最高の文学漫画2選

新iPhone待ち＠ひでエリです。

DO2さんから聞いていたのに、iPhone11をバイクにつけてナビにしていたので、ジャイロがいかれて写真を撮るときにブルブル震えるようになってしまいました。
近影がヤバいですね。
そろそろ買い替え時期ということで毎年9月に発表される新しいiPhoneを狙います。
なにかおっかなー。

さて今回は至高の文学漫画2選。
まずは



雪女と蟹を喰う
Gino0808先生

です。リンクは無料話1話に飛ぶようになってます。
Gino0808先生は「童貞噺」という見るからにそれっぽいマンガも描いておられてそっちでちょっと知ってましたが特に引き込まれることもなくちょっと読んでぽーい、だったのですが、ポイント期待で読んだこの作品は一気に引き込まれて読み込んでしまいました。

彼女にフラれ、痴漢の冤罪をかけられ人生に絶望した主人公「北」。
自殺しようとして何気なくテレビの方を向くとそこには北海道のカニのロケ。
「蟹を喰わずして死ねない！」（笑）
と、出かけることに。
そこで出会った美しい人妻、雪枝彩女の後をつけて押し込み強盗を働きます。
しかし殺さないで、に次がれた言葉はお金も差し上げます、私を抱いて...そして一緒に死んで...でした。毒気を抜かれた北は、北海道で蟹を喰う計画を話し、なんとアゴアシ持ちで一緒に彩女と行くことになります。
出張で帰ってこない彩女の夫、小説家である雪枝との関係は冷え切っており、家にいなくても問題ないとレンタカーを借りて北上していくことになります。
あちこちの観光地で楽しみ、食べ、一緒に寝て...しかしそのゴールは心中です。
何か物憂げな雰囲気が根底に流れ、謎の女彩女は多くを語ろうとせず、目の前のことを楽しんでいるように見えます。

言葉のひとつひとつが美しく、ちょいちょい挟まれる濡れ場シーンもエッセンスとなり、どんどんとお話に惹き込まれていきます。
冒頭で話した旅の始まりがあまりに素っ頓狂なので、そんなことある？とご都合主義っぽい展開に最初はあまりノレませんが、この素っ頓狂な彩女の行動には、しっかりと動機があり、秘められたこの謎が最後10話くらいで怒涛の展開にて紐解かれていきます。
圧巻のフラグ回収、北のやさしさ、彩女の献身とかなしみ。
アプリでのコメントも絶賛の嵐でした。
最後の最後どうなるか、すらも描かないほうがいいと思われるので詳細にはあえて触れません。あらすじ＝フラグであり、細かく語るとフラグと回収の関係がバレてしまうので書けませんが、読んで損はないマンガです。

次は
違国日記
ヤマシタトモコ先生
です。

「人見知りの小説家と姉の遺児がおくる年の差同居譚」というサブタイトルがついています。ヤマシタ先生は人の感情の機微を描くのが非常に上手いという印象がありまして、この作品以外も読んだことがありますが、子育てが完全終了したこのタイミングで子供が成長して巣立っていくこの話を読んで刺さったのは偶然ではないかもしれません。

小説家である槇生（女性）は、ほぼ絶縁状態にあった姉の遺児である朝（姪）を親族一同がたらいまわしにしそうになっている葬式の場で、彼女を引き取ることを高らかに言い放ちます。

「あなたは
15歳の子供は
こんな醜悪な場にふさわしくない
少なくとも私はそれを知っている
もっと美しいものを受けるに値する」

もはや美しい...そして強い。

しかし他人と同居できるような生活をしていなかった独身女性である槇生は朝との生活に苦戦の連続。朝は表面上は明るくしていますが、心の底に砂漠のような寂しさを抱えていきており、たびたび砂漠の心理描写が出てきます。
そしてわかりやすく朝の「じぶんさがし」の旅が始まりますが、友人や槇生の周りの大人たちも悩みながら朝を支えます。

「やり
たい
ことぉ
あるよで
ないよで
あるよで
ない」

亡くなった父母との面影に向き合い、友人に向き合い、大人たちと向き合います。
ここに槇生の面倒かつ信念の太い感情が乗っかってネームは力強く進んでいきます。
ともかく言葉のセンスが最高で、せりふ回しそのものが芸術的です。
まるで小説に絵がついているような感覚で読めます。
アニメ化もされるようです！
たぶんこれきっかけでマンガアプリ「マンガワン」で9/7まで全話無料開放されています。お勧めします！