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2023年05月07日 イイね!

「地上の星たち」の偉業

「地上の星たち」の偉業水は上から下に流れる。ところが、工夫次第では何の外部エネルギーも与えずに下から上に流すことが可能だ。

教養あるバイカーは、古人の秀逸な土木技術を見逃さない。逆サイフォン。

300年前、村民はその技術が世界水準だったと知っていたのか。当時の世界ではサイフォン技術(註※)の実用化は焦眉の課題であったし、現場技師たちには重すぎる課題だった。




痛快だ。留飲の下がる思いとはこのことか。細い道を進むと見落としそうな遺跡があった。

川の下をくぐる水路。つまり川の立体交差。しかもその川はでかい。この川の下を水路がくぐり年間を通して一定の良質な水を供給した。江戸時代。水力で水力を制する。


ぼくは「真府」という言葉を覚えた。これは紛れもなく逆サイフォン。外部動力なし。ただ水の位置エネルギーだけを利用して川が立体交差する。

コンクリートがない時代、切り出した石の組み合わせだけで密閉地下通路を作る。熊本はこういう珠玉の遺跡をもっと大事にしろ。

真府(暗渠)入り口


熊本県和水町大字平野。庄屋、北原松右衛門。

孤独のバイカーは偶然通りかかって偉人を知る。近世土木遺跡の中でも傑出している。

2万平方メートルの田畑を潤すことは、閉じこもってゲームに憔悴するより素敵なことだろ。和水町の子供がこれを知れば、いかほど誇りに思うことか。こんな素敵な教材が路傍で朽ち果ててはならぬ。


江戸時代は鎖国のせいで世界に遅れたなどという明治の姑息なプロパガンダを信じ込んではいけない。

我が国の土木技術は、現代を除いてほとんど継続して世界水準を維持してきた。科学に目を輝かす子供たちはいつの時代もいた。現代を除いて、大人たちはこんな子供たちをinspireしてきた。



堰(せき)の概要。和水町教育委員会。

<引用>
北原松右衛門(きたはらまつえもん)は、寛延元年(1748)玉名郡南関手永平野村の農家に生まれました。若い時から人望があり、一八歳で頭百姓、ニ八歳で手永横目、そして三七歳で庄屋となり、八五歳で職を辞するまでの四八年間を庄屋として勤め、弘化元年(1844)九七歳で亡くなりました。
当時の平野地区は、農業用水に恵まれず、水田が少なくて村民の生活は、非常に苦しいものでした。そこで松右衛門は、農業用水の確保を目指して平野井手の構築を思い立ち、享和三年(1803)に郡代の許可を得て、和仁川と十町川の合流点のすぐ下流で井手の構築に嫡子まし、幾多の困難と妨害を克服しながら、六年の歳月をかけて文化六年(1809)に完成させました。「せき」の近くにには、水の量を調節する水門を設け、川の対岸にはサイフォンの原理を応用して、川底に松の木で作った管(底樋)を通して水を送り、堰本体の水たたきや川床を保護するために大きな石を敷詰めるなどいろいろな工夫が凝らされています。また、洪水の際、菊池川本流からの逆流での被害を防ぐため、山腹に「真府」と呼ばれるトンネルを文政十三年(1830)に完成させたのは、次の庄屋の緒方勘左衛門です。


※ サイフォンとは、隙間のない管を利用して、液体をある地点から目的地まで、途中出発地点より高い地点を通って導く装置であり、このメカニズムをサイフォンの原理と呼ぶ。
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Posted at 2023/05/07 10:51:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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