エンジンオイルはどう選ぶ?選び方のポイント徹底解説

2020年9月1日

エンジンオイル 選び方

ディーラーにお任せで整備をお願いしていると、オイルの銘柄や粘度についてもお任せとしている人が多いことでしょう。しかし、カー用品店でオイル交換を依頼するときなどは、オイルの銘柄や粘度も自分で選ばないとなりません。もちろん、カー用品店で相談すればそれなりのアドバイスを受けることができますが、自分で知識があったほうが、薦められたオイルに対して納得もできますし、疑問を持つこともできるはずです。

オイルのブランドと品質表示

エンジンオイル

エンジンオイルの銘柄についても基本は取扱説明書に記載されています。多くの場合は、自社銘柄のオイルが推奨され、そのほかに社外のオイルを使う場合は、API規格やILSAC規格での適合品が紹介されています。もちろん粘度についても指定がおこなわれています。

特殊な場合を除き、指定オイル以外を使用しても問題ありませんが、一部の高性能車などでは指定オイルを使用しないで起きた際のトラブルなどには対処しないとの記載があります。こうしたクルマの場合は、オイルの銘柄もきちんと守る必要があるでしょう。

オイルの種類は大きく3種類ある

エンジンオイルは大きく分けて3種類あります。1つは鉱物油と言われるもので、これは原油を精製して作るものです。もっとも安価なタイプのオイルにはこの鉱物油が使われます。一方、もっとも高級なオイルとなるのが化学合成油と言われるもので、これは鉱物油などの原料をもとに、組成を目標どおりにしたもので、高級オイルにはこの化学合成油が使われます。部分合成油というのは化学合成油と鉱物油をブレンドしたものです。価格と性能のバランスを狙った製品です。

鉱物油が下級なオイルというわけではなく、鉱物油ならではの優れた特性もあります。もっとも有益な特性は、シールへの攻撃性の低さです。鉱物油前提で設計された時代のエンジンは、化学合成油を使うとシールが壊れてしまいオイル漏れを起こす可能性があります。最新のクルマはシール性能が向上し、鉱物油でも対応するとも言われています。

API規格とSAE粘度とは何だ?

APIというのはアメリカ石油協会のことでオイルのAPI規格というのはこのアメリカ石油協会が定めた規格をクリアしているか否かでランク付けされているものです。ガソリンエンジン用はSで始まる2文字で表記され、もっとも低いものは「SA」で現在のもっとも高い規格は「SN」となっています。途中「SI」や「SK」など一部のアルファベットは使われません。

またILSAC(国際潤滑油標準化認証委員会)規格というものも存在し、「SH」がILSACの「GF-1」に相当、「SN」は「GF-5」に相当します。ディーゼルエンジン用はCで始まる2文字と数字で表記され、「CF-4」がAPIでの最高グレードとなっています。さらにJASO(日本自動車技術会規格)規格というものもあり、ディーゼルエンジン用としては「DH-1」、「DH-2」などの数種があります。

SAE粘度と言われるものは0W-30などいう表記で表されます。0Wとは低温時の粘度を示すもので始動性の目安、30は動粘度と言われ熱に対する強さというイメージで思えばいいでしょう。一般的にはAPIのグレードと粘度を標準オイルと合わせればいいとされています。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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