2024年08月25日
前回は1回目の試験に落ちた話で、今回が最終回…ということで試験2回目で合格でき、免許を頂くことができました。
そういえば「試験場の試験官てどんな人」という話をしていなかったので先に書きます。
■試験場の試験官とは?
試験場の試験官の方は言わずもがな警察官ですが、試験官になる前は交通課に所属していた方がほとんどだそうです。
交通課というと違反の取り締まりを思い浮かべる方も多いと思いますが、いわゆる事故処理も交通課の管轄です。
当然、報道されるような大規模な死亡事故の現場に一番始めに駆けつけて、およそ人の形をしていない状態を見て、現場検証を行い、現場処理を最後まで見届けることも仕事です。
そんな悲惨な現場を見てきているだけに、考え方の根っこにあるのは「技術や技能が伴わずに死亡事故を起こしてしまうくらいなら、免許を取らずに事故を起こさない人生の方が幸せ」というものです。
人命を奪わないまでも、けん引の場合、右左折の時にトレーラーの肩が出ても大丈夫なことをミラーで確認するのですが、トレーラーの角を電柱に引っ掛けて何千世帯が停電とか、路地に入る時に建物を壊して、多くの人が迷惑するような事故が過去にあり、そんな事故を起こさない方が良いに決まってます。
ということで、教習所と違うのは「免許を取ってもらうこと」ではなく「不適合者を落とすこと」に主眼を置いている、と言っても過言ではありません。
前置きが長くなりましたが、最後の練習から合格するまでの話です。
◯練習12回目(最後の練習)
初めて教えてもらう教官でしたが「ここまで練習回数多いんだから受かって欲しい」と時間オーバーしてまで、方向変換の練習をさせて下さり、規定の切り返し回数内で何とか決まるようになりました。
■試験2回目
初回と同じBコース。
神様は前回失敗した左バックを克服しろ、と言ってるようです(笑)
受けたのは僕含め3名。超レアだと思うのですが、3人のうち1人が「2トン限定けん引免許」で受験車両を持ち込んだ方が居て驚きました(2トン限定は試験車がありませんので持ち込み受験になります)。
通常のけん引試験車は、助手席の試験官から死角になったり分かりにくいところにカメラがあり、教官の前にあるディスプレイで確認する(受験者には見えない)のですが、どうやって試験するのかな〜?と見ていると、もう一人の教官が持ち込み試験車の後ろを車で追走し、方向変換では車を降りてダッシュして走り回って後方や縁石の確認と、いやはや試験官も大変そうです。
今回も最後の3人目に受験でした。
1人目の受験者の時にパラパラ降っていた雨は止み、再び晴れてメチャ暑い中スタート。
やっぱり緊張しいの小心者の僕は、ド緊張。
その割に練習と同じような走りができ、前回指摘を受けた内容も漏らさずこなし、方向変換は切り返し無しで決め(超斜めりましたが)、無事に完走。
最後に講評を頂いて…後から知ったことですが、落ちた人には不合格をその場で伝え、講評のみの方は合格らしいです(ホントに?)。
完走後に試験官から開口一番
「相当練習したでしょ?、方向変換は一発で決めてくれたね」
と言われ、やっぱり長年見てる方は練習したことが分かるみたいです。
加えて
「限定中型しか持ってないからだろうけど、ほぼ全ての右左折の時に側方を開けすぎて、免許持ってない中高生の自転車だと巻き込む恐れがある」
確かに車線幅は直線であれば車幅に対して片側25〜50センチの余裕がありますが、最後まで詰め切れなかったです。
更に
「赤点滅の信号(一時停止)の交差点間が短いところでトレーラーが真っ直ぐになっておらず、左車線にハミ出している(対向車線に出ていたら検定中止ですが、左車線なので減点)」
これ、相当練習したのですが、交差点の間隔の短いところでは押し込んでから起こして真っ直ぐにすると意識していたものの、本番の緊張の中では中途半端にしかできてませんでした。AコースもBコースも必ず短いところで真っ直ぐにして、車線からはみ出さずに一時停止は課題になってます。
