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クリストファのブログ一覧

2015年02月17日 イイね!

日産のLMP1マシン解答・正しく合理的に狂っている

日産のLMP1マシン解答・正しく合理的に狂っている日産のLMP1のオフィシャル情報、公開されましたね。











まさかの前輪駆動!日産、今年のル・マン参戦マシン
「NISSAN GT-R LM NISMO」を発表 - Autoblog 日本版

http://jp.autoblog.com/2015/02/02/nissan-gt-r-lm-nismo-unveiled/






























予想外デース。










このまえ書いた考察大ハズレあはははは。
でもオースポよりは当たってた!←負け惜しみ








見ての通り、前車軸周辺から空気を抜いてトンネルを使ってリアまで通してます。
強烈なフロントダウンフォースと低ドラッグを両立させるコンセプトです。






確かレギュレーションでフロアの↑ここだけは開口が許されてる。
こっから抜くとフロントディフューザーの効率がすごく上がるんです。

でもポルシェハンプから始まった流れがここまで到達したのは
なかなか感慨深いというかえげつないというかなんというか。








エンジンは3リッター60度V6ツインターボ。


わあGT-Rと同じだきっとこの技術は市販車にも生かされるね(棒読み)




コスワースが作ってる。






うーん。

乱暴に言うとDIG-T Rを2つ合わせれば3リッターV6ツインターボになるし
どうもエキゾースト/タービン周りを見てるとその可能性が高いんだけど
レーシングエンジンでバンク角60度のV6ってあんまり聞かない。
DIG-T Rはストレスマウントしてなかったけど大丈夫か?
エンジン脇のスペースのためにデメリットには目をつぶった?


しかしDIG-T Rを見たときは

「なんでここまで腰下をコンパクトにするんだ?」
「なんでタービンをこんな高くレイアウトするんだ?」

と思ってましたが、このマシンを見据えてのことだったのかな。
ガレージ56から一貫して、全ては今年のルマンのための計画だったのか……
すごいぞ日産。策士すぎるぞボウルビー。Δウィング笑ってすみませんでした。








ガレージ56のときから、日産はガチで勝つ計画を立ててたんだよ!







な、なんだってー



パトレイバーで例えると
デルタウィングやZEOD RCはブロッケンで
これがTYPE-J9グリフォンみたいな感じでしょうか。
あの3年間は一発ギャグじゃなくてデータ取りだったのか。










なんとこれ1250馬力出るエンジンなんですね。




出るかもヨ。

回生システムはフライホイール「フライブリッド」で8MJクラスを目指すと。
フライブリッドはエネルギー密度高いので瞬間なら出るかもしれません。
でも1250馬力を発揮できるのはユーノディエールだけだと思う。



ユーノディエール 400km/h トライーーーーッ


は無理としても370km/h〜380km/hくらい出るんじゃないかな。
GTマシンが動くシケイン。


インタークーラーは水冷らしい。

だよねえ空気を空気で冷やすとか時代遅れっすわ。
前輪後ろ、フロアから空気を抜いてすぐのところに
インタークーラーがあります…あるそうです。正直見えません。
つまりリアまで抜けてるあのトンネルは、言い換えると
超巨大なインタークーラーダクトでもあるようです。







フライブリッドはモノコックに食い込む形でドライバー足元にあって
そこからVバンク間にドライブシャフトを通してギアボックス…らしい。
ということはエンジン出力はドライバー側にアウトプットするのか?
両端からアウトプットしても行けそうに思えます。同調は知らん。

いやー爽やかに狂ってる設計だなぁ。




















じゃあ需要ないと思うけど写真からそれぞれ細かいところ見ていきます。
エンジンと空力は詳しくないので自分が解説できるとこだけ。









グリルから飛び出たノドチ◯コが吸気口。







グリル裏側の写真がこちら。

ラジエーター通過後のホットエアの一部が
ブレーキダクトにバイパスされているように見えます。
ラジエーターから熱を奪って多少ホットになったとはいえ
1000℃のブレーキを冷やすには十分低温ということなのでしょう。
巡航時は保温して制動後は冷やせる良いレイアウトだと思います。
これだと無理に全部アッパーから抜くよりドラッグも少なくて済みます。
しかも高速巡航時はブレーキローターがエアを抽出してくれるので
ラジエーター裏が負圧になって抵抗ダウン+効率も上がりそう。


