タイヤサイズの見方と確認方法、インチアップを解説

2020年6月23日

タイヤ サイズ

自分の使っているクルマにはどんなタイヤが付いているか? ご存知でしょうか? タイヤなんて興味なし、などと言わず、大まかなタイヤの種類やサイズぐらいは調べておきましょう。今回はタイヤの数字や記号がどんな意味をもつのかを解説します。

サイドウォールにはさまざまな情報が表示されている

タイヤのサイドウォール部分にはさまざまな情報が表示されています。まず、メーカーやブランド、製品名が分かります。オールシーズンタイヤの場合は「M+S」の刻印、スタッドレスタイヤならスノーフレークマークや「SNOW」の記載があります。さらにタイヤサイズはもちろん、どこの工場でいつ(何年の第何週か)製造されたのかを知ることもできます。

摩耗の度合いを示すウエアインジケーター(スリップサイン)の位置を示す三角マークも刻印されています。また、新品タイヤの場合はタイヤの外径がもっとも大きな部分を示す「ユニフォミティマーク」が赤丸のシールで、もっとも軽い部分を示す「軽点マーク」が黄丸のシールやペイントで示されています。このマークはタイヤをホイールに組み付けるときの目印となります。


タイヤ サイズ

基本的なタイヤサイズは次のようになります。
<195/65R15 91Hの場合>
195:断面幅
65:扁平率(へんぺいりつ)
R:ラジアル構造であることの表示
15:リム径
91:ロードインデックス
H:速度記号

標準タイヤがわからない場合はどうする?

中古車で購入した場合などはタイヤもホイールも交換されている可能性があります。

取扱説明書にはタイヤサイズが記載されていますが、オプションで異なるサイズを選んだり、購入後にインチアップなどで交換したり、グレードが確定できない場合などは、車検証を手元に用意して、メーカーのお客様相談センターに問い合わせるのが確実。
車検証に記載されているさまざまな情報から、標準タイヤサイズを特定できるはずです。ただし輸入車の場合、並行輸入車は国内のインポーターでは判明せず、現地のメーカーに問い合わせないと分からないこともあります。
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最初の数字は「タイヤの断面幅」

タイヤサイズが195/65R15 91Hの場合、「195」がタイヤの幅
タイヤの幅は「mm(ミリ)」で表されるので195mmとなります。このタイヤ幅というのは断面幅と呼ばれるもので、タイヤの側面の模様、文字などを除いた幅でリムプロテクターも含まれません。一般的に乗用車用ラジアルタイヤのサイズは10mm刻みですが、1桁目は5となっています。

2番目の「扁平率」はタイヤ幅とサイドウォールの高さの比率

タイヤサイズが195/65R15 91Hの場合、「65」が扁平率。扁平率はタイヤの幅に対してサイドウォールの高さがどれくらいあるかを示しています。扁平率の単位は「%」です。例としたタイヤの幅は195mmなので、65%の扁平率だと125mm×0.65=約127mmがサイドウォールの高さになります。

3番目の英字は「タイヤの構造」

タイヤサイズが195/65R15 91Hの場合、「R」は一般的なラジアル構造のタイヤであることを示しています。

タイヤ構造にはラジアル構造とバイアス構造がありますが、現代の乗用車用タイヤはラジアル構造がほとんど。ラジアルタイヤはタイヤの変形が少なく抑えられるので、操縦安定性が高くなります。タイヤの変形が少ないということは発熱が少なく、それだけ余分にエネルギーを使わないので燃費が向上し、耐摩耗性も高くなります。ただし、重量車の場合はバイアス構造のほうが有利なこともあり、トラックなどでは今でもバイアス構造が使われています。


バイアス構造のタイヤは7.50-15 12PRなどといったサイズ表記となります。7.50はタイヤ幅が7.5インチ、15はリム径、12PRはタイヤの強度を示す表記です。昔はタイヤの強度を示すのにプライと呼ばれる木綿で編んだベルトが何枚重ねられているかで示していました。12PRのPRはプライレーティングという意味で、12枚重ねと同等強度を有するという意味です。バイアスタイヤの扁平率は80%強となっています。

4番目の数字は「リム径」

195/65R15 91Hの場合は「15」がリム径となります。リム径とはホイールの外径のことで、単位はインチです。乗用車の場合は1インチ刻みでリム径が設定されています。

5番目の数字は「ロードインデックス」

例として示した195/65R15 91Hの場合は「91」がロードインデックスになります。

ロードインデックスは荷重指数とも呼ばれるもので、そのタイヤが耐えられる最大負荷能力を示しています。指数なので単位はありません。この指数が対応する負荷能力があり、91の場合は615kgとなっています。4輪で同じタイヤが付いていたとして合計が2460kgとなりますので、車両総重量がそれ以下である必要(実際には余裕を持たせる)となります。


また最近はエクストラロードといって、空気圧をアップすることでロードインデックスをアップする方式も採用されています。エクストラロードでタイヤを使用する際はとくに空気圧に留意する必要があります。

6番目の英字は「速度記号」

195/65R15 91Hの場合、「H」が速度記号となり、Hは210km/hまでの対応となっています。L~(Y)まで11段階の各速度記号は表のようになっています。日本では最高でも120km/hが最高速度となりますが、高性能なクルマほど余裕を持って高い速度のタイヤが装着されています。スタッドレスタイヤなどは160km/hの「Q」の場合がありますが、一般的に乗用車用のタイヤはH以上が多くなっています。

インチアップする時の注意点は?

インチアップというのは、タイヤの外径を変えることなく、装着ホイールを大径化することを言います。装着ホイールの大きさ(直径)はインチで表されるので、この手法をインチアップ呼ぶようになりました。インチアップの最大の魅力はスタイリングが良くなることです。モーターショーなどに展示されているコンセプトカーなどはかなり大きなホイールが装着されています。


タイヤの外径を変えずにホイールを大きくすると、タイヤの扁平率が下がるので、薄いタイヤを履いているように見えます。タイヤが分厚いとどうしてもイメージが重たくなるため、スタイリングには薄いタイヤが大切というわけです。一方、オフロード系のドレスアップではタイヤの厚みを強調して走破性をアピールするため、逆にインチダウンが行われることもあります。


タイヤの外径を変えないインチアップの例として、195/65R15を1インチアップすると215/55R16、2インチアップすると215/50R17といったようになります(※他にも、適合する扁平率とタイヤ幅の組み合わせは複数可能です)。多くの場合、インチアップするとタイヤ幅も広がります。大切なのはタイヤの外径が変わらないようにする(許容範囲はある)ことで、そのためのタイヤ選びも大切ですし、インチアップによりタイヤがホイールハウスやサスペンションアームなどに干渉しないようにすることも重要で、経験豊富なショップに相談したほうがいいでしょう。

まとめ

タイヤのサイドウォール部分にはさまざまな情報が記載されています。その情報を読み取ることによって、自分のクルマについていろいろなことが分かります。ドレスアップの王道であるインチアップについても、具体的なイメージをつかむことができます。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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