ガソリン価格がコロコロ変わる理由は? 賢い給油方法はあるの?

2021年10月21日

ガソリン価格 高騰

生鮮食品ほどではないにしろ、ガソリン価格はびっくりするぐらいに大きく変動するものです。なぜ、ガソリン価格は変動するのでしょうか? その原因とともに、ガソリン価格の仕組みや、コストを抑える上手な給油方法を紹介しましょう。

ガソリン価格の5割近くが税金。変動するのは「本体価格」

ガソリン価格の値上がりについて考える前に、ガソリン価格の仕組みを見ておきましょう。

1リッター=150円(税込み)の価格の内訳は…
==========
・本体価格=79.76円(変動)
・ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)=53.8円(固定)
・石油税=2.8円(固定)
・消費税=13.64円(変動)
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となります。

このうちガソリン税と石油税は固定で、合計額は56.6円となります。そしてこの税金にも消費税が掛かる二重課税状態なので、56.6円に消費税の10%を加算すると、62.26円となります。この額は固定された金額なので、ガソリンの価格は本体価格の変動のみが販売価格に影響します。

本体価格に掛かる消費税も10%なので、本体価格が10円上がれば支払いは11円上がることになります。1週間前に1リッター=150円だったガソリンが165円になった場合、「1週間で10%も上がった」のではなく、本体価格は79.76円から93.4円になっているので「17.1%もの値上げ」になるのです。ガソリン価格の変動幅は、ほかのものに対して比較的大きいことがわかるでしょう。

ガソリン価格を決めるのは現在の原油価格だけじゃない

ガソリンは輸入した原油を国内でガソリンに精製して作られます。ガソリン価格が変動する要因には次のようなものが考えられます。

1.原油価格
2.為替レート
3.先物取引価格
4.国内の人件費
5.国内の輸送費
6.流通量低減による利益確保

このうち1~3が変動の主な原因になります。

1の原油価格が高くなれば、ガソリンが高くなる要素としては十分です。

2の為替レートが円高に振れれば輸入には有利ですが、為替変動によるリスクを減らすために取り引き時の通貨をドル半分、円半分としている場合もあります。

3の先物取引というのは現物ではなく、将来の商品についての価格の取り決めをするビジネスです。たとえば2022年2月1日に原油○○バレルを△△円で購入すると決めるわけです。2022年2月1日時点で△△円よりも原油価格が高ければ先物取引をした人は儲けられ、安ければ損をします。

4については現在の日本では大きな変動はないとみていいでしょう。

5も同様に大きな変動はない部分なのですが、ガソリンを運んでいるタンクローリーもまた、原油を材料にした軽油を燃料に使っていますので、相乗効果で価格アップしていく可能性は大です。

6は需要が急激に減ると起きる現象です。今回のコロナ禍のように人の動きが制限され、ガソリンの販売量が減ってしまうと、ガソリンの売上高は下がります。販売量の低下ぶんを価格で補おうとして価格が上昇するわけです。

意外に重要なガソリンを入れるタイミング、支払い方法、スタンド選び

実はガソリンは体積で量り売りされるので、気温が低いときに給油するほうがお得です。気温が高いときは体積が膨張するというのが理由で、50Lのガソリンの液温が10度上がると、体積は600~700cc増えて、そのぶん薄くなるのです。

近所のスタンドではなく、わざわざ遠くの値段の安いスタンドを探す人もいると思います。しかし、給油のためだけに遠くのガソリンスタンドに出向くのは、かえって効率が悪いこともあります。たとえば片道3kmのスタンドに往復して6km走るとして、燃費が18km/Lのクルマの場合、1リッター=150円のガソリンなら50円分使うことになります。満タン50リッターとして、通りがかりのスタンドが1円高い151円の場合を考えると、151(円)×50(L)=7550円。安いほうのスタンドだと、150(円)×50(L)=7500円と50円分のガソリンが必要となり、時間を無駄にしたことになります。

また、一般的にガソリンは現金払いが一番高い価格となっているのもポイントで、クレジットカード払いやプリペイドカード払いにすれば、給油価格を抑えられる場合があります。クレジットカードの場合、どのカードにポイントを貯めるかなどの方針もあるので一概には言えませんが、利用するスタンド系のカードにすると安くなる場合が多いようです。カード取得後しばらくは割引き率が大きくなっている場合が多いので、複数のカードを使いながら最終的には1枚にまとめるのも手です。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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