イヤ細かいところまでよく考えられてるわコレ。








写真のサスアームは一番ナチュナルなセッティングです。

でもアンチダイブジオメトリが強い設計のように思えます。
柔らかいバネとタイヤでメカニカルグリップを稼ぎつつ
制動時のピッチング剛性は高くしたいのでしょう。

ギアボックスケーシングの素材が気になりますが
これたぶん3Dプリントした仮組用のダミーです。
見慣れたナイロン粉末レーザー焼結の色。
仮組中に埃や砂粒が噛んだらパーですから
ギアボックスは最後に組み付けるんでしょう。
撮影時点では製造が間に合ってなかったのかも。

モノコック前端にインタークーラーのブラケットらしきものが見えますね。
エンジン脇のフロアに穴が空いていて、ここを通ってリアに抜けると。
そう考えると少しわかりやすくなると思いますこのマシンの空力。










本番用のギアボックスはチタン。





んで、フロントのサス形式はぱっと見分かりにくいです。
プルロッドにもプッシュロッドにも見える。


でもコレについては自信があります。
コレは「ロッカーアーム式プルロッド」です!(ドヤッ)

なんで自信があるかというと、学生フォーミュラで自分のとこが採用してたから。









動作としてはこんな感じ(てきとう)。

タイヤの上下動はプルロッドを介してベルクランクに伝達されて
ベルクランクはシーソーの要領でレバー比を作りつつショックを押します。
フロントにこれ使うレーシングカーって最近じゃ珍しいですね。



なんでこんな回りくどいことしてるかというと
たぶんフロントの高さを極力下げたかったのでしょう。
視界を確保するためにエンジンより高くしたくなかった。


レーシングカーで一般的なプッシュロッドにも弱点はあって
ベルクランクの位置を下げる、またはトレッドを広くしていくと
プッシュロッドが水平に近づくので機構として成立しなくなります。

フォーミュラマシンならハイノーズにすればまだなんとかなるのですが
キャビンが後退しているこのマシンでそれをやると視界が確保できない。
でも横方向には自由度があるから、じゃあショックは水平マウントして
プルロッドで動作させようという……という考えなんだと思います。


「プルロッドなら素直にショックを下置きしろよ」

と思う人もいるかもしれませんが、下置きはメンテ性が劣悪です。
また、ベルクランクとショックは単体では重いパーツに思えますが
動作に空間を喰うので体積比で考えると軽い部類に入ります。
つまりギアボックスよりは上にレイアウトすべき要素です。

また、ロッカーアーム式はベルクランクがモノコック外に露出して
空気抵抗が増大するのがデメリットですが、このマシンなら問題ない。


上記から、必然的にこの形式になったのでしょう。
奇抜ですがよく考えられた最適解だと思います。

……でもロータリーダンパー使えよと思ってしまう。
たぶん既製品では容量不足なんでしょう。フロント重いから。
あとFRICが搭載されているらしいですが、自分はあまり知識がありません。









ちょっとトリビア。
プルロッドには目に見えない設計上のメリットもあります。
それはサスペンション全体の剛性バランスが取りやすいということです。


プッシュロッドサスペンションを設計する場合、
ショックをきちんと動作させるためにベルクランクの強度は上げたいところです。
たいてい肉厚をたっぷり取ったビレット削り出しで作ります。まず変形しません。

しかしそうすると今度はプッシュロッドがグニャグニャ座屈してしまい
バネレートを上げていったときセッティングが出せなくなります。
突出して剛性の低いロッドがバネとして作用してしまうのです。

でもプッシュロッドを太くするには物理的な制約がありますし
ベルクランクの剛性をロッドに合わせて下げるのも難しい。
結局はロッドの変形分も加味したバネレートになります。
せっかく非線形に設計してもその通りには動作しません。
ここ考えずに設計するとプレゼンで突っ込まれます。


