欧州車のフロントデザインはなぜ同じなのか?マツダも実践しているブランディングの重要性とは

2019年12月4日

フロントデザイン

BMWのキドニーグリルに代表されるように、欧州車はフロント周りのデザインを統一していることが多くみられます。最近はマツダ車が五角形のグリルを使ったり、レクサスがスピンドルグリルと言われる糸巻きをモチーフにしたグリルデザインを採用するなど、国産車のなかにも統一デザインが広がってきています。なぜ欧州を中心としてこうしたデザインが採用されるのでしょうか?

多くは文化の違い

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欧州車がメーカーごとに特徴あるフロントデザインを採用するひとつの理由に、「ブランドを象徴するデザインとしたい」というものがあります。BMWの場合はBMWらしいものとすることをよしとするのです。セダンらしいデザインよりもBMWらしいデザインであることのほうが重要だと考えるわけです。これはある意味、文化の違いでもあります。

たとえば、日本では「スカイラン」に乗っていることが主張で、欧州では「BMW」に乗っていることが主張になる……そんな事のひとつなのでしょう。日本でもクルマのデザインに歴史的な意味を持たせることはあります。スカイランならサーフィンラインと言われるサイドのプレスラインであったり、(一時途絶えましたが)丸形のテールランプだったりします。

日本車でも統一デザインが進むのはなぜ?

マツダやレクサスなど、日本のクルマも統一されたフロントデザインを採用するケースが出てきました。マツダはモーターショーの展示車両やイメージ画像にはソウルレッドのクルマのみを使うなどして、さらに統一感を持たせる手法を採っています。こうしたブランドの場合は、世界統一で同じイメージでブランド価値を高めようという考え方があります。

オーナーが宣伝マン

クルマのデザインに統一性があり、そうしたクルマが数多く街中を走るようになると、そのクルマのブランドの認知度が高まります。一目見てBMWだ、メルセデス・ベンツだ、マツダだ、とわかることはそのブランドを展開している側にとってはとてもいいことなのです。

つまり、言ってみればオーナーが宣伝マンをしているようなものです。クルマのサイドに大きく会社名のステッカーを貼るのと同じで、顔付きでそのブランドを宣伝しているということになります。新型車で新しい車名が付けられた場合などは、エンブレムを大きくするなどのこともあります。

認知度を高める効果はありますが、逆にどのクルマを見ても同じ、というようなことも起きるだけにその分岐点は難しくもあります。とくに新しいもの好きの人にはこうした展開は逆効果に現れます。普遍的で歴史的なものを求める人と、とにかく新しいものを求める人では感じ方も大きく異なります。


(諸星陽一)

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