ボクスター購入記の続きです。
前回は、自宅駐車場お試しと試乗編でした。
ディーラーに到着したら早速、商談に入ります。
平日だったので、ディーラーは空いていました。
まず、ボクスターには、ボクスター、ボクスターS、ボクスターGTS、ボクスタースパイダーのグレードがあります。
お金も無いし、あまりパワーがありすぎても公道では使い切れないと思うので、素のボクスターを選択しようというのまでは決めていました。
素のボクスターだと265PS/28kg・mで車重が1310kg。エリーゼが220PS/25Kg・mで950kg。NCが170PS/19Kg・mで1090kg。NCは手が入っていて、200PS/21kg・mぐらいはありそうなので、パワー的には弄ったNCとエリーゼの中間ぐらいでしょうか。パワーウエイトレシオは4.94 kg/ps と5kg/psをちょっと切るぐらいなので、自分が乗ってきた車の感覚としては、公道で使うにはちょうど良い感じです。
次の条件ですが、絶対条件としては右のMTであること。
PDKの出来の良さは試乗で十分に理解できましたが、やはり私はガチャガチャ星人のようで、MTは外せないところです。「いま、マニュアルに乗る。」ってやつです。それと、PDKにすると+53万円になるのも積極的に選べない理由です。
ハンドル位置については、元々、本国仕様である左ハンドルで設計してあるので、そちらが良いという理屈は分かります。そして、右ハンドルのボクスターはペダルがセンターにオフセットしており、右で3ペダルにするとセンターがずれたり、左足が窮屈だったりするというのも聞き及んでおります。
自分は小柄なので、窮屈になる問題は何とかなりそうなのと、以前左ハンドルの車で感じた不便や乗りにくさを考えると余計なコストがかからずに左右が選択可能ならば、右を選びたいと思います。ちなみに、アルピナは右にするだけで70万だか高くなるので諦めた記憶があります。
そんなことで、ここまでは絶対条件。
後はボディーカラーと幌、内装色の選択です。
やはりスポーツカーなので、ここはそれらしい色を選択したいところ。
やはり、赤か黄色。
ディーラーに置いてあった911GTSのこのオレンジなんて良い。
でも、この色はボクスターでは選べない模様。赤は多分無理だけど、夢のフェラーリ買うときに取っておきたいので、ここはオプション費用なしに選択できるレーシングイエローを選びました。これもいい色です。 幌は、黒、茶、赤、青が選べますが、ここは無難に黒。
内装は特にオプション付ける予定もないので、無難に黒を選択。
とりあえず、これで骨格が決まりました。
こんな感じです。
この時点で、見込み発注の車には条件に合うものがないので、生産枠がとれるかどうかという話になりました。
ここからは、日本でのポルシェの正規輸入車の販売方法になります。
日本の正規輸入の方法は、ポルシェの子会社のポルシェジャパンが総輸入販売元になっております。
ポルシェジャパン自体は直接販売店は持っておらず、各地にある販売店はいろいろな資本が入っております。東京だと大きく分けて2社あるみたいです。
我々のように正規の車が欲しい人は、販売店に足を運ぶことになります。販売店では、客の要望を確認して車をポルシェジャパンに発注するというのが大きな流れのようです。
ここで、少しややこしいのはポルシェジャパンでは本国の生産枠の割り振りを行っています。ポルシェの車はオプションが多岐にわたりその組み合わせは何万通りにもなるので、同じような組み合わせの車は前もって生産しておくということは困難です。そのため、顧客から発注を受けると生産枠をその顧客に割り当てるわけです。顧客はこの生産枠を取るために予約金を先に入金します。お金を支払うことで生産枠がいつ取れるのかという調整を行ってくれることになります。
それとは別に、この組み合わせなら売れるだろうというような見込みで発注した車の枠もあります。この見込み発注の車は、これなら売れるであろうといった色やオプションの組み合わせで取ってあるので、右のMTというあまり人が選ばないような組み合わせの車は中々ありません。
右のMTでレーシングイエローという変態構成では見込み発注の枠はありませんので、生産枠の車になるとのことでした。
そうなれば、オプションは好きに選べることになります。
ポルシェの場合、このオプションが曲者です。オプションの種類がものすごい数あって、それをいろいろ組み合わせて自分好みの車に仕上げることが出来るのは良いのですが、当然それにはコストが伴います。
問題なのは、定価で634万円のボクスターなのですが、この値段では国産車では当たり前の装備が全部オプションです。たとえば、HID、オートエアコン、電動格納ミラー、スマートキーといったところや、オープンカーでは必需品のウィンドウディフレクターまでオプションです。そして、このオプションの一つ一つが高い。欲しいものを付けていくとすぐに100万、200万と金額が膨らんでいきます。