一方、プルロッドではロッドにかかる力は引っ張り力ですから
ちょっと肉厚を上げてやるだけでベルクランクの剛性と釣り合いが取れます。
あるいは高いロッドの剛性に合わせてベルクランクの剛性を少し下げてもよし。
小入力から大入力まで、設計通りにきちんと動くサスペンションを作りやすいです。


このマシンのベルクランクは一見古めかしいスチール製の溶接ですが
おそらくこれは手抜きではなく、それが最適解だからでしょう。たぶん。






で、

容積と空気抵抗以外はメリットの多いこのロッカーアーム式プルロッドですが
学生(自分じゃないよ)が実際作ってみてどうだったのかというと




CAD上ではよく動いたよ☆




とだけ申しておきます……


設計力が伴わないとどんな形式もミソクソ。
豚に真珠でもアダムス使わせてお願い。












以下、まとめ。







Q. 速いか?


うーん。
フロントのミシュランタイヤの出来次第なのかなあ。
1250馬力とダウンフォースを捌いてステアできるタイヤかどうか。

逆に考えると、ボウルビーはミシュランがそういうタイヤを作れると確認して
完成したタイヤの特性に合わせてマシンの設計を開始していると思いますから
おそらくミシュランは未曾有の要求仕様に答えたいい仕事をしたんでしょう。
ミシュランにとっても相当にチャレンジングなプロジェクトだったはずです。
1250馬力のFF用レーシングタイヤなんて俄かには信じられない代物ですが
技術者がキュウべえと契約したのかもしれません。


マシンの挙動については推測しかできませんが
トラクションでは当然ミッドシップに負けると思いますから
ユノディエールと燃費を重視するルマンスペシャルでしょう。
タイヤ的にはテルトル・ルージュが強烈に厳しそうです。

つまり、タイヤが完成していれば速いと思います。
あとはノートラブルなら…それはどのマシンでもそうか。




Q. 次期GT-Rはこのレイアウトになるか?



イヤ無理。

このマシンに限らないけど
現代レーシングカーって空力を中心に
レイアウトからなにからを決めてるから
それをそのまま市販車に採用しても意味ないっす。

このレイアウトはルマンに勝つためだけの奇形です。
市販車でここまで空力特化すると乗用車として成立しませんし
前輪駆動といっても市販車に活用できる技術は皆無だと思います。
(このマシンと同じタイヤを市販するわけにもいかないでしょう)


というか、普通の人が乗って公道を走る車には
もっとずっと優れたレイアウトがあります。
いまのR35GT-Rのレイアウトがそれです。

90年代からの地道な研究で解を見つけてる日産が
不安定アンド一定以上の速度域でしか効果のない
「空力」特化のレイアウトを今更採用するかというと…
最適解を捨ててまでやることじゃないよなあと自分は思います。

公道で400km/h出したいなら別だけど。



Q. このマシンで得た何らかの技術が次期GT-Rに生かされるか?


そういうのはありそうに聞こえますが
実は自分はその可能性も低いと思っています。


まず要素技術として考えられる一つがフライブリッドですが
コレ内部の超真空を保つのが超大変で、市販車に載せるなら
アイドリング中も常に真空ポンプ動かしていないといけないし
放置したら軸の潤滑やら粉塵の混入やらで始動できるかどうか。
だから昔から研究されては民生化できずポシャる繰り返し。
そもそも日産の技術じゃないからパテント料が高そう。


なので、次期GT-Rがハイブリッド化されるとしても電気じゃないかなあ。


トヨタは最初からその辺り(民生化ならキャパシタ有望)を理解して
不利を承知の上でルマンへ参戦したような気がします。
民草の幸せ最優先の三河のマジメちゃんお殿様です。



他の要素技術……思いつかない。
1250馬力に耐えるドライブシャフトくらいか?
これ前輪駆動ということはステアもするわけで凄いな。
シトロエンおじさんが草葉の陰で号泣して喜びそうです。
あとなんか等速ジョイントに人生かけたフランス人もいたけど名前忘れた。









ルマンまでに仕上げろ 今度は1250馬力に耐えられるドラシャだ









こりゃまたハデに ハハハ
OKOK 大丈夫ッ フランスにはホントいい軸受メーカーがありますから
そうそう ドイツ製の工作機械も入れたんですよ








まあ1250馬力出してる時はほぼステアしないから関係ねーか

フライブリッド抜きの800馬力でもビックリだけどな







あとは大馬力FFの制御技術くらい?

