久しぶりに試乗記を書いてみました。
過日開催された東京モーターショーに行ってきたのですが
主なお目当てはフルモデルチェンジしたフィット!
しかし現行フリード乗りとしては
マイナーチェンジしたフリード
も気になっていていつものディーラーに試乗車が入ったので行ってきました。
(写真を撮っている時間がなかったので画像は全て拾い物です)
残念ながらクロスターでもハイブリッドでも無く、
ガソリンエンジンのノーマルタイプGに
C&Sパッケージを装備したいわばてんこ盛り仕様。
というより初期型で言うハイブリッドEXに値する装備内容ですね。
デザインについては・・・まあ多くは語りません
純粋にデザインという面においては個人的に初代フリードの方が優れていると思うので
試乗車のボディカラーは私の乗っているブルーホライズンメタリックに変わる
新しいイメージカラーの
シーグラスブルーパールでした。
なのですが・・・東京モーターショーで見たときは明るい照明の下だったせいか
昔のミニやフィアット、ルノーなど欧州の小型車でよく見た淡いスカイブルーで
なかなか良い感じだったのですが
実際に日光の下で見るとグレーが強すぎるのか少し日差しが陰っただけで急激に彩度が落ちて
青みがかったねずみ色にしか見えず、個人的には好きな色ではありませんね。
ヴェゼルのプレミアムクリスタルブルーメタリックなら6万近いOP代を払っても良いのですが
更に内装はSパッケージが装備されているため黒一色で
私の乗っているハイブリッドEXとほぼ同じ眺め。
しかもダッシュボードは変わらずライトグレーで
フロントウインドウに盛大に映り込むのも変わっていません・・・
ちなみにカタログなどではノーマルモデルは
モカブラウン内装をアピールしているのですが
Sパッケージを選ぶと真っ黒な内装になってしまうのは前期型と同じ
相変わらずわけの分からないカラーリング設定ですね・・・
どうせならヴェゼルのジャズブラウン内装がフリードでも選べたら良かったのですが
それとハイブリットEXと違いエアコン操作パネルがピアノブラック調ではなく
無塗装の黒いつや消しプラスチックパネルでした。
プライムスムースの人工レザーを使うならこういう所も質感アップすべきだと思います。
見た目はこれぐらいにしておいて早速走りの方を確認!
試乗コースは一般道のみですがゆるいアップダウンがあり
速度も下りなら70kmは自然に出てしまうような交通の流れです。
しかし舗装はいわゆるザラメ路面なので
私がフリードで一番許せない大きなロードノイズや
突き上げのきつさがどう変化しているのか如実に分かるコースです。
駐車場から道路に出る際に歩道との段差を越えた時に「オッ?」と思ったのは
垂直方向の突き上げはあるのですが角が丸くなった感じがした事です。
そのまま走り続けるとやはり路面の凹凸やマンホール等の素材が変わる所を乗り越える度に
突き上げが襲うのですが、前期型に比べて僅かながらマイルドになった印象です。
しかしあらゆる路面の不整を拾ってヒョコヒョコ上下左右にゆすられるのは相変わらずで
これは車重が軽いガソリン車だからというのを考慮しても前期型から全く変わっておらず、
現代のファミリーカーたるミニバンの最新モデルがこの程度の乗り味で良いのか?
こんなので幼少時を過ごした子供はクルマを嫌いになるんじゃないのか?
といった
私の身勝手な危惧を解消するには至っていません。
車重が重く重心も下がるHVなら多少は良くなるかもしれませんが私のフリードもHVなので
ガソリンモデルが基本変わっていないことを見るとHVもあまり期待しない方が良いかも・・・
もう1つのネックであるロードノイズの大きさも全く改善していません。
タイヤはダンロップのエコタイヤでしたが相変わらず
終始ゴーッゴーッというノイズが盛大に車内に響いており
エンジンやCVT音をかき消すほどのボリューム・・・
フリードクラスのクルマに静寂さは求めるべきでは無いと思いますが
なまじエンジンやCVTが粛々と仕事をするタイプな分、
余計にノイズが目立ってしまいます。
ホンダ車は全般的にタイヤハウス周辺からのノイズの侵入が大きいと思いますね。
レジェンドでさえもゴーッというタイヤノイズが入ってくるぐらいですから
車両設計のあり方を見直したほうが良いのではないでしょうか。
一方、
改善されていたのはホンダセンシングの
アダプティブクルーズコントロール(ACC)
加減速を行うタイミングや度合いが人間の感覚に近く、
前期型のワンテンポ以上に遅れる所が改良されていました。
CR-Vやインサイトと同じレベルとまでは行かないものの
使える制御プログラムに変更されたようですね。
しかしそれ故に残念なのはACCが全速度対応で無いこと、電動パーキングブレーキとブレーキホールド機能が装備されていないので、渋滞追従ができないことや坂道の多い土地ではブレーキペダルを踏み続ける右足に負担がかかりすぎることです。
パーツの多くを共有するはずのヴェゼルには渋滞追従機能こそ無いものの電動パーキングブレーキは最初から装備されており、採用モデルを拡大する良いタイミングだったはずなのですが。
もう1つの改良点はステアリングのニュートラル域での手応えが増したことです。
前期型はニュートラルステア状態での不体感領域との境が曖昧で
例えばステアリングを握る手にわずかに力を掛けて曲がるような
緩いカーブに入った時にどこからタイヤの向きが変わり
クルマの方向が変わり始めるのかを
視覚でしか感じ取れない点が不満であり不安でした。
フリードは直進安定性が高いので余計にこのニュートラルステアでの不体感が悪目立ちしていたので実際に高速道路で確かめてみたいものです。
というわけでガソリンモデルのみですが正直言わせてもらうと3年目のマイナーチェンジというよりは
年次改良レベルといった評価しか与えられず
非常に厳しい採点になってしまいました。
というのも先月
N-WGNターボを同じコースで試乗しており
それと比較して負けている部分が余りに多すぎるのも
低い評価に繋がったのだと思います。
もちろんN-WGNにも駄目な所はあるにしてもです。
しなやかな足回りにスムーズで節度あるCVTとパワフルなターボエンジンの組み合わせは
今回のガソリンモデルに対してならドライバビリティは上を行っていますし
全速度対応ACCにオートマチックハイビーム装備や
特にペダルレイアウトを右側に寄せたことで自然なペダル操作ができる点は
はっきり言ってフリード(フィット系)よりも安全で優れた設計をしています。

企画設計時期の違いはあるにせよ何故にこうまでホンダは軽自動車に本気と理想を注ぎ込んでいるのに
登録車の方は低い所で妥協した感が強いモデルが多いのか不思議でなりませんね。
そういう意味では東京モーターショーで見て触れてきた4代目フィットはかなり期待できる感を
得られたモデルでした。
というかこのフィットが駄目だったらホンダは日本市場から登録車を廃止して
潔く軽自動車専門になったほうが良いと思います。
がんばってくれホンダ!
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試乗 | クルマ
Posted at
2019/11/08 00:53:59