2011年03月31日
金融庁がJ-SOX対応のQ&Aを3度目の変更、事例集も公表(ITPro)
金融庁は2011年3月31日、「内部統制報告制度に関するQ&A(追加分)」と「内部統制報告制度に関する事例集」を公表した。いずれも企業のJ-SOX(内部統制報告制度)対応を支援する文書だ。
Q&Aは07年10月に公開した文書を変更したもので、新たに2問を追加、8問を削除して計85問とした。事例集は中堅・中小企業のJ-SOX対応の効率化支援を目的としている。
Q&Aで追加した2問は「財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等」の範囲(問85)と、海外にある持分法適用会社などの内部統制の評価(問86)だ。
問85に対しては「財務諸表に記載された金額、数値、注記を要約、抜粋、分解または利用して記載すべき開示事項」といった例を挙げている。
問86に対しては「持分法適用会社である在外関連会社は評価範囲を決定する際の対象に含まれる」としたうえで「所在地国に適切な内部統制報告制度がある場合には、当該制度を適宜活用することが可能である」などとしている。
金融庁がQ&Aを変更するのは、08年6月、09年4月に続いて3度目(関連記事:「重要な欠陥」の判断などに重点、金融庁がJ-SOX Q&A集2度目の追加 )。
これまでは設問の追加のみだったが、今回初めて設問を削除した。削除した設問は「重要な欠陥の判断指針(連結税引前利益)」「経営者評価におけるサンプルの利用」など8問である
削除した設問は3月30日に公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂に関する意見書」において、表現などが変更されたものが中心となる。
意見書は、J-SOX対応における企業の負担軽減を目指して、従来の「基準」と「実施基準」を簡素化・明確化したものだ。事例集は「意見書」において、J-SOXの簡素化・明確化策の一つに位置づけられていた。
掲載しているのは、事前に公募した企業の21事例。(1)全社的な内部統制(2事例)、(2)決算・財務報告プロセスに係る内部統制(3事例)、(3)業務処理統制に係る内部統制(10事例)、(4)ITを利用した内部統制(3事例)、(5)評価範囲の制約(1事例)、(6)内部統制の記録及び保存(2事例)の6テーマに分類して紹介している。
(4)のITを利用した内部統制として掲載している事例は、「IT統制の本社(親会社)への集中」「ITを利用した内部統制の整備状況評価におけるチェック・リストの活用」「ITに係る業務処理統制の評価」である。
「チェック・リストの活用」では、チェックリストを監査人と協議のうえ利用した企業の事例を紹介するとともに、全社的な内部統制とIT全般統制の整備・運用状況を確認するためのチェックリストを公表している。
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企業会計(内部統制) | 日記
Posted at
2011/04/01 12:21:22
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