でもタイヤも路面の摩擦係数も全然違うから参考になるかどうか。



というか「レーシングカーの技術を市販車に生かした」ってのはよく聞くフレーズですが
個人的にはタイヤと走る場所と扱う人が違う時点でもう別分野の機械だと思っています。

レースカーも市販車もほぼ同じタイヤと状況で走ってた大昔ならいざ知らず
特にここ20年はそれぞれの走る状況と事情に合わせて特化が進みましたから
直接的に活かせる要素(=共通要素)がもうほとんど残ってない。
設計も製造も別々の会社がやるようになっちゃった。




もちろん日産は今後

「このマシンで得た技術を次期GT-Rに生かす」

と宣伝するでしょうが、それはちょっと眉に唾で聞いたほうがいいかなーと思います。
一般公道にユーノディエールはないし、市販車にスリックタイヤは採用できません。
もし次期GT-Rが世界一速くなったなら、それはルマンに勝ったからじゃなくて
日本の部品メーカーのおっちゃんがR35のとき以上に頑張ったからです。

そもそも日産もNISMOも直接作ってないのに何を生かそうってんだ(ry




Q. このマシンは好きか?


心から大好き。
背景の小賢しい思惑はともかく
変態独創的なマシンにはロマンがある!


どうせ次期GT-Rなんて買えないし
狂ったマシンが見れりゃ自分はそれでいいのさ(本音)



Posted at 2015/02/17 17:16:22 | コメント(2) | トラックバック(0) | Automobile tech | クルマ
2015年01月30日 イイね!

日産のLMP1マシン考察・狼の皮を被ったチュパカブラ

日産のLMP1マシン考察・狼の皮を被ったチュパカブラ
※このブログはLMP1のレギュレーションに詳しくない人が書いています。レギュに詳しい方はぼちぼちご教授ください。




日産のLMP1マシンが(いろんな意味で)話題ですね。



第240回:日産がルマンの最高峰に復帰!カムバックの舞台裏と気になる参戦マシンの姿を探る | webCG


ニッサンLMP1はこんなイメージか!? CGで予想 - AUTOSPORT
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=9&no=62771




とあるブログに極秘だった日産のLMP1マシンのイラストが載る
でもあまりに醜く絵もパースが崩れて下手だったので誰にも信用されない
「バットモービルかよwwwwワロスwwwww」
「なんだこのノドチ◯コwwwwww」
スパイショットが出てくる。イラストにクリソツ
( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚)
久々のゲテモノマシン具現化にスレ話題沸騰(イマココ)




名前は「NISSAN GT-R NISMO LM」



……


このウナギのどのあたりがGT-Rで、NISMOは何をしたのか……
たぶん日産がお金を出して、NISMOは人と口(仕様)を出して、
ベン・ボウルビーと愉快なレース屋さんたちが作るんでしょう。


それはまあ置いておいて。

やっぱりこういうの出てくると、居ても立ってもいられません。
どういうレイアウトなのか妄想しっぱなしです。

とりあえずスパイショットの写真から
横だけですが簡単なアウトラインを描いてみました。





・後退したキャビン
・もっと後退した着座位置
・高くて長いフロントセクション
・短くてコンパクトなリアセクション
・シャークフィンの先端にエアダクトがない


以上から、フロントエンジンなのは確実でしょう。


それよりも注目すべきはサイドで、現代のルマンマシンで常識的な
フロントデフューザーのサイド抜きの開口部が全くありません。
フロントから入ったエアはラジエーター通過して上に抜けるようです。
ラジエーターグリル(LMP1マシンにコレがあること自体が驚きですが)の下に
フロントデフューザーの導入部が見えますが、ここから入ったエアはどこに……?


