[CBR250Four] 後編・サビで朽ちた冷却水回路をワンオフでレストアする
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
2
三方管を一つ上に示す画像のようにカットします。必要な部分はニップル(単管)相当になる部分ですので、左側のL字型(二方管になった部分)は使いません。
ここで、管に垂直に切らずに斜めにカットする理由は、サーモハウジングへの圧入代を少しでも長く取るためです。画像は、カット後のパイプ(ニップルになる素材)の最低長さを測っているところ。
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カットしたパイプの外径φは、サーモハウジングの内径φよりも若干太いので、適度な圧入緊度になるよう、手改修で少しだけテーパー状に細径化します。
このへんは、細径化し過ぎないよう(緊度がルーズにならないよう、タイトフィットを保つよう)注意しながら耐水ペーパー掛けをしました。
4
三方管から切り出ししたパイプを適正な外径φに整えてから、サーモハウジングに圧入した様子。
欲を言えば、もう少し外側への突き出し量(=ホースの挿入長さ)を稼ぎたいところですが、そうするとハウジングへの圧入代が不足する=冷却水漏れの原因となるので、それは避けたい。
自分なりに、そのバランス点を取った位置が画像の状態です。
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次は挿入口が劣化したホースの取り扱いです。
ニップルに刺さっていた部分は、受熱と紫外線で硬化していること、さらに(純正ニップルの)バルジに乗り上げしていた部分は内径が拡大した「クセ」が付いてしまっているため、そのまま使うとシール機能の低下により、(新たに圧入したニップルとハウジングのスキマからではなく)ニップルと劣化ホースのスキマからクーラントが漏れてしまいます。
そのリスクを避けるため、ホース先端で「バルジによる外径の膨らみが生じた部分」から先をカットします。
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ちなみに、新しく圧入したニップル(元・三方管)のバルジ部分の外径はφ=7.98mm。
劣化した先端部分をカットした純正の冷却水ホース(ゴムホース)の内径はφ5.99mmでした。
よってホースの拡幅率は33.2%となるので、ばねクランプと合わせて十分なシール機能が得られると考えました。
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ワンオフで復元したニップルに、冷却水ホースを再接続したところ。
ホースは先端の数cmをカットしても、まだ十分な長さを有しているため、引き回しした際に「突っ張る」「ねじれる」などの不具合は生じていないことを念押し確認しています。
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サビで内部が茶色に変色し掛かっていたサーモハウジングを十分に洗浄して、車両に再組します。
同時に、エンジンの冷却水通路全体をフラッシングしてからクーラント(LLC)を充填。アイドリングでエア抜きをしてクーラントを補充し、リザーバタンクの水位を確認してから近所を試走。問題ないことを確認して作業完了です。
この整備手帳をアップした2020年10月現在、施工からちょうど丸12年が経過することになりますが、その間、ワンオフでこしらえたニップルや再接続をしたホースからの漏れはありません。
手持ちの三方管の転用だけで、コストもかからずに危機を乗り越えることができました。同型車にお乗りの方々(で、この整備手帳を目にする方)が何人いらっしゃるか分かりませんが、ご覧いただいた方々にとって何らかの参考やヒントになれば幸いです。
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