車両価格の内訳ってどうなっているの?

2018年12月21日

画像1

何でもそうですが仕入れの原価ってわからないものですよね。とくにクルマのように大きく値引きされるものは一体どれくらいの価格で仕入れられているのかがまったくわかりません。はっきりした数字までを追いかけることはできませんでしたが、わかった範囲でお伝えします。

おおむね4分の1がディーラーの取り分

クルマの製造原価は車両販売価格の半分と言われています。ただし販売価格の高いクルマほど製造原価の割合は低く、安いクルマほど割合は高くなる。つまり売価が安いクルマほど原価の割合が高いと言われています。

たとえば200万円のクルマがあったとして、その製造原価は100万円になり。50万円がメーカーの儲け、50万円がディーラーの儲けということになります。ディーラーはこの儲けのなかから、人件費をはじめとしたさまざまなコストを支払うわけです。

しかしディーラーは定価でクルマを売ることはほとんどありません。いくらかの割引きを行って売っています。どうしてそのようなことができるのでしょうか? これにはちょっとしたカラクリがあります。

ディーラーは1台いくらの売上はあまり重視していない

ショールーム

たとえば200万円のクルマを10台売って、それぞれ10万円値引きしたら、儲けが100万円減ってしまいます。それじゃあ、あんまりですよね。ところが値引きして売っても儲けが減らないシステムが存在します。それが報奨金、リベート、キックバックと言われるシステムです。1台売っても報奨金はゼロ、でも10台売れば報奨金が105万円だとしたら、1台につき10万円引いて10台売ったほうが全体の儲けは5万円上回ることになります。

報奨金が生み出す大幅値引きと新古車

3月などの決算期はクルマの値引きが大きくなるという話を聞いたことがある人も多いことでしょう。どうして3月に値引き幅が大きくなるかといえば、この報奨金が絡んできます。報奨金は1台ごとに価格が決められていることもありますが、台数が増えるたびにその額が大きくなることも多いと言われています。たとえば1台目は1万円、2台目は1万5000円、3台目は2万円というようにスライドしていくシステムだと、1台でも多く売ったほうが儲けがドンと大きくなります。また、何台売ればいくらというシステムでは“あと何台”というようなことがおきます。そのため決算期は台数を伸ばしたいので値引きが大きくなるのです。

値引きをしても台数が稼げないときは、ディーラーが自分の会社名義でクルマを買って登録してしまいます。こうすることで報奨金を受け取るのです。自社登録したクルマはその後、登録済み未使用車、いわゆる新古車として売られます。軽自動車は報奨金が大きいのと、個人経営のモータースなどで扱っていることが多いことで新古車が多く存在しているのです。


(諸星陽一)

乗るに戻る

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

注目タグ

みんカラ+新登場

カーライフビューティーラボ

ニュース