で、排気口は給油口の直下っぽい。
2chのスレでは「太陽の照り返しじゃね?」と言われてたけど、
他に排気管っぽいとこ見えないし、たぶんここじゃないかなあ……
フロントエンジンらしく、そそり立ったフロントフェンダーの後端から排気!
みたいなことやってくれると面白いんですが、さすがに危険すぎて無理でしょうね。



そして最も注目すべきはタイヤの太さで、
フロントがやたら太くてリアがやたら細い。



これ……FFなんじゃね?



オートスポーツは「やはりFRか!?」なんて言ってますが
前輪はエンジンで駆動させると考えたほうがいろいろツジツマ合うよね。

全輪で回生と駆動ができるならリアはモーターで低中速域用に割り切れるから、
大パワーで安定性を損ないやすいエンジン駆動輪をわざわざ後輪にする必要はない。
リアタイヤが低中速域用で電動なら細くていいので、デフューザー幅も広く取れる。
フロントはエンジンブレーキも回生も使えてブレーキディスクの負担が減る。



【直線高速域】
全輪駆動。フロントにエンジンあるから直進性は高い
【直線急減速】
フロントはエンブレと回生ブレーキでディスクへの負担を減らす
早めに燃料カットできて回生量も多いから燃費と電費が向上
【コーナー進入】
リアは回生を細かく制御してブレーキステア的に安定性を確保
【コーナー脱出低速域】
リア左右を別々に駆動/回生させてスムーズに脱出加速
【加速中速域】
エンジン/モーター全開で加速
リアタイヤはトラクションが補われて細いタイヤでも高効率




こういう理想的なビーグルダイナミクスができるんじゃない?
リーフのレーシングカーとかZEOD RCで培った電制技術の集大成になるんじゃない?!

机上の空論だっていうのに、オラなんだかすっげえワクワクしてきたぞ!




というわけで、ない頭と乏しい知識を捻ってレイアウトを予想してみました。




はい。

エンジンはパノスにならってフロントミッドに押し込む。
バッテリーは安全なモノコック足元に低く平べったくマウント。
ギアボックスとメインモーターはメンテ交換のしやすいフロントに。
形状に自由度のある燃料タンクは幅の広いリアデフューザーに乗っける。
リアのコンポーネントは必要最小限にしてデフューザー容積を確保。




そして「サイドからエアを抜かない(抜けない?)理由」を考えてみたのですが、
もしかしてあの閉じられたサイドは、エグゾーストと熱回生システムのための
マウントスペースを兼ねた冷却ダクトなんじゃないでしょうか?




こんな感じで。

横から見てる関係上システムがドライバーやらに重なっちゃってますが、
ドライバーより手前側のモノコック外にあると考えてください。


ポルシェ919を見た感じ、どうも熱エネルギー回生システムというのは
エグゾーストに近すぎても遠すぎてもいけないように思えるのですが、
このレイアウトならシステムを理想的な距離にマウントできますし、
回生の形式にも自由度があります。軸流式とか可能かもしれません。
慣性マスも集中できてメンテ交換もしやすい(他の部分と並行して作業できる)。




ただ自分はLMP1の空力レギュレーションに詳しくないので、
ここに導入したエアをどこから排出すべきかについて見当がつきません。
LMP1に詳しい方がいらっしゃいましたらご教授いただければ幸いです。

順当に考えればリアタイヤ付近ですが、この辺のレギュレーションどうだったっけなー。
そもそもここにダクトを通すなら普通にサイドから抜けばいいわけで、うーん。
細くて冷えやすいリアタイヤ前に抜いて、ちょっとでも温めてるとか?









しかし……
もし、万が一、こういうレイアウトだとすると、エンジンは?

