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2017/07/29

リアドアのスマートエントリー化 その1 - 配線図と配線の概要

カテゴリ : 電装系 > 電装パーツ > 取付・交換

1
この整備手帳は、後席リアドアをスマートエントリー化する整備手帳です。

まずは、頭の中を整理することから始めたいと思います。

まず前提条件として、フロントはスマートエントリー車であることが条件です。スマートエントリー車で無い場合は、この整備手帳は全くもって役に立ちません。

そして、これが2代目オーリスのスマートエントリーの配線を図にしたものです。(いわゆるノーマル。標準状態。)

ノーマル状態の配線図なので、配線はフロントのみ。

図はガソリン車ですので、HYBRID 車の場合は…

(RH)
GE2 → JH2
GE3 → JH3
EN → HC ※アースポイント (右カウルサイドアース)

(LH)
HE2 → KH2
HE3 → KH3
EM → HA ※アースポイント (左カウルサイドアース)

と読み替えてください。

ただし、ガソリン車との違いは名称のみで、配線色、ピンアサイン、コネクターの接続位置はどちらも同じになっています。

また左右の配線の色は違えど、配線名は同じであるため、左右の機能は同じであることがわかるかと思います。

電力の供給用の配線に加えて、必要な信号線がスマートキーコンピューター (以後は照合 ECU と表記) に接続され、ドアハンドル側に変化が起こるとスマートキーコンピューターが受け取る…という感じでしょうか。

これが実にシンプルで、すべての配線は単純にハンドルから一直線で 照合 ECU に接続されています。(まあ、マイナス線の GND だけはボディアースされてますけれども。)

これが、前車 WISH のときは、タッチセンサーなのか、オシレーターキー (人センサー) なるものがドアハンドルと接続され、配線がいろいろと行き交っているため、理解が難しかったです。

また、ドアハンドルも高額で、オシレーターキーも高額。フロントのオシレーターキーの機能を使わせてもらえない場合は、リア用も必要で、とにかく新品でパーツをそろえると高額になりがち。

それが、前車 WISH の時に後席リアドアのスマートエントリー化を阻んでいました。

オーリスの場合、先にお伝えしたとおり回路がシンプルで、また、みんカラ内でリアドアのスマートエントリー化されたプリウス (ZVW30) / プリウスα (ZVW35)、アクア (NHP10) 乗りの方の配線図と見比べると、世代的に構成が同じなためか、同じような配線でした。だったら同じように配線すれば問題無く動作するはず。

…というのが、リアドアのスマートエントリー化のスタートラインでした。

プラットフォームは、足回りでもそうですが、プリウスシリーズとは同じなので、配線関係は主にプリウスシリーズを、ドアハンドルはアクアと同じなので主にアクアから参考にしました。

(検索キーワード用)
全ドア リア キーレス
2
それで、調べた結果を反映して、リアドアのスマートエントリー化を反映させた配線図がこれです。

図はガソリン車ですので、HYBRID 車の場合は…

(RH)
GE2 → JH2
GE3 → JH3
EN → HC ※アースポイント (右カウルサイドアース)
LS → NC ※アースポイント (右センターボディーピラーアース)

(LH)
HE2 → KH2
HE3 → KH3
EM → HA ※アースポイント (左カウルサイドアース)
LQ → NA ※アースポイント (左センターボディーピラーアース)

と読み替えてください。

これは作業前に作成した配線図に、実際の作業で判明したことや、追加した配線 (自作ハーネス) などを反映させています。

…。

なんか、ごちゃごちゃしてますが、実は言葉で書いた方が簡単だったりします。(^^ゞ

配線の要点は…
①既存のフロントの配線にリアの配線を割り込ませる。

ただこれだけ。LED などを増やす時と同じ、配線を並列に接続しているだけです。

---
次はこの配線図の説明と実作業の概要についてです。

説明は運転席側だけで行います。助手席側は配線色が運転席側と一部異なりますが、配線位置 (ピンアサイン)、仕組みなど考え方は全く同じなので割愛します。

また配線図内の配線色は実車、購入したプリウスシリーズ用の既存ハーネス流用に合わせて作図しています。(自作ハーネスも配線色を同じ色にして自作しています。)
3
まず、図の下側、リアドアハンドル側から見ていきます。(右下の赤枠)

リアドアハンドル (リアドアアウトサイドハンドル) の配線は当初コネクターとターミナルを買って自作しようと考えていました。

しかし調べてみた結果、プリウスシリーズ等で使用されているドアハンドルタイプとアクア / ヴィッツ (=オーリス) などに使用されているドアハンドルタイプの両方でコネクターの形状が同じであることがわかりました。

一般的に自作よりも既存ハーネス購入の方が高額になりがちなのですが、総合的に勘案した結果、いくつか利点があるため購入しました。

①何といっても自作ハーネスを作らないくてよいので楽だし、作業時間の短縮につながる。
②純正品質でたしかな接続。
③コネクタ周辺の配線の固定が容易。(配線固定用の構造をそのまま利用できる。)
④配線色をそろえるために配線を買い求めるよりは、既存のハーネスを購入、流用した方が安い。(いろんな色の電線をたくさん購入しなくてすむ。)

という理由で購入しました。

しかし既存流用ハーネスはプリウスシリーズ用なので、配線長が合いません。(2m ほど不足する。)

そのため、当初は既存流用ハーネスの配線を切ってハンダ付けで延長…を考えましたが、嵌合相手のコネクターも判明したため、コネクター (カプラ) をいじらずにそのまま使用。そこに自作した延長ハーネスをつないで延長することにしました。
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次は、右下の紺色枠の部分を説明します。

