状のナットが

ここの空間内に嵌まればいいわけです。
「私が探してきます!」
コーナンプロショップへ駆け込み
こんなんありました!

戻ったころにはお姉さまだけになっておりw
(工場そのものは18時には終了しているため)
実際に見てみると
とくに解りやすい、燃料タンクのあるボディーフロアってのはオープン構造で
完全にボデー自体の強度でリアサス基部を支えているに等しいのだなと、ようやく知りました。
むろん、メーカー既製品がそこまでトンマな力学強度計算をするはずもなく
それは機械的強度として何らの問題ない範囲内の話ではあるんですが
それでも、入力に対して「歪み」「ねじれ」で力を分散させてしまっていることには違いないです。
それはつまり「サスペンションのジオメトリが、挙動によるボディの歪みで変化する」ことが宿命付けられているということです。
あと、経年疲労でボデー骨格が少しずつヤレていくでしょう。するとだんだん「なんとなくボロい」乗り味になってゆくことは容易に察しが付きます。
こういうところは、クオリティvsコストや工数との両天秤でもあります。
メーカーとて「クルマの走りを詰める設計に、やりたいこと全部やる」なんてことは出来ません。それをやったら全ての車がR34GT-Rになりますw
こういう強化部品で、根拠を持った「骨格」の部分ていうのは
メーカーがやむなく妥協した部分を、ユーザーの自由意志で補ってやることなのだと思いました。
昔「オーバーレブ!」って漫画で、ノーマルこそ車の黄金比と標榜する、メーカー設計者の息子さんが出る回があったんですが、そこでも「ミッドシップ車のタイヤサイズは前後異サイズが常識なのに、日本メーカーは工業規格の縛りでそれが出来ない(当時)」という事などを諭される表現がされていたのを覚えてます。
メーカー設計陣だって、よりよいものを目指したいことに変わりはないのです。
それを、身をもってこの車が伝えているのが
DY/DC全車これが純正という変態装備「ストラットタワーバー」ではないでしょうか。
言っちゃ何ですがト○タなら付けてないと思いますw さしあたり「無くても普通に動かす分には何の問題もない」パーツですから。
そこを「愉しく走るクルマ」として妥協したくなかったがために、わざわざコスト掛けて
後付強化パーツと全く同じ手法で取り付けてるわけですから、これを拘りと言わずして何と言うのか、という話です。
つくづく、真面目で不器用なメーカーなのだと思います。そりゃ理解されにくいのも頷けるわ…。
その構造は
ボディを縦に貫くリブが燃料タンク部の空洞でぶった切られているところを
クロスした平鋼管でリアサス取り付け基部まで延長して繫ぎ、
ボディ骨格を一体化するというもの。

もう、感覚の段階で、これは骨格として理に適うだろう…と、思えたわけです。
実際に底部を見て、その「何処とどこをどう繫ぐか」を見た段階で。
どんだけ効いているか、すぐに解る実験。あまりやってはいかんのですが(汗
サイド引きます。
そのまま少しだけ推進力を掛けていきます。
力が強まってくるとリアが沈み、
取り付け部が軋みます。
完璧に「力学的に効いているところに嵌まっている」証左です。
軋むぐらいなので、あまりやってはいけません。あくまで「正常な応力」で使いましょうw
(また、溶接でなくボルト留めで、リブ側がわずかに軋むというのが、予想外の入力に対する逃げ道となっていることも想像が付きました)
問題点は

どうやら排気管と微妙な位置関係でたまに競ってしまうようだ…ということ位。
エンジントルクがガッと掛かって、マウントのたわみの分だけ排気管が動くと
「ずももっ」という接触音がしますw
上り坂で強スロットル噛ますと、変速でたまにガキンと「当たります」w
こればかりは、マフラー自体も換えているわけで、後付け強化パーツの宿命といったところでしょう。
肝心の走りです。
なんと表現していいものやら、語彙が足りんのですが
噛み砕いていうと
「ボディが完全なひとつの箱になった」感。
確かに無くても問題はなかったでしょう。そもそもDYのシャーシは、後続のそれより
重くてデカい分、剛性があり頑健というのが通説です。
が、路面からドライバーに伝わる情報が、より精度を増した感じには
間違いがないものと思います。
(それは「固くなった」とか「悪くなった」という方向性のものではない)
ハンドリングが、さらに安定感を増しました。
速度が上がっても、頼りなさを感じることがありません。
ダンパー交換との相乗効果で
言い方が大雑把ですが「乗り味」といったものまでが
もはや原形を留めなくなったわけですw
それは、積み荷や同乗者、はては自身の内臓がシェイクされて
長時間の運転に耐え難いといった「極限スポーツ」の感じではなく
あくまで「ノーマルの延長線上」といった感じなのです。
「もうすこし足りない」が補われ
洗練度を増した…とでも言いましょうか。
自分自身、極限を目指す純血走り屋でもなければ、サンデーレーサーでもないので
これらを施工したことの「真価」に、どこまで迫っているのかは解りません。
が、峠の国道のコーナーであったり
高速道路のクルーズであったり
そういった「速度の高さに対して乗算される、クルマにかかる力」に対して
より安心感・安定感が高められたことは、間違ってないと考えます。
少なくとも、その差は解ります。解るつもりです。
この結果を踏まえ
純正プラスアルファのバネレートに留まり、純正形状と同一の
いわゆる「荒巻き」コイルバネである
「マツダスピードのダウンサス」に関しては
換装しても問題がないものと判定しました。
ここまでであれば、カリカリチューンの領域まで飛び出すことはないでしょう。
来月中を、目指したいと思います(`・ω・)ゞ