直4だとエグゾーストと熱回生システムが1つで済みますが、ターボが付けられない。
NAの直4じゃパワーが足りないし、排気量上げると今度はエンジンベイに収まらない。
V6でもいいけど、熱回生システムが片バンクづつ2つ必要に。
レギュレーション上可能だったっけそれ?


そうなると残りは直6しか……


























……直6じゃあー!!
直6祭りじゃあー!!!
R35GT-Rの宣伝なんか知るか!!!V6なんぞ捨てちまえ!!!
RB26DETTを載せてGT-R復活の狼煙を上げろぉぉおおおおお!!!!









まあ冷静に考えてストレスマウントには剛性足りないし重すぎ長すぎるよね>直6






まさか……


狭角V6で
片バンクは熱回生、もう片バンクはターボ

だったりして?
変態すぎて最高ですね?


とりあえず「狭角V6片バンクターボ片バンク回生」と大穴予想しときます。
狭角V6も点火順序的には直6だから、
GT-Rファンも許してくれるんじゃないでしょうか。

(ここまで書いておいてなんですが、いま読み返した記事によるとV6だそうで)












いやあ


ゲテモノマシンって楽しいね(ニッコリ)



だいたい、50年代のフロントエンジンフォーミュラから見たら
アウトウニオンやロータスだってゲテモノ奇形レイアウトなんですから
現在LMP1で主流の、フォーミュラ近似のミッドシップレイアウトが
10年代後半の回生ハイテクマシンの最適解とは限らないわけで。
あれこれ妄想させてくれるワクワクマシンは最高です。
この一件のおかげで日産がまた好きになりました。
(実際には日産の設計でないとしても……)


このレイアウトが、以降の耐久マシンの姿を革新するか否か!?
期待しつつ注視したいと思います。














でも「GT-R」って、いったい何なんでしょうね。



日産の人は


「GT-Rでルマンに勝つ」


のがこのプロジェクトの目的だと言ってますが、
違う宇宙から来たこのウナギのようなゲテモノは


「GT-Rの技術を生かしたレーシングカー」


というより、どう考えても


「なり振り構わずルマンに勝つ方法を(ベン・ボウルビーが)考えた結果」


でしょう。

「GT-R」はマーケティングの関係上ついた名前でしかない。



キ◯ガイと紙一重の設計者がすごいマシンを作ったけど、
そんなんがルマンでポッと勝っても一銭にもならない。
だから、速い車の代名詞であるGT-Rのバッチを付ける。
そこに、絶賛売り出し中のブランド(NISMO)も付ける。

そうすれば、キチ◯イの作った宇宙生物からGT-R伝説の1ページに昇格です。



日産としてはGT-Rのカタチなんてどうでもいい。
一般人が「GT-R」と聞いて思い浮かべた"それ"が「GT-R」だし、
「GT-R、イコール、速い」というイメージさえあればいい。
もっと具体的には「世界一の高性能車」というフレーズから
「ポルシェ911」じゃなくて「日産GT-R」を思い浮かべてほしい。
全ては、丸目・リアエンジン・フラット6という
即物に縛られたアマガエルポルシェ911を
ブランドの頂点から引きずり下ろすため。



形なんかどうでもいい。
というか別に日産が設計してなくてもいい。
とりあえずGT-Rという名前の車がポルシェに勝てばいい。
これはそういう意図でもって作られたGT-Rだとしか思えない。


わかりやすく言うと、物理を追求してポルシェに勝つために、

GT-Rは即物を捨ててひとつの概念になったとも言えます。


スカイラインという実体を捨てた瞬間、
「GT-R」は鹿目まどかのごとく概念となったのです。
もしかすると「GT-R」というのは、速くて高性能なハコを求める
スポーツカー好きの総意の器とか、そういうものなのかもしれません。



















でも……でも……
でもさ……!










自分にとってGT-Rは
NISMOがつけばNISMO400Rで
LMがつけば「スカイラインじゃない」GT-R LMなんです。


























ルマンに出る「GT-R」は
概念じゃなく、カタチのあるハコで戦って、ポルシェに勝って欲しかった。

「ブランド?ヒストリー?なにそれおいしいの?」
みたいなマーケティング下手な日本のおっさんたちが、
技術と意地でポルシェに勝つ瞬間が見たかった…!

