ステムベアリング&レース交換@64,305km
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先ずはステムに差しているスタンドを抜かないといけません。
最初は下をジャッキで支えて…とか思っていましたが、やはり重量バランス的に不安なので、エンジンクレーンを買ってすごく大掛かりな重整備になってしまいました。
フロントのメーターステーのフレーム部分に玉掛けして吊ります。
コレだけだと不安もあるので、下に保険でジャッキも掛けておきます。
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結局、部品精度の問題でクレーンブームの固定は純正部品が穴が合わずに入りません。ブームが前に倒れなければOKなので、1番太いヘキサレンチを突っ込みました。手持ちでは1番硬いクロームバナジウムなので大丈夫でしょう。
こっちの方が作業性も高いとも言えます。
いや…そりゃ純正が刺さった方が良いですが…。
どうやらキャスターのネジで高さが出る部分を無視して、まっすぐにしたら穴が通る設計です。
中華なので仕方ない。ネジも2本足りませんでした。
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復旧用のホーンの接続写真です。
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ステムナットは10.5kgですが、アッパーステムが取れてしまえば、ロアステムのナットは割とふんわりNなのでレンチがなくてもドライバーで叩き回せます。
27年もののアッパーステムベアリングです。ご苦労様でした。
グリスがヤレていますが、動作に問題はありませんでした。
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指定ではモリブデングリースとなっていますが、塗ってあるのはウレア系に見えますね…多少劣化しています。量もちょっと少ないか?
ウレア入れた方が良さそうな気も。金属どうしで接触するところにモリブデン入れると摩耗すると思うんですが、圧が高いのでモリブデン…は分かる。
うーん、マニュアル通りに組むべきか?
しかし黄色いモリブデンとか見たことないですね。
まさか一度レストア済みで間違えてウレアを盛ったのか?
モリブデンでいくかー。
でもこないだ見たレストア動画でもウレアを盛ってた気がする〜うーんうーん。
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ロアステム側はグリス少ないですね。
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ベアリングとレースのセットは前オーナーが送ってくださいました。2つで5000円近くする高級純正部品ですので、助かりますね。
上下でサイズが違いまして、上が小で91015、下が91016です。
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そしてロアのレースが抜けない!
ダストシールは交換するんでどうなっても良いんですが、ガッツリ掛かっていてマイナスドライバーとプラハンマーの叩き出しではコレが限界。
スライドハンマーまで持ち出しましたが出せません。
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結局、鉄ハンマーとヘキサレンチ延長を使ってガチ殴りしてコロンと落ちました、ハアハア。
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プラハンマーは死んでしまいました…。
この作業は初めてだったので、中々勉強になりました。
とりあえず古いグリスは全部綺麗に落として、ステム全体、接触面は全てグリスまみれ、ベアリングとレースにはたっぷりグリスを盛って組み戻しですね。
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ダストシールが2日後にしか届かないので、不安払拭のためにもし下がってきても絶対倒れないようにジャッキを外して木組みして火曜まで放置です。パーツが来たら速攻でやっつけましょう。
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取り外したボトムのアンダーレースはベアリングの跡がついています。触った感じガタもないのですが、ココが一番荷重がかかるので今回替えておけば安心です。
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レース取り外し用のサービス用凹みがちゃんとありますね。ここを先ほどのヘキサ延長と鉄ハンマーで殴ります。
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ステムの深さを測っておきます。上は14mm、下は17mmで上の直径は47mm、下は55.5mmです。あとはレースの厚みを測っておけばドンツキまで叩き込めたか確認できるはずです。
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レースの打ち込み用工具を持っていないので、その辺の木切れで造ります。対角55mm横45mmの角材の角をサンダーで削り取って穴に合わせます。金属ではないのでレースに傷が付かないはずです。
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潤滑とかじり防止の意味でスレコンを双方に塗っておきます。
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はい、打ち込めました。
下は口径がデカいので治具の削ってない方、上は削った方を使って叩き込み、最後満遍なく測ってドンツキまでいっていない箇所をヘキサ延長で微調整して終了です。
ヘキサ延長を使う時はレースの面には絶対当たらないよう細心の注意で行います。
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ステムに治具を作って…と思いましたが、数回で破断w。ちなみに下に据えているのはTZRの点錆びインナーです。
結局、軸に合わせてヘキサ延長で打ち込むことに。
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ボトムベアリングにモリブデングリスをべったり。
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上のレースとベアリングにもべったり。隙間が無いようにグリスで埋めてしまいます。
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ベースのカバーナットは2.2kgあたりとふんわりN、そんな工程とは全く書いてないのですが、一度爪を立てて上の緩み留めナットを同じくらいのNで締め付け。ここは勘ですw
要はステム自体を余り締め付けると今回のように絞めつけ過ぎでレースにへこみが出来るので、ふんわりNで締めるわけですが、一方緩いと緩むかもという心配がある。
ということで、セカンドナットが存在する訳ですが、上下同時に回るようにしかなってないので、ロックワッシャーの爪を上のナット分起こして、そのうえでセカンドナットをそこそこ締め付ければ、この問題は回避できます。
忘れないようにロックワッシャーはもとに戻します。
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あとはステム、フォーク、セパハンを仮組してサスを何度かゆすってセンターを出してからボトムケースのヘキサボルトを締め込みます。
これでステム交換は完了です。
ながかったー!所要都合4日かかっています。
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