〈開発者インタビュー〉スズキ MRワゴン 商品第1カーラインチーフエンジニア 大西 伊知郎氏
2011年1月28日 9時43分
スズキが20日に全面改良し発売した新型軽自動車「MRワゴン」。3代目となる今回は16年ぶりに新開発した軽自動車用エンジンを搭載。先代モデルに比べ30キログラムもの軽量化を図るなどし、省燃費化を図った。操作にスマートフォンの感覚を取り入れた「タッチパネルオーディオ」を採用するなど新たな試みも行った。メーンターゲットの20代の若年層を積極的に取り込むことで、将来に向けスズキユーザーを増やしていく考えだ。
―開発のコンセプトやターゲットは
「広い室内空間を持ちながら低燃費で、個性的なデザインを持つ軽ワゴンを目指した。20代の男女ユーザーを新型車で獲得したい。企画立案時に年代別シェアで20代が非常に少なかった。この層を増やしていかないと先細りになってしまう。スズキとして20代をメーンターゲットに据えたモデルは近年ない。今の若者の特徴は金銭感覚がシビアで、良いものであればブランドにこだわらず、個性を上手く表現する。言い換えればクルマへの見方が非常に厳しい。このため、当社の若手社員の意見を積極的に取り入れた」
―軽用エンジンを16年ぶりに刷新した
「3年半かけて開発に当たってきた。今までのエンジンとは共通部品が一つもない。全て一から見直し設計した。ポンピングロスの低減や燃焼効率を改善した。今まで吸気のみに可変バルブタイミング機構を使っていたが、排気側にも採用を拡大した。また、軽自動車では初めて、直径10ミリメートルの小型スパークプラグを採用した。ウォータージャケットをきめ細かく配置でき、燃焼室の温度を下げられ、ノッキングも低減した。これらにより、大幅に燃費性能を高められた」
―特殊なスパークプラグだが補修部品の供給体制は
「発売に合わせディーラーにも交換部品を用意している。また、共同開発した部品メーカーも補修部品として、市場に供給していただけるとのことだ。通常のメンテナンスには問題ないと思う」
―軽量化の取り組みは
「標準車で30キログラム軽量化した。高張力鋼板の使用率を高め、ボディーで15キログラム、足回りで11キログラム、内装で6キログラム程度軽くできた。新エンジンも従来型に比べ1・5~4・5キログラム軽量コンパクト化したことも貢献した。CVT(無段変速機)の採用で若干重くなった部分もあるが、1部品1グラム削り取ろうと少しずつ積み上げてきた成果だ」
―安全面での配慮は
「緊急時にブレーキ操作を優先するブレーキオーバーライドシステムをスズキの軽では初めて搭載した。衝突時も歩行者の頭部保護に加え、脚部も保護できるよう形状や設計を取り入れた」
―快適性を高める工夫は
「新エンジン搭載に合わせたプラットホームの改良で、ホイールベースを延長した。また、Aピラーの角度を起こしたことで、従来型に比べルーフも220ミリメートル拡大した。後席シートをスライドすることで、室内長も180ミリメートル伸ばせた。これらの取り組みで、広い室内空間を実現することができた」
(木村 優)
〈プロフィル〉大西伊知郎氏(おおにし・いちろう) 1983年入社。車体設計部でトラックやバン、SUVなどを担当。03年アシスタントチーフエンジニアに昇格。06年現職に就任。60年大阪府生まれ。
(記事引用ゴメンナサイ)
(↑「マツダ・シークレットハイドアウト(2001)」)
<マツダウェブサイト/東京モーターショー2001マツダブース/シークレットハイドアウト>
http://www.mazda.co.jp/philosophy/backnumber/motorshow/2001/norm/concept/hideout/index.html
<ガズー/日刊自動車新聞/〈開発者インタビュー〉スズキ MRワゴン 商品第1カーラインチーフエンジニア 大西 伊知郎氏>
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2011/01/28 12:24:10