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考察①で、棒体に圧縮力が加わると座屈するという話をしました。
では、ストラットタワーバーに圧縮力が加わったらどうなるでしょうか？

おそらく、もっと悲惨な状態になるでしょう。（＾＾；）
なにせ、棒体の軸線と同一線上に力を加えただけで座屈するのです。
タワーバーのように、作用点と棒体の軸が同一線上にない構造体では、
あっけなく座屈してしまいます。

さらに、STIのフレキシブルタワーバーでは、真ん中がリンクボールで曲がるようにできています。
これはもう座屈うんぬんの前に、ここからポキっと折れ曲がります。
普通のタワーバーの方が、まだ弾性力によって座屈を押し返そうとする作用が働くでしょう。

ただ、STIがこんな商品を出してきたと言うことは、最初からタワーバーにツッパリ棒としての役割は期待してないわけですよ。

では、タワーバーはどのように効果を発揮するのか？
③へ続きます。

お手軽ボディー補強メニューとして人気のストラットタワーバーですが、
実際どのように作用して、効果を発揮しているんでしょうか？
ネットで情報を探しても、なかなか詳しい解説はありません。
そこで、素人なりに考えてみました。

ます、一番想像しやすいであろう、内側に倒れこむストラットタワーを支える『ツッパリ棒』的な効果。
これは全く無いと思います。
高校物理で習ったかと思いますが、棒体に圧縮力を加えると簡単に座屈を起こすからです。
単純な断面形状の棒体を構造物に使用する時は、かならず引っ張り応力がかかるようにします。

一番身近なのが、自転車のスポークでしょう。
あれは、軸より下側のスポークが突っ張って車重を支えているのではなく、
軸より上のスポークがリムからぶら下がるような形で、上に引っ張り上げているのです。
その証拠に、スポークとハブの連結部は、ハブに開いた穴にスポークを刺し、抜けないように先端を曲げてあるだけで、固定されていません。
当然、下側にきたスポークは若干緩みます。
ですが、初期張力があるので、抜けたり座屈することはありません。


では、ストラットタワーバーに圧縮応力が掛かるとどうなるでしょう。

②へ続く。