【ホイールの特徴】スチールか、アルミか、その他か

2020年6月3日

ホイール 違い

クルマのホイールに使われている材料はスチール(鉄)、もしくはアルミです。そのほかの材料も使われることがありますが、ほとんどこの2種類と考えていいでしょう。それぞれの特徴と、この2種の材料以外のホイールの特徴も紹介します。

耐久のスチール、軽量のアルミ

鉄(スチール)ホイールの最大の特徴は製造に手間が掛からずコストが安いことです。

鉄ホイールの場合は、鋼板からプレスし、その後仕上げるという方法で製造できますが、アルミホイールの場合は溶かした材料を型に流し入れる鋳造が基本で、さらに強固なものを製造する場合は鋳造後の材料を鍛造する必要があります。

材料の価格も鉄の方が安く、通常は鉄ホイールのほうが安く作ることができます。

スチールホイール



一方、アルミホイールは製造コストが掛かるものの、デザインの自由度が高く、軽量化にも向いています。

(アルミホイールであればすべて軽量というわけではありません)ホイールは回転する部分であり、 “ばね下重量”にも大きく影響するパーツなので、

軽くすることができればクルマの運動性能にも大きく影響を及ぼします。ただし、アルミホイールは衝撃を受けたときに変形を通り越して削れたり割れたりすることもあり、耐久性では鉄のほうが有利といえます。

アルミ

アロイホイールの謎

アロイとは合金という意味です。

一般的にアロイホイールと表記されている場合は、日本でいうアルミホイールと同じタイプと考えていいでしょう。アルミにしても鉄にしても、純粋な物質として使われることはまれで、ほとんどの場合は合金にして使用します。しかし、おそらくですが製造された国によっては、その国の規格で合金の場合は合金、つまり「アロイ」と表現しなくてはならず、カタログではそのまま掲載。メディアでもカタログ情報を元に諸元表や装備表を作成するので「アロイ」と表記されるのでしょう。

新素材ホイールという選択肢

最近増えつつあるのがジュラルミンホイールと言われるものです。

ジュラルミンはアルミ合金の一種ですので、大きなくくりとしてはアルミホイールと言えます。ジュラルミンは通常のアルミよりも強度や剛性が高いので、ホイールの各部を細くしたり薄くしたりすることが可能で、同じ強度のものを軽量化して製造することができます。


昔から高級ホイールの代名詞とされるのが「マグネシウムホイール」です。

マグネシウムはアルミよりもずっと軽い金属なので、かなり軽いホイールを作ることができますが、腐食しやすいなどの弱点あります。このため、高級なスポーツカーなどで使われる場合がほとんどです。また、アルミホイールなどよりも頻繁にホイールの状態を点検することが必要です。


新しい素材として注目されているのがカーボンファイバーを使ったものです。

まだまだ採用例は少ないのですが、すでにポルシェはカーボンを使ったホイールを採用しています。最大の利点は軽さで、標準のアルミホイール(といってもポルシェ用ですから十分に軽量化されたものです)よりも20%の軽量化を実現しています。ただし価格も高く、ホイールのみで180万円強と言われています。

カーボン

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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