チラ見した採点表(コースが描いてある)にはチェックが沢山入っていて、合格発表までホントにドキドキでした。
■合格発表
受験番号が表示された瞬間、思わず小さくガッツポーズ。けん引で受かったのは僕一人でした。
他の大型や中型も何人か受けてましたが、合格者は1〜2人と狭き門です。
普通車の発表後は混雑するので、即免許発行の印紙購入窓口に行き、4階の通称「勝者の部屋(写真撮影の部屋)」に一番乗り。
けん引の合格者は僕一人でしたので、係の方も入室して直ぐに名前を呼んで下さって、即写真撮影。喜びと緊張が解けた変顔の写真になりました…汗
どの窓口でも「おめでとうございます」と言われるので、色々大変だったのを思い出してウルっときてしまったのは内緒です(笑)
学生さんの夏休みとあってか、普通免許の学科を受験する人が多く、免許交付まで合格発表から1時間半くらいかかりました。
免許交付後に練習所に合格の報告をすると、入所資格は半年有効なので、有効期間中、次の免許の練習は入所料無しでOKだそうです。そして、平針を出たのは17時前。
約2ヶ月半に及ぶ、けん引免許への道は無事に合格して幕を閉じました。いや〜大変でした。
お金も時間も掛かりましたが、何より、ある程度運転に自信のあった僕は「上手く運転出来ない自分との戦い」が辛かったです。
40代も半ばになると色々なことに慣れてしまって、達成感を感じることってそう無いのですが、久しぶりに「やったぞ!」という達成感を味わえました。
■掛かった費用
受験費用+試験車使用料:4,050円×2
証明写真:900円
練習所入所料:3,700円(7月から4,000円になったらしいです)
練習(〜6月末):9,400円×5
練習(7月〜):10,400円×7
駐車場:500円×11
免許証発行手数料:2,050円
合計:140,050円
練習回数が多かったので教習所よりも2〜3万円安いだけでした(笑)
最後に教官の名言を紹介してシメたいと思います。
1.けん引のトレーラーの内輪差は激辛料理と一緒。遅れて特大のヤツがやってくる。
2.大型とけん引の教習は格闘技。狭いコースで、ひたすらステアリングを回し続ける、車との戦い。
長編のブログに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
Posted at 2024/08/25 22:31:32 | |
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2024年08月25日
前回は申し込みと練習所の紹介でしたが、今回は練習から1回目の試験までを紹介します。
…はい、1回では受かりませんでした(^_^;)
練習は仕事が休みの土曜日ばかりでしたが、教習の車が多くて待ちが多く、練習の効率は良く無かったです。
■成長の記録(練習記)
◯練習初回
10分ほど教官が運転し、お手本を見せて頂きました。
大型車の乗り方以外にもトレーラーならではのテクニックが多く、目を白黒させながら見てました。
外周とS字を走っただけですが、外周で指定速度の50キロを出してブレーキで減速という単純なことすらまともにできず、シフトミスはするわ、トレーラーのブレーキをロックさせるわ、車線をハミ出すわ、で「こんなんで試験に挑めるレベルになるのか?」と随分凹みました。
◯練習2〜4回目
何となく操作は理解できて、走ることに集中できるようになり、加減速やコースの中で何速で走るべきかを掴んで、車両感覚を叩き込む練習。
◯練習5回目
方向変換(バック)の練習開始。
全て教官の指示が無いと絶対できないという体たらく。頭を抱えました。
平針のトレーラーは他とは違って長いので、きちんとツボを押さえたライン取りや操作をしないとスペースに収まりません。反面、少しの操作でクイックに動くことはないので、安定した動きではあります。
「けん引は方向変換が8割」と言われますが、特に平針では方向変換ができるくらい感覚が身につけば、受かったようなものです。
