タイヤの模様はなんのため? パターンに秘められた性能

2018年9月27日

車のタイヤ

タイヤの表面を見るとさまざまな模様が配置されています。この模様のことをトレッドパターンと呼びます。トレッドパターンは、タイヤの表面に刻まれたさまざまな溝で構成されています。この溝の刻み方によってタイヤの性格がガラリと変わります。単なる模様ではなく、ちゃんと意味がある機能的な溝なのです。今回はタイヤのトレッドパターンについて解説していきます。

昔のタイヤは単純なパターンだったけど……

検索エンジンで「タイヤ パターン 種類」と検索すると、リブ型、ラグ型、リブラグ型、ブロック型という4種類のパターンが紹介されています。不思議なことにどのタイヤメーカーでも同じように紹介されているので、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のものを各社使っているのでしょう。JATMAのホームページ上にも同じ説明があります。

しかし、現在はそんな単純なパターンを使っているタイヤはまずみかけません。こうしたトレッドパターンは軽自動車や農耕用車両や荷車に使われる程度となっています。

現在の乗用車用タイヤのトレッドパターンはストレートグルーブを基本に、さまざまなパターンを組み合わせたデザインが採用されています。ストレートグルーブというのはタイヤの円周上に配置される真っ直ぐな溝のことです。ストレートグルーブの大きな役割は、雨天時の排水性です。ウエット路面ではタイヤは路面にある水膜を除去しながら、トレッド面と路面が接触してグリップを生みます。タイヤが回転することで後ろ方向に水を除去するのですが、その際に重要なのがストレートグルーブです。

しかしストレートグルーブだけでは、水膜の除去は不十分ですから、横方向の溝も追加されています。縦方向の溝(ストレートグルーブ)に横方向の溝が組み合わされることにより、結果的にトレッドパターンはブロックパターンのようなデザインとなっています。よく見るとこのブロックは少しずつ異なった大きさをしています。大きさが同じだと共振しやすくなり、特定の速度で大きなノイズを発生するようなこともあるためです。

スタッドレスタイヤにある細かい溝って何のため?

冬の車のタイヤ

スタッドレスタイヤには、細い溝がたくさん刻まれています。この溝はサイプと呼ばれています。サイプはスタッドレスタイヤには欠かせないものとなっています。サイプの役目はいくつかありますが、そのなかで大きなものがエッジ効果と言われるものです。エッジ効果というのはトレッド面のサイプの角が路面の氷をひっかきグリップすることです。アイスバーンでタイヤが滑るのは、タイヤと路面の間に存在するミクロの水膜が原因ですが、サイプはその水膜の水を吸い上げて排除する機能も持っています。

ストレートグルーブのないタイヤも見かけるのですが?

たとえば横浜ゴムの「アドバンA050」、「アドバンA048」などはストレートグルーブがないタイヤです。トレッドを見るとすべての部分がどこかでつながっていて、ブロックの数としては1つになるという特徴があります。こうしたタイヤはサーキットやジムカーナなどで路面が乾いている状態で使う特殊用途のタイヤです。一応、公道走行はできますが、突然の天候の悪化などに対応できないので、公道で使うことはおすすめできません。


(諸星陽一)

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