トラックからスタートし独自路線を築いた三菱 デリカ

2019年1月25日

ワンボックス

先日、ビッグマイナーチェンジを果たし、スタイリングを大幅に変更した三菱 デリカは50年もの歴史を持つロングセラーモデルです。はじめはトラックでスタートしたデリカですが、その進化の過程で独自の方向を持つに至りました。世界でも珍しい存在であるクロスカントリー・ミニバンの世界を覗いてみましょう。

トラックからスタートし初のワンボックス4WDに進化

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初代デリカは1968年に登場します。最初のデリカはトラックでした。トラックと言っても大きなものではなく積載量も600kgと小さいものでした。翌1969年、そのトラックをベースとしてワンボックスタイプの商用車であるデリカライトバンとデリカルートバン、そして乗用モデルであるデリカコーチが発売されます。現在のデリカのポジションを考えればこのデリカコーチがデリカの直接の先祖だと考えていいでしょう。

ところがこのデリカコーチは1975年にいったん廃止されます。この年から排出ガス規制が非常に厳しくなっていますので、それが原因と考えて間違いないでしょう。50年排ガス規制は定員10名以下の乗用車(つまり普通自動車免許で運転可能な乗用車)を対象としていました。

デリカの乗用モデルが復活するのはフルモデルチェンジを迎えた1979年のことです。この年、2代目となったデリカに設定されたのがデリカスターワゴンの初代となります。そして1982年にワンボックスタイプのクルマとしては初の4WDモデルが設定されます。この出来事がその後のデリカの運命を決めたとも言えます。

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バリエーションを増やした2代目デリカスターワゴン

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1986年のフルモデルチェンジで2代目となったデリカスターワゴンは、そのバリエーションを大きく広げます。初代デリカスターワゴンはホイールベースが1種ですが、2代目スターワゴンには標準とロング、2種のホイールベースが用意されました。さらにルーフは標準ルーフ、ハイルーフ、クリスタルライトルーフと3種類が設定されていました。

1994年にはスターワゴンの後継モデルとなるデリカスペースギアが登場します。スペースギアは当時のパジェロをベースとしたモデルで、パジェロのフレームにモノコックボディを組み合わせるという特徴的な構造を持っていました。ロングとショートのホイールベース、標準となるエアロルーフ、ハイルーフ、クリスタルライトルーフを組み合わせ非常に数多くのバリエーションを誇りました。スペースギアとスターワゴンは併売されていた時期も存在します。スペースギアは2007年に販売を終了。デリカD:5へとバトンタッチします。

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モノコックボディながら高いボディ剛性を実現しているデリカD:5

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2007年に登場したデリカD:5はそれまでのモデルとは大きく異なります。まずフレーム式でなくなったこと、そしてエンジンがフロントシート下に配置されるキャブオーバーレイアウトではなく、FFベースのレイアウトに変更されたことです。そうした変更を行いつつも、デリカが支持される大きな理由は、高い悪路走破性をしっかりと受け継いでいることです。誕生から50年経ったデリカですが、市場が求める限りそのコンセプトは受け継がれていくことでしょう。

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(諸星陽一)

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