しかも、教えて下さった4人の教官曰く「けん引は10人教官が居たら10通りの教え方がある」ということで、何度も折って起こしてを繰り返す方法、一発でトレーラーの角度を決めて修正しない方法、折り方も起こし方も各操作のタイミングも皆さん言うことが違って混乱します。
この段階で6月末。当初予定していた試験日が迫ってきたので、7月末に変更しました。
◯練習6〜7回目
ひたすら方向変換の練習。折り始めのタイミングと切る量は理解できましたが、同じように操作してるはずなのに、毎回違う動きになり、教官でも調整が難しい軌跡を描いてみたり、どうやっても修正できなくて何度もやり直したり…。
いつになったら自分の力で方向変換できるようになるのか不安になりました。
◯練習8〜9回目
人間、本気で練習すれば何とかなるもので、何となくバックでの動きの感覚を理解して、練習9回目には教官が黙っていても方向変換に成功できる確率が高くなってきました。
ただ「10回やって10回入らないと試験は合格できない」とは教官のお言葉。
◯練習10〜11回目
コースもある程度の減点で走れるようになり、方向変換も切り返せば決まるようになってきました。
「とりあえず試験に挑めるボーダーラインには立てた」ということで1回目の試験を受けることにしました。
■試験1回目
受付に行くと方向変換が左バックのBコースの表示(コースは当日発表です)。
愛知県は方向変換の右バックを重視してるそうでAコースが多い噂でしたが、実はAコースの方が苦手だったので、運が良かったです。
受験者は僕を入れて4人。その中の一人の方に声をかけて頂いたのですが、僕と同じ趣味でレースカー運ぶ目的で中型限定免許で、けん引にチャレンジという同じ境遇で仲良くなりました(笑)
最後の4番目に試験でしたが…外周や途中の交差点はクリアしたものの、方向変換で規定の切り返し回数を超えて検定中止。
「方向変換の途中まで良かったのに惜しい。勿体ない」と講評を頂いたので、約3週間後にリベンジの日程を決めて帰宅。
合格発表は、普通免許以外の合格者が先に発表になるのですが、この日は「大型、中型、けん引 合格者無し」と何とも厳しい結果でした。
一発試験で、けん引免許を取ろう 3(最終回)に続きます。
Posted at 2024/08/25 21:14:39 | |
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2024年08月25日
ハイエースを買ってやってみたかったことの1つが、車載トレーラーを引っ張って、ナンバー無しの車やラリーの競技車両を運び、現地で遊ぶことです。
このお話は、限定中型(旧普通免許)しか持ってない、レンタカーの積車レベルの大きさの車しか運転できない僕が、いきなりけん引免許の一発試験に挑むとこうなる、というお話です。
長いので3回に分けて書きたいと思います。
平針運転試験場は写真や動画撮影が禁止されているので、画像はありませんので悪しからず。
■受験の申し込みと練習の申し込み
6月初旬。けん引免許を取得するべく、平針運転試験場へ。
受験の申し込みは平日13:30まで〜とか、種々レギュレーションはあるものの(ホームページに細かくは書かれて無いので試験場の総合案内に行かないと色々分からない)、何とかクリアして申し込みは完了。
練習を申し込むべく、平針自動車練習所へ(練習所については後ほど)。
まず言われたのが「普通免許(限定中型含む)で、いきなり、けん引免許はヤメとけ」というもの。大型免許や中型免許を取って、段階を踏みなさい、と。
とはいえ、後に引く気は無いので、そのまま申し込みとなったのですが、1回目の教習で身を持って知ることになります。
◯段階を踏むべき理由 その1
『検定車の規定』
けん引免許は総重量750Kgを超えるトレーラーなどの被牽引車を引っ張る際に必要な免許なので、車種問わず共通の免許=規定の一番大きな車種で試験=試験車は大型車、となるところにあります。
