パドルシフトの使い方は?操作方法や仕組み、メリットとデメリットを解説

2021年8月18日

よく見かけるようになったパドルシフト、ご存じですか?

最近では多くのAT車に装着されている「パドルシフト」。パドルシフトとはいったいどんな機構? AT免許でも運転できるの? どんなメリット&デメリットがあるの? そしてどんな車種に採用されているの? などなどを紹介していきます。

この記事のPOINT
パドルシフトはハンドルに設置されたシフトノブのこと
メリットはハンドルを握りながらシフト操作を出来ること
デメリットは購入時のコストが高くなること

ステアリングから手を放すことなくシフト操作できる

パドルシフトはステアリングポストやステアリング本体に取り付けられるレバー式のシフトスイッチです。多くの場合、ステアリングの左右にレバーが配置され、片側を引くとシフトアップ、反対側を引っ張るとシフトダウンします。また、一部のパドルシフトは左右が連結されていて、押すことでも操作可能です(右パドルを押すのと左パドルを引くのは同じ動作になる)。

名前の由来ですが、左右の平たいレバーがカヌーのパドル風なので、そう呼ばれるようになりました。ステアリングスポークなどにスイッチを設けてシフト操作ができるようになっているタイプはパドルシフトとは呼びません。

パドルシフトのメリットは、ステアリングから手を離すことなくシフト操作できることです。コーナリング中などにシフト操作のためにステアリングから片手を離すと、ステアリングが不安定になることもあり、そうしたことを防止できるわけです。また、指1本で操作可能なので、微妙なタイミングを計りやすいというメリットもあります。デメリットはややコストが上がることぐらいでしょうか。

ちなみにステアリングコラムにパドルを取り付けたものは、一定の舵角内でしか操作ができません。多くの場合レバーは時計の針の3時と9時の位置付近に配置されるので、ステアリングを90度切った状態だとレバーに指が届かないからです。一方、ステアリング本体にレバーを取り付けたタイプは、ステアリングと一緒にレバーも回るのでどの舵角でもシフト操作が可能です。

日本のAT免許はクラッチペダルがないクルマであれば運転可能なので、自動変速機構がないパドルシフトのMT車でも運転は可能です。

パドルシフトの仕組みはどうなっているの?

パドルシフトの仕組みは簡単。ATセレクターレバーのシフトポジション信号を送る機能をパドルに追加しただけなので、一般的にマニュアルシフト機能のあるAT車やデュアルクラッチ式のAT車などは、マイナーチェンジなどで比較的容易にパドルシフトを追加することができます。

CVTは無段階変速なので物理的なギヤ段が存在せず、マニュアルモード付きのCVTは変速範囲を分割してギヤ段を演出していますが、この機構も同様にパドルシフト化はスムーズでしょう。また、一部の軽自動車や欧州の小型車などはシングルクラッチ式のAT(AMTなどと呼ばれる)を採用していますが、AMTベースのパドルシフトも存在しています。

また、最近はパドルシフトをギヤの変速としてではなく、EVの回生量調整に使う方式も増えてきています。この場合はシフト操作ではないので、パドルシフトと呼ぶのは語弊があります。

パドルシフトを採用する車種は?

パドルシフトは軽自動車からスーパーカーまでさまざまな車種に採用されています。軽自動車ではNボックス、ekクロス、S660、ハスラーなどが採用。ほとんどがCVTモデルですが、アルトワークスはAGSというMTベースのロボタイズドMTをパドル操作できるようにしています。

最近では多くの車種でパドル操作が可能になり、通常はAT(CVTやロボATを含む)との組み合わせとなっています。変わったところでは、2代目アウトランダーがピュアガソリンモデルにパドルシフトを採用、PHEVモデルはパドルシフトレバーを回生ブレーキ量の調整用スイッチとしました。アウディeトロンなども回生ブレーキ量調整スイッチとしてパドルを利用しています。

ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニなどスーパーカーの世界でも、実に多くのモデルがパドルシフトを採用しています。こうしたスポーツタイプの場合は、自動変速と手動変速を選べることが多く、手動変速を選んだ場合はパドル操作でのみ変速が可能となっているものもあります。また、ランボルギーニなどはATセレクターに“N”のポジションが存在せず、左右のパドルを同時に引くと“N”を選べるようになっているなど、パドルの使い方が特殊なタイプも存在します。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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