逆空間,またの名を逆格子空間....
通常の三次元ユークリッド空間がx,y,zが基底なのに対して,三次元逆ユークリッド空間は1/x, 1/y, 1/zが基底になる.材料をやる人間の基本中の基本だったりするのです.なんでって,結晶性材料は原子が規則性をもって並んでいるから性質が現れるので,1/xつまり周波数(周期性)で議論したほうが話がしやすい.
しかも面白いことに結晶構造を観察する手法は概ね「回折」という現象が使われて,これで材料を見ると実際に逆空間が見えるのです.だから材料屋は逆空間で会話をする.
んで,材料を志す人間がまず躓くのがこの逆空間.そりゃそうですよね.なにしろ普通の目で見える空間を逆数で理解しろって言っているわけですから.これが直感的に理解できるようにならないと仕事にならんわけです.が,人間不思議なものでこういう非直感的な?概念も慣れると理解できるようになるわけです.
さて...昨年私も会社の中で異動しまして,生産技術から商品開発部門へ.製造業は必ず商品を開発して,それを生産するわけで,この二部門は絶対必要なわけです.もちろん,企画とは営業とかほかにも色々ありますけどね.相手の気持ちを理解しろってので里子に出されたのだと思うのですが...ここ一年,正直商品部門のかなりの言語が理解できずに苦労したわけです.
んで...あぁ...この「逆空間」じゃないかと.生産条件空間の中に製品品質をマッピングして理解する生産技術屋と,製品品質空間の中に生産条件をマッピングして理解している商品開発屋.そう考えると発言が理解できる...
そして私はやはり生産技術屋なので直感的には生産条件のマップを書いてしまうので,商品開発の人の発言はさながら逆空間の中の発言でめっちゃ理解しづらい...というのが最近突如気付きました.頭の中で見えている絵が違うんだからそりゃわかりづらい.
さて...わからない理由は分かったんですがじゃぁできるようになるかはまた次のステップ...
Posted at 2018/08/21 21:55:06 | |
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