普段なにげなく使っているワイパーも、じつはなかなか奥深い

2022年5月31日

ワイパー ワイパー交換

普段なにげなく使っているワイパーですが、じつはワイパーを調べていくとなかなか奥深いものです。ワイパーの歴史やトリビアをまじえながら、市販されているワイパーの種類についておとどけします。

ワイパーはアメリカ人女性が発明した

ワイパーの歴史には諸説がありますが、ゴムパーツで水を払拭するというワイパーは1903年にアメリカ人女性のメアリー・アンダーソンが発明し、特許を取得したと言われています。

1903年というとフォードが最初のクルマであるモデルAを発売した年です。しかし、このモデルAにはウインドウはついていないのです。

1908年に登場したフォードの大ヒットモデルであるモデルT(T型フォード)において、初めてワイパーが採用されたという話もあるのですが、画像を確認してもワイパーらしきものを確認することできなかったので、もしかたらオプションだったのかも知れません。

ワイパーの基本特許は1903年にアメリカで取得されたわけですが、その5年後となる1908年には手動式ワイパーの特許が取得されます。

電動ワイパーの特許はボッシュによって1926年に取得されます。つまり、電動ワイパーは生まれてまだ100年経っていないということになります。

ワイパーはフロントウインドウだけではない

ワイパー

約100年ほどフロントウインドウにはワイパーが装備されているわけですが、リヤウインドウのワイパーはそんなに長い歴史はありません。

リヤウインドウにワイパーが装着されたのは1970年代なのでリヤウインドウのワイパーはフロントワイパーの半分の歴史しかありません。

同じ時期にメルセデス・ベンツはSクラスのヘッドライトにワイパーを装着します。

1980年に登場した日産レパードはフェンダーミラーにワイパーを装着します。

1988年にデビューしたマークII3兄弟にはサイドウインドウワイパーが装着されます。

この時代、アウターミラーはドアミラーになったので、サイドウインドウの水滴を除去してドアミラーを見やすくするものだったのですが、ドアミラーそのものの水滴は除去できないものだったので、視界の確保としては中途半端なものとなってしまいました。

カートレース用のヘルメットには走行風を受けて回転するワイパーが取り付けられたものもありました。現在もヘルメットに装着するワイパーは販売されています。

ワイパーは用途、形状、材質で分類できる

ワイパーはまず用途によって分類できます。

用途って何? と思う人も多いかも知れませんが、ワイパーには雨用と雪用があります。雨用ワイパーというのは新車を買ったときに装着されているワイパーです。

雨用ワイパーは金属の骨部分がむき出しになっているものなどもあり、そうした部分に雪がたまるとワイパーをガラスに押しつける力が弱くなってしまうので、全体がゴムで覆われています。

最近は雨用ワイパーでも、金属部分が露出していないものもありますが、雪用ワイパーは払拭ゴムを柔らかくするなどの工夫が施されています。

次に形状です。もっともリーズナブルなタイプは昔からある金属部分がむき出しのものです。

この金属部分を樹脂などでカバーしたものが、デザインワイパーやエアロワイパーの名前で呼ばれます。

フラットタイプと呼ばれるものもあります。これはワイパーそのものが長細いゴムべらのようになっているタイプです。

材質という面で見ると、グラファイトワイパーと言われるものとはっ水ワイパーと言われるものに分類されます。

グラファイトワイパーは一般的なワイパーで払拭ゴムにグラファイトという物質を塗ったタイプでガラス上でゴムの動きがスムーズになります。

はっ水ワイパーは、ワイパー自体にはっ水コート剤が含まれていてワイパーを使うことではっ水コート剤がガラスに塗りつけられる効果があります。

雨が降っているときに使うことでコート剤が塗られるもの、乾いているときにワイパーを作動させることでより強力にコート剤が塗られるものなどがあります。

ワイパーを交換するときはアームよりも先の部分(ワイパー全体)を交換する方法と、払拭ゴムを交換する方法があります。

ワイパー全体交換する場合は、ほとんどのものが自分で交換できます。

払拭ゴムの交換はフラットタイプの一部を除いて自分で行うことができます。一部のフラットタイプは払拭ゴムの交換不可となっているのです。

ワイパーメーカーのホームページを見ると、交換用パーツの適合表がありますので、そこに掲載されていれば自分で交換が可能。一般販売されているワイパーの外箱には交換方法が記載されています。

自動車メーカー純正品の場合は、ディーラーメカニックなどが交換することを前提としているので、交換方法は記載されていませんが、ワイパーメーカーのホームページなどで交換方法を確認することができます。

とはいえ、自動車メーカー純正品は高価です。自動車メーカー純正といっても製造しているのはワイパーメーカーですから、ワイパーメーカーの製品を買うほうがかしこいといえるでしょう。

払拭ゴムだけを交換しても拭き残しやスジが残る場合は、本体のバネ効果などが低下しているので、全体交換をすることをおすすめします。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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