最近のスタッドレスの効果とその選び方

2018年11月22日

タイヤ

まだまだ秋だからと思っていても、冬は確実に北から攻めてきています。クルマの冬支度で忘れてはならないのがスタッドレスタイヤの存在です。猛暑だった年の冬は大雪が降りやすいという傾向もあります。今までスタッドレスタイヤを履いたことがない人も、今年はスタッドレスタイヤデビューしてみてはいかがでしょうか?

チェーン装着の手間がいらずにしっかりグリップ

スタッドレスタイヤの進化はめざましく、今やほとんどの路面でチェーンを使わなくても走行できるほどの性能を有しています。こうした性能を可能にしているのは、各タイヤメーカーと自動車メーカーの絶え間ない努力のたまものです。でもどうして、スタッドレスタイヤは、アイスバーンでもグリップするのでしょうか?

アイスバーンでなぜグリップするのか? を理解するにはアイスバーンでなぜ滑るのか? がわかれば理解できます。アイスバーンでタイヤが滑るのは、氷上とタイヤの間に水膜が発生するからなのです。北極圏の冬などの極寒の地では、氷が解けにくく水膜も発生しづらいので、サマータイヤでも十分にグリップしてしまいます。

しかし日本レベルの低温では北海道であっても水膜が発生してしまい、そのためにグリップが落ちてしまいます。そこでスタッドレスタイヤではさまざまな手法でその水膜を除去し、氷とタイヤが直接接触するようにして、グリップを発生させているのです。その技術が進化したのが日本のスタッドレスタイヤなのです。

水膜除去のポイントはトレッド表面

雪の上のタイヤ

各社ともに水膜を除去するためにさまざまな技術を投入しています。ひとつは、ミクロレベルで表面に発生している気泡です。この気泡部分が氷上にある水膜を吸い取って除去、トレッドと氷上面を直接グリップさせます。気泡の作り方にさまざまな手法があり、ひとつはスポンジのように最初から気泡が存在するもの。もうひとつがコンパウンド(トレッドのゴム)内にさまざまな異物を混入させ、その異物が取れた際に発生する穴を利用するものなどがあります。

また、スタッドレスタイヤにとって欠かせないのがサイプと呼ばれる非常に細い切れ込みです。基本的には横方向に刻まれているサイプですが、このサイプも水分を吸い込んで除去する能力を有しています。また、サイプはその中に雪を押し込んで圧縮することでグリップする部分も担当します。スタッドレスタイヤの開発が難しいのは、氷上、新雪、圧雪、シャーベットなど性質の異なる路面のすべてでグリップしないとならないからです。

自分の使うシチュエーションに合わせたモデルを

雪道を走る車

スタッドレスタイヤにもさまざまな種類があります。自分が使う路面がどんな路面なのか? は非常に大切なことです。たとえば北海道の都市部のように、昼間に圧雪が解けて、それが夜の間に再凍結し、さらに道を走るクルマによって磨かれたブラックアイスバーンと呼ばれるような、カチカチツルツルの路面で使うなら、氷上性能が高いものを選ぶのは必須です。しかし、東京の都市部でしか使わないなら、さほど氷上性能が高いものは必要ありません。ただ、坂の多い地域では路面が磨かれてしまっていることも多いので、氷上性能が高いものがいいでしょう。

自分でさまざまなタイヤを試乗して試せればそれが一番ですが、それは現実的ではありません。ネットなどで情報を集めるときはさまざまなタイヤの評価を行っている評論家の記事を参考にするのがいいでしょう。自分で購入したものについて、否定的な評価をすることは難しく、どうしてもバイアスが働いてしまいます。また、提供を受けているタイヤなども厳しい評価しづらいものですから、やはり普段からタイヤの評価を行っている方のほうが信頼ができます。また、数量を売っているタイヤショップで、どのタイヤのリピーターが多いかを聞いてみるのもいい手です。


(諸星陽一)

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