5月11日にトヨタカローラのフルモデルチェンジ発表が予定されています。
既に写真やグレード構成などの詳細情報が専門誌で公開されているのですが。
今次モデルとなる11代目は歴代史上初となるダウンサイジングを敢行するといわれています。
しかしそれは従来のカローラのプラットフォームを継承せず、ヴィッツ系のプラットフォームを使用するという決断が下されたから。
9代目(E120系)の頃から、海外輸出仕様との兼ね合いが長らく問題となっていました。
5ナンバーサイズをベースに開発してきたことから、海外に輸出した際にインテリア寸法の不足や、(特にヨーロッパにおける)走行性能の限界が常に問われてきたわけです。
間もなく先代と呼ばれることになる10代目(E140・150系)において、ついにプラットフォームを分断することでこの問題に対処することになりました。
つまり、日本(と一部仕向国)ではE120系のMCプラットフォームをキャリーオーバーすることでE140系とし、海外向けには3ナンバーサイズの新MCプラットフォームを使用してE150系を投入しました。
E150系カローラセダン(韓国仕様)
E150系はオーリス、ブレイド、カローラルミオンとして国内でも投入されています。
国内で5ナンバーを堅持しているのは営業サイドの要望が強く働いていると言われていますが、実際問題カローラを3ナンバー化してしまうと販売に影響があるのは想像に難くありません。
カローラの主要なユーザーが昔からカローラに乗っている保守性の強い中高年者、ルート営業などで小回りが利くセダンを求める法人であることからも間違いはなさそうです。
(そのあたりはセダン不況の現状において、プレミオ/アリオンが意外と売れていることも傍証となる)
他方ベルタがあまり売れないのはカローラの影に隠れているのはもちろんですが、質感がやや乏しいこととセンターメーターであること(コンサバ層には本当に受けが悪い)がいくらか影響していると思います。
ベルタの場合、プラッツ後継車に徹しすぎたのが裏目に出たように感じます。
E120系カローラはNew Century Valueの名の下に大変革を行いましたが、E140系はキープコンセプトとは言いながら如実にコストダウンが目に付くものとなりました。
(ドアを閉めたときのパネルのたわみ音は明らかに退化している)
100km/hを越えた際の走行安定性と燃費は確かに良くなりましたが、タイヤが15インチになったことで小回りに影響が出るなど、従来ユーザーの要求を必ずしも満たしたとは言えなくなりました。
それもあってのダウンサイジングなのかもしれませんが、装備面を見てみるとなぜこんな装備は奢るのに基本装備をないがしろにするんだろうといういびつな構成であることが気にかかります。
また、ヴィッツ系プラットフォームに切り替えると報じられた後から持ち続けてきた、質感が伴うのかという不安は相変わらず。
2000年以降のカローラはE120系をベンチマークと考えるべきで、少なくともE120系の水準は超えないとお話にならないと思っています。
E140系は少し厳しめに見ると水準を下回っていると感じる(甘めに見てようやく及第)ので、E160系?はよっぽどの出来でないといけないと思うのですが、今出てきている情報を見る分には、正直言うと大丈夫なのかなとしか思えずにいます。
もういっそ5ナンバー堅持のモデルはヴィッツのプラットフォームで出すのは仕方ないとしても、新MCプラットフォームの3ナンバーカローラを出しても良いんじゃないの?
どうせ次期オーリスなどのE170系はE150系のキャリーオーバーになるのでしょうし。
幸い現在のカローラは全モデルにペットネームがついている(アクシオ・フィールダー・ルミオン)わけで、カローラのバリエーションを前以上に展開しやすいと思うわけです。
セダンとワゴンに車格違いの2モデルを投入してもモデル名上の破綻はなさそう。(いっそネッツ店に姉妹車を投入してスプリンターセダンとスプリンターカリブを復活させてはどうか?)
どうせ海外向けを新MCプラットフォームで開発するのであれば、それを国内にも投入すれば良いだけの話でしょうし、.派生モデルを新MCプラットフォームで展開するなら、ルミオン後継だけではなくスパシオの復活も考えてみては?
ハイブリッドの投入も新MCの方が行いやすいのではないかと思ったりしますけど。
結果として3ナンバーモデルをユーザーが選ぶのであれば、カローラも満を持して3ナンバー化すればよいのではないかと。
強いて問題を挙げれば、SAIやプリウスとの差別化になるのでしょうが、ハイブリッド専用車ではないのでキャラ付けは可能だと思います。
元E120系のユーザーとしてカローラのモデルチェンジは気になるのですが、やはり不安は拭えません。
Posted at 2012/04/30 21:26:33 |
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