
あまり出物自体がないユーノス500ではありますが、走行距離が少ない一見上物と思われるような車両が、忘れた頃にポツポツと出てきたりします。
押し並べてこの30年以上の間にいったいどこでどうしてたんだ? というほど綺麗な個体が目立つのですが、今とっても注目の的が
この個体です。
程度の良さもさることながら、車両本体価格が249万円だとぉぉぉ!?
ちなみに発売当時の素の20F(AT)の車両本体価格(東京・広島)は222万円。この出物にはABS、エアバッグ、ビスカスLSD、本革シフトノブ&サイドブレーキハンドルがプラス24万円で追加してある当時でも珍しかったセットオプション装着車です。ということで当時の車両本体価格は合計246万円ということになります。
つまるところ新車とほぼ同じ価格じゃないか。。。
これだけ強気な価格のワケは整備手帳の整備履歴をこと細かく見ると分かってきます。これがとんでもなく手が入ってるんですよ。それがつい最近に。
長年オーナーをしてる私が見ても、こいつは…と唸るほどの手の入れようです。
一般的に10万kmになったら交換と思い込まれてるタイミングベルトですが、これだけ年数が経過していると交換指定距離を待たずして換えることは常識だから、その点については当たり前というか普通。しかし、それだけではなく前後ダンパーやそれに付随するアッパーマウント、その内部に入るスラストベアリングまで新品交換してあるほか、カムシールやエンジンマウントなど多岐にわたり手抜かりがありません。
まさに痒いところに手を入れてあると言っていいかと。
一体この前オーナーは何者なんだろう…。
強気な価格以上に気になるところです。
掲載されていた整備履歴の画像にはナゼか前オーナーの個人情報がバリバリ出たままな上に少し珍しいお名前。試しにググってみたらそれらしき前オーナーがヒットして納得の結果に。
東京都の自動車整備技能大会に出られていたばかりか、今年優勝されたメカニックさんでした。
妙に納得!
この緻密な手の施しようは素人ではないのはかなり納得だし、正直メカニックと言えどそのスキルはピンキリではあるけれど、少なくとも前オーナーは伊達ではないと分かるところだと思います。
さて、このような出物があるたびに同じオーナーであるYuckyさんとは話題にしているけれど、ここで彼が一つピンときたのが、
“これヤフオクに出てた車両じゃね?”と。
あ! そうだ! 鋭いご指摘!
その時の記録を読み返したら確かにビンゴ!
車台番号の下3桁を確認したら同じ! さすがYuckyさん!
余談ですがパーリーホワイト2マイカのボディカラー自体とてもレアなんです。
前期型の途中で何らかの理由で生産が終わってしまい、独自の調査で判明したのはV6 2L(KF)車で1045台、V6 1.8 L車(K8)が606台、合計1651台が生産されたのみでした。ほとんど限定車レベル。そうそう出物がないボディカラーの車両ですから、今となっては余計にその履歴が分かりやすいともいえます。
現在売りに出ている車両は2023年3月頃に岐阜県のショップから出品されていたそのものです。出品していた当時の画像と比べて目に見えて変わっていたのは純正オーディオから2DINのインダッシュSDナビになっていたことと、プラグコードはウルトラのシリコンプラグコードに換えている点です。
岐阜ナンバーの類別2桁というワンオーナー物だったから一部では話題になり、そこそこ不具合は抱えて多少手を入れる必要はあったものの、今後乗り続けて行って手を入れていくベースとしてはとても良く、即決価格80万円はオーナー目線からしてもむしろ大バーゲンとも言えるコンディションの車両でした。
なのに、、、入札者はみなチマチマ入札していた状態が長く続き、こんなに状態が良いのに、どいつも腹をくくれず煮え切らないケチくせぇ奴らだなぁ…的な流れだったのですが、結局即決価格で終了した経緯がありました。その後どうなったか気になってはいたけれど、まさか東京に来ていたとは想像すらつきませんでしたが。
さて、とは言えですよ。ワンオーナー物を購入し整備士の采配があったにせよ、これだけ手厚く手を入れた車両なのに1年も経たずにナゼ手放してしまったのだろう??? というところが引っかかってはいます。
ちなみにヤフオク出品時の走行距離は5万9162km。
現在の走行距離は6万912km
買ってから1年半程度で1750kmしか走ってないじゃないか…。
ちなみに前オーナさんの整備工場は神田。現在発売している中古車屋は両国。直線距離にしておよそ3km、総武線で3駅ほどしか離れていません。。。
なぁ〜んかきな臭くないかぃ?…と勘ぐりたくもなったりして。。。
落札金額80万円。
現在の売値249万円。
その差額169万円!?!?!?
真面目に交換したパーツ代だけでも、おそらく50万円程度はくだらないでしょう。工賃はメカだからかかってないにしても落札金額と今の売値を考えた場合、ザックリ少なく見積もっても粗利は100万円辺りは出ている?ってところでしょうか。
名車再生のマイク&エドあるいはアントあるいはエルビスをまるでリアルに見ているようです。なんだか車屋の闇をちょっとだけ見たような気にもなってきます。
とはいえ、ただ走行距離が少ないだけでロクすっぽ手を入れずに、仕入れたまま右から左へやたら高値でふっかけた挙句、ほとんど売りっぱなしの車両が多いなか、完璧に近い整備が施されたユーノス500の中古車というのは非常に珍しいケースではあります。
絶対的な価格は確かに高いけど新車のように乗りたいというお方は、良いチャンスかもしれません。あとは面倒を見てくれるメカがいれば安心てところですけどネ。
Posted at 2024/09/12 19:58:36 | |
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