ダイハツ(純正) , オイルノズルSUB-ASSY No.1 15708-B2010,ヘキサゴンソケット 90110-06040
2013(平成25)年 7月? 頃から装備されたらしいノズルタイプのオイルジェットです。それまではターボ車のみクランクジャーナル部から噴出したエンジンオイルが、シリンダー側面に装着されたオイルジェットから放出されていました。
でも排気量660ccしかない軽四自動車、特にNA車はエンジン稼働条件が厳しいにもかかわらず、強力なオイルジェットが無いのと、燃費向上のためなのかピストンリングの張力を下げた弊害で、オイル管理が良くてもピストン周りにはスラッジが溜まり気味になって、ピストン内の極小なオイル通路が詰まっていき、放熱が悪い・オイルが流れないなどの悪条件が重なり、ピストンリングが劣化してオイル上がりを起こすようになっていきます。
2005年の末頃にこのアルミ製のKFエンジンが登場してから (ターボ用は翌年2006年 6月)、このしっかりとしたオイルジェットがNA車・ターボ車問わずにフル装着されるまでの7年もの間、なんら根本的な対策がなされることも無く、エンジントラブルでこの現代に多数のショートブロック交換やピストン交換がディーラー等で行われたようです。
黒化ですぐに接触不良になってブレーキランプが点灯しなくなる、欠陥の口金式のテール・ブレーキランプといい、実に対応の遅いメーカー技術者連中だと思いますが、このノズルタイプのオイルジェットは890円/個,締結用のソケットは50円/個=1セット合計で税抜き940円也を3セット必要でおおよそ3000円ほどになるが、これは補修部品として買った場合の話で、車メーカーの部品仕入れ価格なら3セットでおそらく500円ほどではないだろうかと思います。
シリンダー内部のオイル通路を新たに造るのに金型からやり直す必要があり切削加工も増えるものの、わずか1000円以下? のコスト増で事後トラブルが大幅に減るのだから、なんでもっと早くに対応しなかったんだろうと思いますよね。結局コストアップをケチったのでしょうね。
当方の旧タイプのKFシリンダーでは30万kmも使えましたが、これは使用していたエンジンオイルがガソリン・ディーゼル車兼用の8100エクセス 5W-40 だったので動粘度がしっかりあり、しかもディーゼル車にも使えるエンジンオイルいうことで洗浄分散性が非常に高く、しかも3000km毎に交換していたので、エンジン内部にスラッジが無かったのでしょう。純正オイルや鉱物油ならここまではとても持たなかっただろうと思われます。
このノズルタイプのオイルジェットがいいのは、ピストン裏面へ垂直に正確にエンジンオイルを噴射できること、専用のオイル通路(オイルギャラリー) が設けられて、熱の影響から逃れられることだと思います。
といいますのは、NA・ターボ車共通のコンロットの中に設けられた小さな穴から噴射するタイプも、初期のターボ車のみだったクランクジャーナルを経由してシリンダー側面から噴出するタイプのオイルジェットも、
メインジャーナルからいったんクランクシャフト内に入り、ジャーナルとメタルとの回転のすきまを這って噴出されるということで、いくらクランクシャフトやコンロットが流体受軸とはいっても回転機構の熱の影響は避けられず、ピストン冷却効果のほどはいかほどなのか、と思えば稼働条件が厳しい軽自動車でノズルタイプのオイルジェットが装着されなかったのは致命傷だったのでしょう。
2013年 7月頃を境に、旧タイプと新タイプのKFエンジンは全く別物と言っていいほどでしょう。そして当方が今回シリンダーをピストンと新品交換するにあたり、もちろん10年前の設計のシリンダーはとうに無いので、最新のオイルジェットが取り付けられるタイプのシリンダーがやってきたのですが、この冷却効果の高いノズルタイプのオイルジェットには封をしろ、との代替品情報なるもいろいろと検討した結果、私の場合は、
・半年ほど前にタイミングチェーンカバーを新品交換した際、同封されているオイルポンプも当然新品になったので、摩耗による油圧低下の心配をあまりしなくても良いこと。
・クランク室側面から噴射するタイプも、ノズルタイプも、どちらのオイルジェットも内部にスプリングとボールが仕込まれていて、ある一定のオイル圧(数値は新型車解説書等にも記載がなく不明)にならないと噴射が始まらないので、低回転時の油圧低下を気にしなくても良さそうなこと。
・念のためプラグプレートという、ノズルタイプのオイルノズルの取付口に蓋をする部品を手元に取り寄せておいて、問題が発生すればオイルパンを開けて即座に交換できるようにしておくこと。
封をするプラグプレートの品番は
単品 11495-B2010 プラグプレート
90110-06040 ヘキサゴンソケット
セット品番 11495-B9010 プレートとソケットが3個ずつ封入されたもの
・当方が今回全バラしにて作業をするので適合ピストンとオイルノズルが干渉しないか、自らチェックできるので、その結果を見て判断するということに。まあ圧縮率を変更するよりは安全そうですが。
などを考慮し、全くのメーカーの仕様外なのだが2つのオイルジェットを併用することに決定。新エンジン稼働直後から500km走行までは使用回転数を2000rpm以下に抑え様子を見ることに。
結論から言えばまだ1年は経てないものの、すでに10000kmを走り不具合は生じませんでしたが、いちおう自己責任にて対応するということでやっております。もちろん同じようなことをされてもし不具合が生じても当方では責任は取れませんので、念のため申し添えておきます。
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これが新型オイルジェット。このオイルジェット自体は目新しい技術ではないが本格採用が遅かったダイハツ。
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ジェットタイプのオイルノズルを上側から撮影。内部のボールが見えます。
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装着する部品一式を撮影。こちらのジェットタイプのほうがクランク側面タイプより大幅に安くなっています。
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ノズルタイプのオイルジェットの装着部分場所を撮影。新たにオイル通路が設けられています。
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ノズルタイプのオイルジェットはピストン装着後に取り付けるため先端にマグネットが仕込まれたツールを用意
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シリンダーに各部品を装着する前に、試しにオイルノズルを置いて撮影してみました。
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クランクシャフトを組込後、リヤーオイルシールと、こちらクランクシャフトタイミングプーリーを組込。
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先にピストンを装着してからノズルタイプのオイルジェットを取り付けます。取り外す時は逆順で。
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ピストン組込後オイルジェットを組み込みます。過大トルクは禁止なのでこのヘキサゴンソケットを使います。
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9.5mm角のヘキサゴンソケットに延長棒を差し込んで、このトルクレンチを使い10.0Nで締結します。
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オイルノズル取付前にピストンと下死点で干渉するのか念入りに調べます。5mm以上のすきまがありOK。
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キット品のピストンとの干渉は無いということで、ヘキサゴンソケットを10.0Nで締め付けて完成。
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2種類の専用オイルジェットも装着して、最新のエンジンと同等レベルに向上したオーバーホールエンジン。
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こちらが当方の年代のエンジンに対応したシリンダー代替品情報。プラグプレートで封をせよとの情報が。
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プラグプレートを置いて撮影。シリンダー品番を減すためだが、おかげでジェットノズルが装着できました。
定価 | 940 円 |
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入手ルート | ※( ノズルとボルトソケットとの1セット・税抜き価格 ) |
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