タンパク質不足@ひでエリです。
四国うどん行脚から帰ってきて、さて体重はどうなってるかなと思いきや、今日久しぶりにランニングしたからか63kgとほぼ変わらず。
で、スマートウォッチアプリにカロリー分析機能がついているのに気が付いて、ちょこちょこ書いてみてるのですが、どうやらたんぱく質が足りてない。
妹にも言われたのですが、野菜と餃子とご飯ではたんぱく質が足りないみたいです。飲んだことなかったですが試しにプロテインなるものを買ってみました。
続くかなあ。
さて5月終わりに公開された露伴ちゃんの新しい映画です。
前作の「ルーブルへ行く」は興行10億円越えてNHK初らしいですね。
ドラマからして非常にクオリティが高く、高橋露伴は私の中でも非常に評価が高いです。また泉京香こと飯豊まりえちゃんと結婚までしてしまうとはw
今回は初の夫婦共演ということになるんでしょうか。
結論から言いましょう。
良い!
ぜひ見にくべき映画です。
ちなみに地元の映画館、20時スタートの回は貸切でした。この映画館大丈夫でしょうか…。

先ずは原作。既に1997年の作品なので、ネタバレでいいでしょう。
取材旅行でベネチアに行く露伴。偶然懺悔室の神父側の席に座った露伴に懺悔を始める男。
彼の呪いは若かりし日に犯した罪によって、幸せの絶頂で自分を絶望に叩き落すと死んでしまった怨霊に告げられたこと。幸せが襲い掛かるように積み重なって、愛娘が可愛すぎると思って絶頂に達したその時、ポップコーンを3回投げ上げて口でキャッチできれば見過ごしてやるという怨霊。
ポップコーンを食べにくる鳩や太陽と戦いつつ何とか2回はクリアしたものの、3回目は失敗。怨霊に殺されてしまいます。
しかしそこで話は終わらず、実は男は執事に整形を施し、自分と入れ替わることで怨霊の呪いを回避したのでした。
が、次は入れ替わった執事が怨霊となって
「次はお前の娘が幸せの絶頂になったときに、お前を絶望の淵に叩き込む」
と言い残して原作漫画は終わります。
一応、鑑賞前に予習をしておきました。
ここまでが映画での前半1時間。
え、こっからあと1時間オリジナル脚本?と正直思いました。
つまり原作の後日談を小林靖子御大が脚本に起こしたということです。
ということでこっから映画オリジナルの展開に入りますので改行しますね。
見に行く予定でネタバレNGな方は鑑賞後に再度お越しいただき、コメント欄で映画デート後にカップルが映画の感想を言い合うようなコメントのキャッチボールをやりましょう。
まあこんなもんでいいか。
映画オリジナル脚本部分ですが、実は冒頭からあります。
高橋露伴が前乗りして来たベネチアで偶然に出会うイタリア人ハーフ役の玉木ティナ、ベネチアの仮面職人マリアですが、いきなりこれが伏線です。まあ伏線でない訳ないわな。
ヘブンズドアの本化、ドラマ当初は少し変化を付けてましたが、安定した表現になって良かったです。あそこ差別化いらんなと思っていたんです。イタリアのスリを本化して盗んだ仮面を取り返して返しに行った先にマリアがいました。
この後、原作の展開がはまります。
原作の展開が終わった後、いつものように能天気な集明社の編集、泉京香から露伴ちゃんに電話が。
マリアの結婚式に露伴ちゃんが出席することに。
今回の取材旅行は実はベネチア芸術大学からの招へいで、その理事がマリアのフィアンセ、それも露伴の大ファンでした。
これも幸せが襲ってくる呪いの一環です。
マリアの父は呪われた男、つまり彼女が幸せの絶頂に達した時、男は絶望の淵に叩き込まれるという呪いな訳です。
男はどうしても娘を幸せの絶頂に上げたくない。2番目でいいんだ、絶頂に至ってはいけないと言い続けて娘を育てます。
露伴にも幸せの呪いが襲ってきます。泉くんとご飯を食べていると、店からオーダーミスで余った料理をタダでもらったり、隣の客が夫婦げんかで不要になった今晩のオペラのチケットをもらったり。
オペラは
リゴレット。
観劇中の鏡香のスマホには露伴ちゃん連載の「ピンクダークの少年」の増版や初版大刷りなどの通知が鳴りやまない状態に。
これに露伴は激怒。
「自分は自分の才能だけでマンガを描いている、幸せの押し売りで部数を伸ばされるなど侮辱でしかない!」
そして京香は言います。
「絶望って死ぬことなんですかねえ、私なら生きて絶望を味わってほしいですけど」
ここでこの後の脚本展開が私は実は読めました。
まあでももうちょい引っ張りますか。
娘の結婚式を絶対にさせたくない男は、新郎の暗殺まで企てます。
露伴は結婚式の日取り、場所を変更し、男を出し抜こうとします。
しかし男が段取りした暗殺隊は新郎を守った新婦マリアに凶弾を撃ちこみます。
男は絶望に打ちひしがれ、こんなことになってしまうとは...と。
しかし娘マリアは露伴の描いた脚本通り、死んだ演技をしていたのです。
更に露伴は暗殺部隊に事前に会って、ヘブンズドアで「殺人の命令は受けない、必ず空砲を撃つ」と書き込んでおいたのでした。
実は伏線であるオペラのリゴレット、実は娘が死ぬことで劇中の主人公は絶望に打ちひしがれるという内容でした。
京香の「生きていたほうが絶望する」のままに、マリアが死んだ(仮)で、男は絶望を味わい呪いは消えたのか...と思いきや、その後マリアが生きていたことを知り、男は愛娘が死んでなくて良かったと思う反面、呪いは消えず生きながらにして呪われて生きていくという展開になりました。
うむ、原作の後日談をしっかり伏線張って回収し、違和感なく重厚な脚本に仕立て上げる小林靖子御大のジョジョ愛と解像度の高さには脱帽しかないです。呪いの被害者である娘が伸び伸びと生きていける環境になったのはホントに良かったなと。
更に演出家である監督の渡辺一貴御大が凄かった。
ベネチアという絵になるロケーションも鉄板ではありますが、常にキャラはアオリの画角、どこがCGなのか既に分からない自然さ、演出の素晴らしさ、どれをとってもドラマ露伴が生きています。wikipediaによれば渡辺監督もジョジョファンらしいですね。
演技に関しては、高橋露伴は文句ございません。
最早、露伴ちゃんはアニメではなくてこっちなのではないかと思うくらいの解像度です。
泉京香さん扮するまりえちゃんも素っ頓狂な衣装に能天気な台詞が、ドラマ露伴の清涼剤としてなくてはならないものになっています。
で、いつものことですが、ドラマ露伴で重要なのは相手役。
今回は井浦新(男、マリアのお父さん)の演技が凄かった。
まさに世にも不思議な物語的なものがジョジョ風味になってこうも降臨するんですかね。演者さんたちの解像度が半端ない。
もう一度言います。
是非、映画を見に行くことをお勧めします。
(追記)
なお友人カメちゃんの指摘によって発覚しましたが、音楽がAIで作成されていることで炎上しているらしいですね、この映画。
息子とも話していたのですが、それだけなら視聴者的には問題はないのですが、荒木テンテイがAIに対する疑念を投げかけているような記述が過去にあり、原作者の意に沿わない形での作品になってしまっているのではないかという懸念が。
これが本当なら製作陣そうとっかえもありなヤバさです。個人的にはコバヤス御大の脚本だけは死守で、今後も何とか生き残って欲しいです。