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2013年10月29日

巨星墜つ

巨星墜つ








今朝はこのニュースしかないだろう。
「カーグラフィック」初代編集長、小林彰太郎が死去…享年83歳
自動車雑誌『カーグラフィック(Car Graphic)』(二玄社、その後カーグラフィック)の初代編集長であり、現名誉編集長の小林彰太郎氏が10月28日、死去した。享年83歳。

小林氏は1962年、二玄社よりカーグラフィックを創刊、初代編集長の職に就いた。
同誌は「暮らしの手帖」に範をとった消費者視点による独立カージャーナリズムという
立場から、商品としての自動車のみならず、自動車が持つ社会的意義や道路行政にまで
踏み込んだ幅広い評論活動を展開し、多大な支持を得た。就任後、27年の長きにわたり
同職を務め、その後編集顧問、名誉編集長としてひきつづき自動車ジャーナリズムの
一翼をになった。

著書には『On the road―すばらしきクルマの世界』(二玄社)、『小林彰太郎の日本
自動車社会史 』(講談社)、『昭和の日本 自動車見聞録』(カーグラフィック)など。
翻訳書としてはポール・フレール執筆による『ハイスピード・ドライビング』『新ハイ
スピード・ドライビング』(二玄社)を手がけたほか、児童書の『じどうしゃアーチャー』
(教育画劇)の監修などもおこなっている。《北島友和》
(自動車関連のニュースサイト、レスポンスより)


夏が終わって暑いままの秋が来て、ようやく涼しくなったと思ったら
日本のモータージャーナリズムの最高峰が静かに世を去った。

私は昨年の9月、CG50周年のイベントに、愛車の850クーペを駆って、
土日で弾丸往復して、その見て来たことを数本の記事に書いている。

大阪から40年前の車で自走したカーグラフィック50周年イベント
箱根・御殿場幻想はいま~CG50th Dayに寄せて

そんなに真面目な熱心なカーグラフィックの読者ではない私だが、この
時は参加することは、伝説のライブを見ておこうみたいな、気持ちで行って
来た。
やっぱりこういう日が来ることを、心のどこかで予感していたのだろう。

クルマというものは、機械であり、交通手段であり、仕事に使う道具
でもある。
しかしその物体は、人類の生み出した装置の中で、最も愛着や、思い入れ
のこもったメカニズムであり、それを向上させるために、人類は限りない
努力熱意と感性を注ぎ込んだ。

人間は文章という文字記号を通じて、感性や理解力を共有する生き物だ。
そのために人間は雑誌等の媒体を造り出して、そこに原稿を書き、新しい
自動車が作られると、どういう性能で、どういう目的で、今度はどう変わ
ったかを書き連ねて来た。
これがモータージャーナリズムの、嚆矢である。

そんな伝達手段を、情報の乏しい時代は、文章を読んで、「代理経験」
することで新しいクルマに、ワクワクした。それは、今読んでくれている
皆さんも判るだろう。
そんな中に、強い個性を持ち、他者と違った視点や感覚で、このクルマの
ここが面白い。
ここが駄目。
それは志が低いから。

そんなトーンで、1冊の自動車雑誌は、ファンを作り、読者を集めて、まあ
啓蒙もして来たのだと思う。
僕は昨年の「50年」というイベントに行きたかったのは、そこを見たかった
からだと思う。
それは3才の時に創刊した雑誌だから、最初から見て来た訳でない。
しかし10才くらいから、自動車が家に無いのに興味を持ち、13才くらいから
カートップやオートスポーツを買っていた少年だ。

日本グランプリというのが体育の日に行われていたことも、スカイライン
GTRの連勝のことも覚えている少年だ。

だけど、小林彰太郎という人の作っている雑誌は、一際高踏であった。
それを理解するのには、大学生くらいからの頭脳を持ち、人生体験通じて、
品質の良いものを見抜く力が要った。

今朝はそう言うことを考えている。
日本は言葉に言えないくらいに、豊かになったのに。
どこで、こういうふうに変わってしまったのだろう。

レクイエムのつもりで書き始めた文章だが、自動車と、自動車文化を愛する
人たちと、共通の喪の気持ちを、抱いていたい。

2013年10月29日朝
kotaro
ブログ一覧 | 思うこと | ニュース
Posted at 2013/10/29 07:29:29

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この記事へのコメント

2013年10月29日 8:15
とても驚いています。

おとといの日曜日、トヨタ博物館でのイベントでのお姿、どなたかのブログで拝見したばかりでした…

小林さん、わたしたちクルマ好きを育ててくださったことに心から感謝申し上げます。
安らかにお休みください。
コメントへの返答
2013年10月30日 3:20
お体が悪いのは、近年知るところでした。
僕はこの大きな樹が、二玄社を自動車関連出版の名門に一時させたことや、僚誌も生み出したこと。そして最後に、元の出版社と分離して、ひとつの時代が終わったこと等、出版文化的に考えています。

弟子、孫弟子である、多くの自動車ライターは生みましたが、誰一人彼を超えようという、野心が無く、その後の人びとがきちんとした作家活動や評論も出来ているのかな、と思うこともあります。
謹んでご冥福を祈ります。
2013年10月29日 8:31
朝刊の訃報を見て絶句しました。

