駆動方式って何? 超基本だけど意外と勘違いも多かったりします

2018年10月4日

車の駆動方式

駆動方式と単純に言った場合は、どの車輪を駆動するかということになります。つまり、前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動などがそれに当たりますが、普通はエンジンなどのパワーユニットがどこに搭載されていてどの車輪を駆動するか? を示すものです。FRと言えばフロントエンジン・リヤドライブといったように、パワーユニット搭載位置が前、駆動輪が後ろに置かれた英文字で表されることが多いのです。

駆動輪と操舵輪を分けるのが後輪駆動の基本思想

一般的な自転車はペダルを漕ぐと後輪に力が伝わり前に進みます。つまり後輪駆動です。舵取り装置は前輪でハンドルを切ると自転車も曲がって行きます。これと同じように後輪に駆動、前輪に舵取りとしたものが後輪駆動です。さらに後輪駆動にはエンジンの配置によって、前輪軸よりも前にエンジンを置くFR、後輪軸よりも後ろに置くRR、前輪軸と後輪軸の間に配置するミッドシップに細分化されます。

この場合エンジン全体ではなく、エンジンの重心点がどこにあるかで判断されることが多いですし、ミッションまでを含んだパワープラント一体の重心点で考えられることもあります。とくにミッドシップの場合はエンジン全体を車軸間に入れるのは難しいため重心点で語られます。ミッドシップのうち、フロント側にエンジンを積むものをフロントミッドシップ、リヤ側に積むものをリヤミッドシップと言います。ワンボックスカーやトラックなども車軸間にエンジンがありますが、それらは運転席の下にあるためキャブオーバーと呼ばれます。

後輪駆動の最大の利点は駆動輪と操舵輪を分けられることです。駆動輪は駆動のみ、操舵輪は操舵のみというようにすることで単純な構造にすることができます。またFRの場合は重量配分的にも前後を50対50にしやすいなどのメリットがあります。トラックなどの大型車の場合は、後輪駆動とすることでトラクションを得やすくなりますが、トレーラーはフロントで引っ張るような形になりますので、全否定しなくてもいいでしょう。

ミッドシップとRRは今や珍しい駆動方式

ミッドシップは前後車軸間にエンジンを置く方式ですから、フロント側でも可能です。小さなエンジンを前輪車軸より後ろに積めば、フロントミッドシップとなります。T型フォードの様なクラシックカーは前輪車軸が前にあるので、実質上のフロントミッドシップです。しかし一般的なミッドシップといえば、リヤ側にエンジンを積むミッドシップです。重量物が中心にあるので、安定した走行が可能ですが、一端安定を損なうと一気に破綻します。たとえばスピンにしても、FRよりもミッドシップのほうが急で激しいものとなります。フィギアスケートのスピンで、腕を縮めると回転速度が速くなるのと同じで、重量物が中心に集まればスピン時の回転速度は速くなるのです。

RRはポルシェに代表されるモデルに採用されています。リヤにエンジンやミッションのすべてを積んで後輪を駆動します。FRと同じく、駆動は後輪、操舵は前輪と分けられるので、ハンドリングは素直になります。ただし、重心が後ろにあるので、コーナリング時にリヤタイヤが外側に滑っていくオーバーステアとなりやすい特性となります。後輪にエンジンやミッションの重さがかかるため加速は有利です。ブレーキング時は荷重がフロントに移動するので理想的重量配分になり、強い制動力が得られます。

スペース効率を追求し主流となったFF

車のタイヤの様子

FFの最大のメリットはスペース効率の高さです。フロント部分に機能的な部分のほとんどを詰め込んでしまっているのため、客室や荷室を広く取ることができます。ただし、駆動輪と操舵輪が同じ前輪になるので、前輪の負担は大きなものとなります。初期のFFはさまざまなネガティブな部分がありましたが、現在では多くの問題は解決され中型以下のクルマでは主流の駆動方式となっています。


(諸星陽一)

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