「俺たちの作るクルマが一番正しくて速い」
みたいな顔して澄ましてる
ゲルマンの横っ面を、
とにかく一発はたいてきてほしかった…!!








その機会はもう、永遠に失われたのです。


















さよなら男のロマン。
ようこそ、マーケティングと物理法則の世界へ。



Posted at 2015/01/30 18:23:25 | コメント(5) | トラックバック(0) | Automobile tech | クルマ
2014年10月11日 イイね!

期待に応えて予想を裏切る

期待に応えて予想を裏切る今回のトップ画像は彼女の描いたイラストです。なにこれこわい。










この前記事を書いた名古屋大学学生フォーミュラ部。
3Dプリントサージタンクの詳細が記事になってました。


全日本学生フォーミュラ大会 -
名工大躍進の背景に3Dプリンタの最新技術
http://news.mynavi.jp/articles/2014/09/17/formula12/


材質は昨年はABS樹脂、
今年はULTEM樹脂とのこと。いいなー。
ウルテムの射出成形型は高いので3Dプリンタは便利ですね。

アクセラレーションでは単気筒エンジンマシン中
1位ということで、ターボに勝利!
おめでとうございます。






以前まで、こういう形はどうやって製造するかも
しっかり考えて設計する必要がありました。
設計力もマンパワーもコストもかかる。
設計上の手間や制約も多い。

でも、今は製造のこと何も考えずCAD書いてOK。
なぜならCADのまんま完成品を出力してくれるから。
製造も人件費が少なくて済むから比較的安い。
(大量生産じゃなくて1品作るときの話ね)





ただ……

「誰でも手軽に作れる」

という3Dプリンタ最大のメリットは、同時に

「設計力が無くてもとりあえず作れてしまう」

というクリティカルな問題も抱えています。




3Dプリンタがこれ以上信頼を失わないために
これだけは強く言っておきたいのですが、

3Dプリンタに問題があるんじゃなくて、
3Dプリンタを間違った用途に使用することが問題なんです。


その部分に3Dプリント部品を使用するのは本当に正しいのか?
そもそも、その部分になにか手を加えるのは本当に正しいのか?

イージーに作れてしまうだけに、作る人は最初によく考えるべきです。
その部分がダイレクトに人命に関わるのであれば、特に。

販売者責任を逃れるのは楽ですが、
製造物責任を逃れるのは難しいです。





まあつまり……ヒトコトで言うと……なんというか
技術が進歩してもロクなコトに使わねぇな、っていう。













さて気を取り直して。

2015年のマクラーレンホンダエンジン、写真公開されました。
写真というか、CADから作ったモデリング画像ですね。










うん。ぱっと見、ヘッドカバーとか全然最適化されてません。
これショーモデルで、レースの時はそれ用のヘッドありますよ…ね?

ターボのレイアウトとか大きいところ以外に、
細かいところもあんまりトレンドに従ってませんが、
だだだだだ大丈夫ですよね。しししし信じてますよ。

い、い、いいいい1年以上も開発期間ありましたしね!
さんざん試した結果この方向が有望だったってことですよね!
時間と技術力がなくてメルセデス型ターボがモノにならなかったとか、
回生システムを某技術コンサルに投げたら逆に匙を投げられたとか、
そそそそそそそんなことは……ないですよねー
というかこれカモフラージュ用ですよねー


(;´・ω・)(・ω・`;)ネー


あはははははh……























あかんかもしれんよ、これ……


ホンダF1の
「我々は圧倒的にコンペティティブ」
ってコメント、3期から一貫して盛大なフラグだし。




なんかこのチーム、うまくいってないときは「我々の方向性は正しい」みたいな
コメントするんですが、その逆でうまくいってるときはパタッと黙るんですよ。
その法則に当てはめると今期も全く期待できねー!うおー!!