平針の試験車は幅2.5m(トレーラーの幅、ヘッド車のキャブは幅2.4mくらい)、全長はトレーラーとヘッド合計12mと、普段3.5トンの積車くらいまでしか乗らない僕が初めて乗ったら、運転席から見て後端のトレーラーのタイヤどこ?というレベル。
また、試験コースの車線の幅は一般的な道と同じ3〜3.5mなので、直線はまだしも内輪差のあるカーブでは本当に余裕がありません。
ということで、トレーラーの特性と大型車の車両感覚という、2つを同時に覚えていくことになるので、必然的に難易度が高くなります。
◯段階を踏むべき理由 その2
『大型車の操作系』
平針の試験車は、ヘッドがいすゞ・フォワードの教習専用車、トレーラーは東邦車輛の平車。
たぶん7790ccの6気筒ディーゼルでDPF付の6MTです。
シフトパターンが一般的なMTのそれではなく独特です。リバースは2速の左隣。
ニュートラルは1-2-3-4のHの真ん中。
発進は2速のアイドリングでクラッチを繋ぎ、徐行は3速、通常走行は4速、外周で指示速度50キロを出すときに5速…とギアの使い方も乗用車とは異なります。
発進に慣れるまで時間がかかり、アクセルを煽って半クラで耐えるメタルクラッチの乗り方のクセが抜けず、トレーラーの連結機から「ドゴン」と激しめの衝撃と音を出して何度も注意されました。
また、エアブレーキが難しく、踏み始めは効かないのに途中から突然制動が立ち上がり、そこから少し踏み足すとトレーラーのタイヤがロックするという、競技車両だったら、その場で乗り捨てるレベルのコントロール性(そのうち慣れました)です。
もちろん、ステアリングもスローなので、いっぱい回さないとタイヤが切れません。
◯段階を踏むべき理由 その3
『特大の内輪差』
一番参ったのは方向変換ですが(これは後述)、次点は時間差でくる特大の内輪差。
激辛ラーメンとか激辛カレーって、口に入れた時は何とも無いのに時間差で「うぉ!辛っ!!!」ってなるじゃないですか? アレです(笑)←教官の受け売り
トレーラーのほぼ後端にタイヤがあるので、同じ舵角で曲がっていると知らないウチに内側に切れ込んできて、縁石ギリギリというのが何度もありました。
大型車は時間差こそ無いものの、ホイールベースの長さからくる内輪差の大きさに慣れているかの差は大きいと思います。
最後は感覚ができてきて慣れるのですが、割と苦しみました。
■平針自動車練習所とは
平針には全国でも珍しい(と思います)、試験車を使って試験のコースで練習できる施設があります。
教習所と同じで、試験車に教官が乗って教えてくれます。
けん引車は1回50分で10400円(税込、2024年8月現在)でした。
また、教習所と違い、一発試験に特化してますので(ペーパードライバーの教習もやってますが)、指定教習所のような規定時間は無く、自由練習なので、自分が行きたいタイミングで試験に挑んでOKというシステムです。
ただ、平針の練習所は教習所ではないので、免許を取ってもらうことが目的ではなく、運転技術を免許が取れるレベルまで磨くことを目的としています。
よって、教習所にありがちな「このポールの何本目に来たらステアリングを何回転」みたいな、公道に出たらクソの役にも立たない(←失礼)教え方はしないという方針です。
なので、あらゆる操作に対して車はこう動く、ということを頭と体で覚える必要があります。
逆にソレが出来ないと一発試験は合格できない、ということです。
確かに公道に出ての運転はひたすら応用ですから、理にかなってますが、僕みたいな大型車も初めての人間には極めてハードル高かったです。
僕は4人の教官に教えて頂きましたが、皆さん運転が好きで、優しく丁寧に、時には昔話や失敗談なども交えて、緊張したり焦ったりが無いように教えて下さいました。
ということで、初回の練習が始まります。
一発試験で、けん引免許を取ろう 2に続きます。
Posted at 2024/08/25 20:44:12 | |
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