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やれるうちに、やれるだけの事はやっておきたい。

そう思う気持ちの、最たる矛先が『エンジン』だった。

今のエンジンも断末魔ではないが、結構長い。

トドメ刺すまで使い倒す、というのも抑々嫌だ。

幸い、実家に置き去りで断捨離を免れたエンジンがある。

…

まあ世間的にも、ガソリン車なんて淘汰されてくワケだし、

それ以前に、自身の気力・体力、環境なんかを考慮すれば、

多分これが最後のエンジンになるんだろうなぁ。

そう思いながら、組んだ。

走り出すと、更に色々と気になりだす。

結局またアレやコレやと手を入れ始める。

走る、潜る、外す、締める…の繰り返し。性懲りもない。

まあそれは、先ずは安心して走るためには必要な事だから

手抜きせずやっておきたいという。

あともう1つ。

こうして復活したワケだが、ずっとというワケでもない。

そう遠くないタイミングで、また降りる事にはなると思う。

その時に、ポンコツみたいな状態でありたくない。

「捨てるべくして捨てた」みたいな手放し方は嫌だな…と。

そう思う様になった。だから

やれるだけやっておく。

いざ走ってみて「思ったより大丈夫っぽい」と思えたのは、

想像以上に、コースの記憶が残っていたから。

そりゃそうだ。本庄、何百周走ったか知れない。

別に記憶喪失になったワケではないし、覚えてて当然。

要は勝手に杞憂して走るの遠ざけてただけだ。

だがしかし、

何度か走るうちに、寧ろこの記憶が邪魔なのだとも気付く。

「覚えてる通り」に走ると「大回り」になってしまう。

要は、頭ではベストなタイミングで操作してるのだが、身体が遅れてる。

結果、全てのコーナーでクリップを外している。

この「染み付いた記憶」と「反応速度の遅れ」のギャップを修正するのに暫くの間、苛まされる。

「衰え」と「ブランク」のダブルパンチ。きっついわ～

結局また「走るためのクルマ」にするのか。

バケットやら脚やら色々売っ払ってしまったのに。

二度手間もいいところ。

…と言いつつ、それ相応に準備。あとは行くだけ。

台数多いの怖いから、平日のフリー走行日を狙う。

久し振りの本庄サーキット。御無沙汰してる間に名称が変わってた。

講習を受けてる間も不安半分。でも、ここまで来たら走る。

走った。

まあ当然、以前のタイムなんかにゃ遠く及ばないけど

何か、思ってたよりは大丈夫っぽい。

それが収穫。

結局、その後3ヶ月程、作業と試走の繰り返し。

その甲斐あって、やっと「乗れる」クルマになってきた。

自分の感覚も戻って、山坂道を不安なく、思った通りに走れる。

充分な手足感。

けど…走れる程に、何か足りない感も出てきた。

そもそも、自分にとってこいつは「走るためのクルマ」。

ホントの全開は、やっぱサーキットでしかないわな。

…復活させたからには、そこまで行くべきか？

しかしクルマの事よりも、自分の方が大丈夫なのかが大いに不安。

無駄に悩む。