11年ぶりに動かした4ストエンジンのオーバーホールの記録です。
このエンジンは2008年8月に2度目の「8時間耐久レース」に参戦したエンジンで、FW-05の2号車に搭載したものです。
今年、数回走行に使用しましたが、さすがに劣化が目立ってきたので、OS本社のサービス係に点検修理等を依頼しました。
しかし、すでに生産を終了しているエンジンでサポートも終了しているとの事でした。
で、自分でオーバーホールを実施することにしました。
過去OHは数回経験しているのですが、随分久しぶりなので、記憶をたどりながらOHしていきます。
この貴重な4サイクルエンジンの維持を継続してゆく為に記録していきます。
●分解編
シャーシから外した状態のエンジンから始めていきます。
まずマフラーとマニフォールドを外します。パッキンを無くさないように・・・
キャブ(1A)を外します。
エンジンマウントを外します。
これがロッカーアームカバーです。ネジ2本を外すと・・・
ロッカーアームやバルブが出てきます。さすがスラッジだらけで汚いですねぇ~(^^;
ロッカーアームはねじ1本で止まっています。外すとこんな感じです。
外したロッカーアームです。
シリンダーヘッドは4本の長いねじで止まってます。それを外すとピストンが現れます。
ピストン上部にはビッシリとカーボンが付いています。右側の2本はプッシュロッドとロッドカバーです。
ロッドカバーには上下にゴムのパッキン(計4個)が付いているので、無くさないように注意です。
外したシリンダーヘッドの裏側です。ピストンと同様、カーボンがビッシリと付いてます。
2速ギア・クラッチ・パイロットシャフトなどを外し、次にフライホイールを外します。専用工具があると楽ちんです。
続いて、リアのカバープレートを外し、コンロッドやピストンを外します。
ピストンを外すにはまず、シリンダーを外し、その後コンロッドやピストンを外します。
2stと違ってシリンダーには吸排気の穴は開いていないので、取り付ける時には方向はありません。
コンロッドを外すとクランクシャフトが抜けるはずなんですが・・・
このエンジンはベアリングと固着しており、木槌で軽く叩いてようやく外れました。
エンジンの横にあるカムカバーを開けるとカムシャフトが現れます。
このカムシャフトを外す時には、両端にボールがはめ込んであるので無くさないように注意します。
カムシャフトが外れると2本あるカムフォロアが外せます。
下がクランクシャフト、上の短いシャフトがプッシュロッドを上下させるカムシャフトです。
ギアの両サイドがカムになってます。フォトは清掃後の物です。
左から、ピストン・ピストンピン・コンロッドです。
このコンロッドには向きがあり、フォトの右側がエンジンのフロント側になります。
分からなくなった場合には、コンロッドのクランクシャフト側(太くなっている方)の穴を見てみます。
面取り加工してある方がフロント側になります。
●組立編
全バラした部品を清掃しながらチェックします。
スラッジの除去にはパーツクリーナーや556、真鍮のワイヤブラシなどを使用しました。
やはりクランクシャフト・ピストン・シリンダーヘッドなどにスラッジが多くて清掃に時間がかかりました。
クランクシャフト・コンロッド・ピストンを取り付けます。
次にカムフォロアを取り付け、カムシャフトをはめ込みます。
この時にバルブタイミングを合わせる為にカムシャフトのはめ込み位置が重要になります。
カムシャフトのギアの側面にすじが刻印されています。こちら側がカムカバー側になります。
まずクランクシャフトの前側のDカットされている所を上にします。ピストンの上死点です。
カムシャフトの刻印線が真上になるようにカムシャフトをはめ込みます。
スルッと入る位置でほぼ真上ならば大丈夫です。ほぼ真上の位置から左右にして入れてみると感じがつかめると思います。
次にシリンダーヘッド回りです。
綺麗になったバルブです。
エンジン本体に2個のプッシュロッドとロッドカバーを取り付け、ロッドカバーに注意しながらシリンダーヘッドを乗せてネジで止めます。
シリンダーヘッドにロッカーアームユニットを取り付けます。
その後、タペットのクリアランス調整をします。
手持ちのシックネスゲージ(0.04mm ~ 0.1mm)でも調節OKですが、私はOS製の物を使っています。
私の場合は 0.04mm がスルスルに入り、0.1mm が入らないように調節しています。
後はリアカバープレート・ヒートシンク・ロッカーアームカバー・フライホイール・パイロットシャフト・クラッチ・2速ギア・キャブ・エンジンマウント・マフラーなど外した逆に全て取り付ければ完成です。
参考
FS-26S-C:スペック・行程体積:4.41cc
・ボ ア:18.5mm
・ストローク:16.4mm
・実用回転数:2,000~22,000r.p.m
・出 力:0.5ps/17,000r.p.m
・重 量:242.5g
★7月3日・追記
ちょっと曇り模様でしたが、午後から時間が空いたので、OH済みのエンジンのテストに行ってきました。
新品のプラグを取り付けて、エンジン始動。
ボロボロボロ~ンといとも簡単にかかりました。
アイドリング&ニードル調整後、1/2タンク程度エージングしました。
その後、走行テスト。
う~ん、イマイチ吹き上がりません。当然2速にも入りません。加速しません・・・?
まぁピストンやバルブをいじったので、もう少しエージングが必要なようです。
今度は2タンク程度、時々スロットルを握ったりして、エージングしました。
心なしか軽快に回るような・・・もう一度ニードル調整をしてコースイン。
おっ! 吹き上がる! 2速にも入りましたが、しかしタイミングが遅い・・・
2速のタイミングは家に帰ってから調整予定。
オーバーホール後のエンジンは、もう少しエージングが必要ですが、とりあえず元通りに回るようになる気配です。オーバーホールは大成功でしょう!(^^)v
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ラジコン | 日記
Posted at
2019/07/02 19:14:51