ちなみに、スイフトに標準で付いている、電動格納ミラー、オートエアコン、スマートキー、クルーズコントロール、ステアリングスイッチをオプションで付けると、なんと52万円もします。凄いですね。
中古車がお得なのは、このオプション金額というのが中古車の価格に反映されづらくなっているため、実際に販売された値段と比べると非常にお安く買えるわけです。特にボクスターのような車は、認定中古車であれば、走行距離も少なく保管状況もガレージ入っていたような極上品が多数あります。
逆に考えれば、オプションはすべて我慢して、本当の素の状態で買えば将来的に売る時のことを考えれば損は少なくなります。ただ、そんなことを考えてケチって買うと、買った後にずっと後悔することにもなりかねないので、お金があれば欲しいオプションを付けた方がいいと思います。
まあ、私の場合、今回は虎の子の貯金を切り崩しても、結構ギリギリだったので、オプションは極力切り詰めることにしました。
まず、7割ぐらいの人が選択するというHIDですが、これはやめました。素のボクスターの場合は、ヘッドライトはハロゲンです。ボクスターSになるとHIDになります。ただ、素のボクスターでHIDにしようと思うと、ダイナミックコーナーリングライトというステアリングを切った方向にライトが照らす機能までついてきてしまいます。これが27万円。ボクスターのようにHIDだけで良いのになぜか余計なものまで付いてきてしまいます。
で、調べてみると後付のHIDキットもあるようだったので、これは省きました。エリーゼもハロゲンで特段困ってないので、そのままで不満がなければ良いですし、我慢できないなら自分で取り付ければ良いでしょう。
次にシートヒーターです。これも付ける人が結構多いようですが、シートが体に合わずに交換する可能性もあるので、付けるのはやめました。スイフトに付いているSP-JCを移植すればシートヒーターも付いてきますしね。
そして、タイヤ&ホイールですが、インチアップすると乗り心地が悪くなりそうなのと、軽快感がなくなりそう、更にタイヤ代が跳ね上がるので純正のままにしました。最悪、交換したくなったら社外品にします。TWSとか良いな~。問題は、2015モデルから強制装着になった空気圧の監視システムですが、これはその時になってから考えましょう。
そして、車内から排気音のコントロールが出来るスポーツエキゾーストですが、これは深谷のネギ屋さんにマフラーを作って貰う予定なので必要なし。まあ勝手に決めてますが、986用はあるし、多分大丈夫でしょう。
そして、PASM、PTV、スポーツクロノパッケージといった機能系です。
まず、PASMはサスペンションの固さを調整できるものですが、これついては車高が1cm下がるのと、乗り心地を気にする車ではないと思うので選びませんでした。
PTVはリアデフとブレーキでコーナリング性能を上げる仕組みです。あった方が楽ちんなのでしょうが、機械に頼らないで自分で操縦している感覚が欲しかったのでやめました。
最後にスポーツクロノパッケージですが、これはセンターコンソールに時計のようなものが追加されてかっこよくなります。実はそれは見た目だけの話で、スポーツプラスモードが加わって、選択するとエンジンの回りが鋭くなり、更にシフトチェンジ時にオートで回転数を合わせてくれるようになります。さらに、ダイナミックトランスミッションマウントが加わります。これはミッションマウントの固さを変えられるものです。PASMと組み合わせれば、脚の固さとエンジンの制御、PSMの効き方まで変更できるので、付けるなら一緒の方が効果的だとは思いますが、今回は予算と車庫の関係からスポーツクロノパッケージのみ選択しました。
お金が無限にあれば、全部セットでつけたいところです。
それと、追加したのは電動格納ミラーです。これは、車幅が広いし、あると便利だろうと判断しました。実はこれを追加すると、ミラーの下にウェルカムランプも付くそうです。
更に、ウインドディフレクターとフロアマットは最低限必要ということでこれを追加し、オプションはこの4つのみにしました。
これで、オプションで約50万です。4つしかないのに・・。ポルシェって怖いですね。
ディーラーでは、ネットでも行うことが出来るカーコンフィグレーターを見ながらあれでもないこれでもないとオプションを厳選しました。
最終的に車の仕様が決まったので、車両発注書に記入してもらい、契約です。とりあえず100万円支払って、生産枠が抑えられるか確認してもらうことになります。
問題なのは、もうすぐ新型が発表されることもあり、生産枠が抑えられる可能性がかなり低いとのこと。今ある車両のもので振り替えることが可能かも含めて検討してもらうことになりました。もしダメだったときは新型にするか、諦めるかになります。
どちらにせよ、これで一歩踏み出しました。この段階では無事に生産枠が取れるかどうか祈るだけでした。
次回に続く。