自動ブレーキの弱点

この記事は、アコードハイブリッドの衝突軽減装置（CMBS）の多発する誤作動（不具合）について（その1）について書いています。

こういうことが起こるから私は自動ブレーキ機能が嫌いなのです。
今回話題になっているCMBSはミリ波レーダー式ですが、レーダー式は基本的に障害物との距離しか認識できず、電波の乱反射による誤検知の可能性があるのが弱点です。（以前レクサス車で誤検知の事例がありましたね）
実際の生活環境での電波の乱反射は予測が非常に難しく（事実上不可能）、今後も電波干渉による誤検知は無くならないと思います。

また、スバルの技術の結晶とも言えるアイサイトにも弱点はあります。
カメラによる障害物検知のため、対向車のマフラーから出る水蒸気を障害物と誤認識した例があります。

どちらも一長一短で、併用することでより安全性が高まるのは確かですが、それでも誤作動は当分無くならないでしょう。
なぜなら、コンピューターはまだ「人間の意思」を推測できる段階に無いからです。

例えば高速道路の合流で本線車両の間隔が狭いときに、前走車のリアバンパー目がけて自車を滑り込ませるドライバーの意思をコンピューターは推測出来るでしょうか？

例えば前方に人が飛び出してきたとき、対向車線を越えた先に充分な回避スペースがあって、対向車とまだ距離があり、対向車のドライバーもこちらの状況を認識している様な場面で、コンピューターは対向車線側に急ハンドルを切るドライバーの意思を推測し、アシスト出来るでしょうか？

周囲の交通状況や道路形状からドライバーの操作の意味を推測したり、人や車の動きを予測したりする能力はまだコンピューターにはありません。
それを可能にするには高度な人工知能が必要でしょうが、そんなものが車に搭載された瞬間、人間が車を運転する必要は無くなってしまうでしょう。

自動車の運転が違法になる・・・。そんな未来予測も、的外れとは言えませんね。