折しも「ハイ スピード ドライビング」を二十年ぶりに読み返そうとしていた矢先で…。

溜め込んだCGを読み返して御冥福を祈ります。
コメントへの返答
2013年10月29日 11:50
私は昨夜遅くのフェイスブックでした。

名著の数々と、小林彰太郎ならではの言葉遣い。
私も、読み返したい記事がたくさんあります。
自動車の復元技術や、現代に引き出せる整備も良くなった時代にこそ、楽しんで行きたい1960−80年代のクルマたちです。
きっと天国でも運転をされていることでしょう。
2013年10月29日 14:43
kotaroさんの記事を見て、半日考えに耽っていました・・
私は20代まで、殆どCG誌を見たことがなかったのですが(もちろん、数十冊は買っていた)、94年に帰国して、CG誌のバックナンバーでかつての小林氏の記事を見て、本当に感心しました・・
日本に住んでいながらの、欧州車、特に英国車(たぶんに言語=英語の問題もあったと思う。英語だと訳して読めるが、他の言語はハードルが高い)に関する洞察力の深さ、それでいて、謙虚で、傲慢ではない、欧州の自動車文化に対する深い敬意を感じました・・
当時の小林氏の記事を読んでいた人たちは、なんてすごい人達なんだと思いました・・
英国に4年弱住んで、車マニアで、色んな車や人々と出会っていた後でこそ、わかったのです・・
おそらく現役時代の小林氏の記事を読んでも、(英国に行く前の)当時の私では、その凄さはまったく理解できなかったと思います・・
これも一つの時代の終焉・・
kotaroさんがお嘆きになる、薄っぺらい時代、、という意味が少しは分かるような気がしました・・

@NYのStaten Islandにて・・
コメントへの返答
2013年10月30日 3:37
僕も大学時代は、いつか書いたように、CG誌を得意げに読む同級生に反発して、英語のMoterやAutocarを読んで、カーグラのことを「3大宗教雑誌」と陰口きいて、遠ざけていました。
その考えは、いかにも青二才らしいものでしたが、完全にシャッポを脱いだのは、自分自身が850クーペを乗り始めた、20代後半からだと思います。

たとえば、高校時代に流行ったスーパーカーブームも、僕は年齢層と違ったので関心なかったのですが、あとから当時のCGのみが、冷静であったことを知り、見直す原因のひとつになりました。

教祖的な人気も集めた小林彰太郎ですが、編集長引退は、比較的早かったと思います。
二代目以降の方は、みんな苦労された上、越えられずに短命が続き、傾くのも仕方なかったと思います。
生涯編集長をしなかったのも、外国を良く知る氏ならではだと思います。

それからサラリーマンエンスーの鑑だったのではないでしょうか。比較の対象にならないのですが、カーマガジンを創刊したS氏は、ヴィンテージフェラーリ等に手を出して、その団体の会長までやり、批判精神のない性質を露見させてしまいました。
けじめのない趣味は堕落です。その点、彰太郎氏は、アルヴィスや、アルファSZは持っていましたが、それ以上のことは欲しがりません。
その身の引き方は、すごく参考になりました。
僕も車を集める時は、精神だけは大いに参考にさせていただきました。
遠いところから、記述していただき本当に感謝いたします。
僕も胸にしまった気持ちだけは、いつまでも忘れないように、守り続けようと思います。
2013年10月29日 17:23
ショックです
先日古本で購入した
氏の本を読んだばかりで・・・、

たくさんの記事・作品が
残りましたね・・・、

ソレを少しずつ読んで
後世に伝えるのが
私ら残されたクルマ好きの
やるコトでしょうか?
コメントへの返答
2013年10月30日 14:19
これは早かれ遅かれ避けられないのと、
ニッポンのモーター趣味は、確立したのか。
現状は満足なのか。
これから先は、どうすべきなのか。

たくさんの宿題を残されて旅立たれたと思います。

私は上手く行っていないと思います。
それを解決するというより、よりよく
まとめて行くのには、知恵と、行動と
面白いことをしたいという、心が要ると
思いますね。
僕はクールでダンディな人と思う一方
いつも、今度は何を取り上げて、驚かせる、
そんな人だったと、思っています。
2013年10月29日 21:14
こんばんは

まず小林彰太郎さんご冥福をお祈りいたします

もうそろそろ天国のポール・フレール御大と
お会いしてる頃でしょうか・・・
「ショハロー!!」とか声掛けられてるのでしょうね

自動車雑誌業界も揺れ動いた事でしょう
色々な記事に私も影響を受けさせて頂きました

失礼ではありますが文面はクルマ好きの
オジサンの様なあのスタイルは独特で大好きでした

もし読んでらっしゃらない方々がいるならば
是非【小林彰太郎の世界】を読んで頂きたいと
強くお勧めする次第であります
コメントへの返答
2013年10月30日 14:30
追伸の追伸まで読みましたが、あまり気にしていません。
最後のは落しても良いと思いますが、愛車遍歴はMGマグネットやローバーP6、アルフェッタセダン、シトロエン・エグザンティアというところでしょうか。

趣味で、持たれていたクルマはCHAN YOKOさんの方が、ずっと詳しいと思います。
籐籠を備えたブガッティは、有名ですね。
ランチアラムダの戦前モデルも、英国に共通の友人らと、持っておられたと思います。
ただ決して見せびらかすような趣味の方ではなかったし、アルファのSZも、後年ブームで大変な値段になる、ずっと前に入手されていたと思います。
あの地位やポジションなら、いくらでも「おいしい」話があっても、軽く飛び付かれなかったのは、部下や会社を思い、だと思います。

小林彰太郎の世界は、集大成の本で、近年続編のような書籍が出たと記憶するのですが、まだ持っていません。
私は徳大寺氏も、タイプは異なりますが敬愛しています。
英国車の古いのが好きな人は、やっぱりクルマのことを良く存じておられます。



プロフィール

「青春と自動車 http://cvw.jp/b/176891/48681575/
何シテル?   09/28 04:37
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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