もちろんエンジンの外見だけで競争力が判断できるわけじゃないですが、
1年以上の後出しジャンケンなだけに、メルセデス並みの革新的なものが
出てくるだろう、出てきてほしいと、わりと期待してたんです。


なのにこんなぐう普通のエンジン出してこられても……反応に困る。
外見からはなんか期待できる要素ないなーって感じです。

※繰り返しますがガワだけ見ての感想です







ホントはこの前、元ホンダF1の人に
「あれマジで大丈夫なんですか?」
って聞いてくる予定だったんですが
突っ込んで聞く時間がなかったので
また今度聞いてきます(超失礼)。












あ、ここんところ鼻炎が酷いので
ポケットティッシュを入れられる
iPhoneケースを設計しました。









3Dプリンタにぶっ込めばいつでも作れます。
iPhone5S対応です。ジーンズのポケットには未対応です。

これで電話するとティッシュボックスを耳に当てて喋ってる残念な人になります。



とぅるるるる ドッピオ<もしもし、ドッピオです







カメラが使えない?

使う気ですか?マジで?












いつだって鼻をかめる。
そう、iTissueならね。








(3Dプリンタの使い方なんてこんなんでいいと思うけどね)



Posted at 2014/10/13 21:50:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | Automobile tech | クルマ
2014年09月27日 イイね!

ハイオクたん

ハイオクたん
誉エンジン見るたびにこれ燃料さえあればとかいう問題じゃないよなあと思うクリストファです。






マクラーレン650Sのアジア向けデチューンモデル、625C


iPhone5から5Sでももう少し変化あったような、なかったような。
650馬力から625馬力なんて気がつく人いないと思いますが
「モンキーモデル」とか言われてバカにされそうですね。
これ買うお金持ちもバッジだけ650Sに交換とかやるんでしょうか。


見栄が第一のアジア向けなら数字は上げたいところですが
マクラーレンがあえてこんな変更しないといけなかったのは
たぶん入手できるガソリンのオクタン価の問題かと思います。



高回転まで回して当然の高性能スポーツカーの場合、
オクタン価の多少はダイレクトに問題になります。
日本のオクタン価は95〜98以上。
アメリカだと90から95、一部98以上。


こうなると例えばNAで高回転まで回すパガーニゾンダなんかは
アメリカでは困ったことになるので、比較的ノック耐性が高い
(調整が効く)ターボエンジンのヒュ…ヒュウァイラァを開発したりします。
1000馬力保証のヴェイロンは高ハイオクだと1024馬力は出るとか。


それ考えると、オクタン価98とか100のハイオクガソリンが
北海道の最果てでも売ってる日本はかなり恵まれてますね。
あそこのレシート面白かったです。




これに対して中国のオクタン価は中途半端で、
90番、93番、97番とかだったりします。よくて98番。
欧州のハイオク(98以上)前提のスーパーカーには辛い環境です。
しかもお国柄、書いてある額面が最も信用ならないわけで。

でもお金はいっぱいあるからメーカーだって売りたい。

というわけで、パワーを落としてでも売るということになります。
道路事情に合わせてサスも再セッティングされているそうなので
低価格化のためのデチューンというより、ローカライズですね。
むしろ素直に公表してるだけマクラーレンは生真面目です。






国ごとのオクタン価についてもう少し。

欧米石油資本ががっつり入ってるだけ中国はまだいいほうで
国産のいい加減な製油所から供給している、いわゆる第三世界の国の
オクタン価はもっとひどい。オクタン価80前半とか。戦争末期の日本かよ!

なので高性能低燃費エンジンを積んだ日本車や
直噴のドイツ車にとってはきつい輸入障壁になっています。
グローバルな商売は大変です。








しかし、オクタン価98でOK、97じゃ厳しいって
650Sってどんだけカリカリチューンなんでしょうね…


あ、いま気がついたんですが
「カリカリチューン」の「カリカリ」って
ノッキング上等セットのカリカリ音のことなんですね。


圧縮比上げるチューニングと共に死語になりつつある。



Posted at 2014/09/27 21:52:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | Automobile tech | クルマ

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