プリウスシリーズ用の既存ハーネスをつないだ先の説明です。

自作ハーネスは、約1.5~2m で作成します。

配線数は6本。配線色は流用するプリウスシリーズ用の既存ハーネスに合わせました。

私は、約1m で作成したので、ちょうどBピラーのコネクタ (R:JL1 / L:KL1) までの長さになりました。

これはこれでドンピシャなのでいいのですが、 私は JL1 のターミナルをそろえきれなかったため、端子を付けずそのままケーブルをコネクタの穴に通して車体に入れる…という、力業で対処 ※1。(詳細は後述の写真6で説明。)

(2024/03/27 追記)
※1 後日、対応しているターミナルが判明しましたので通常の方法…それぞれの配線にターミナルを取り付けたあとコネクターに差し込み、コネクターとして完成した状態で嵌合させています。(詳細はその都度追記や関連リンクを掲載しています。)

---
それだとケーブルの長さが足りずに困りましたので実作業では延長しました。(こういう追加作業が時間の浪費につながるんですよね~。)

長い分は作業中に切ればいいので、端子を付ける、付けないにかかわらず、先にお伝えした長さ (1.5~2m) でハーネスを作られることをおすすめします。

一部ターミナルが判明した部分は、ターミナルを使用しました。

【JL1 / KL1 の追加ピンアサイン】
※追加のピンアサインに決まりはなく、もともと空いている穴なので私が好きなように、作業がしやすいように配置しました。

(端子を使用した配線)…025型TSターミナル部分

5番 緑 SENS … センサーの略語と思われます。解錠の信号です。

11番 紫 GND … マイナス側の配線です。 ※車体側の配線色は白にし、エーモン工業 クワ型端子セット 8Φ でBピラーのアースポイントのボルトに共締めします。

※ちなみに11番の隣の10番は、既存配線の GND なので、ドア内で既存配線にエレクトロタップで割り込むという手もありますが、私は既存配線を傷つけないというかねてからの理由から、あえてそれをしていません。

12番 赤 TRG+ … トリガーの略語だと思います。プラス極なんでしょうね。ドアのロック信号です。


(コネクターの穴を貫通して配線)
※当初は対応しているターミナルが不明だったため、配線を貫通…そのまま車内に通していますが、後日対応しているターミナルが判明。修正作業をおこない、貫通ではなく通常通りのコネクタでの接続に変更しています。

2番 黒 B … 常時電源のようです。

6番 黄色 ANT1 … アンテナ
13番 青 ANT2 … アンテナ
二つのアンテナのおのおのの役割は不明ですが、スマートエントリーのキーと無線通信してリモートロック / 解錠、またはキーを持っている人がドアハンドルの近くまで来たことを認識するためのアンテナと思われます。

上下隣通しになる、6番 黄色 ANT1 と13番 青 ANT2 はノイズに弱いためか、ツイストペアがよいようです。

個人的にはツイストは不要なのでは?と思いましたが、諸先輩方がそのようにされておられるため、同じようにツイストしておきました。(ツイストしやすいように隣どうしに配置しました。)

ツイストペアとは、2つの配線をねじってある配線で、おもにノイズが信号に乗らないように配慮された配線方法です。身近なモノでは、PC などのネットワーク配線…LANケーブルがそのようになっています。(2×4 の合計8極)

14番 黄緑 (将来用として配線したので、配線図には載せていません。イルミや、カーテシなどの利用を想定しています。)

(2018/12/23 16:39 追記)
後日の調査で、ANT1、ANT2 の信号は状況によっては必ずしもフロントドア (フロントのハンドル) の信号線に接続・分岐する必要がないことがわかりました。

というのも、フロントがノーマル状態であれば、スマートキーのロック、アンロックボタンの電波をフロントハンドルのアンテナが当然受信するからです。

逆に感度を上げたい場合はリアの分も接続しておくと効果があるかもしれません。

---
これをBピラーまで。Bピラーから、運転席、または助手席足元の配線まで行っています。
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最後は、緑枠で囲んだ部分…運転席側、助手席足元周辺 (キックパネル:カウルサイドトリム ボード RH / LH) の配線です。

ここは既存の配線をバイパスしつつ、リアドアアウトサイドハンドルの配線をここで割り込ませています。

既存の配線に傷を付けたくないため、オス、メスのコネクターを購入して配線に割り込む自作ハーネスを作成しています。

自作ハーネス作成の前準備は大変ですが、実作業では差し込むだけでいいため楽々です。 (^_^)v

実作業ではこの割り込んだケーブルと、B ピラーを通過したケーブルをエーモン工業の接続コネクターで接続、B ピラー付近に収納しました。
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今回の作業は、B ピラーの配線通過が一番の山場でした。

本当は、ターミナルを付けて『カチン』とはめるだけの配線をしたかったのですが…。

この部分のターミナルが不明だったため、事前にコネクターだけ購入して、どのターミナルを買ったらいいのか調べたりしたのですが、作業予定日までには調査が間に合わない…というか、判明まで待ちきれなかったので作業を優先しました。

具体的にはターミナルを使用しなかった配線は、コネクターの空きの穴に配線をそのまま貫通 (通過) させて車内に導入しました。

ただ、イメージトレーニングには役に立ったので、このコネクターも無駄ではなかったと思います。

(2018/03/24 追記)
作業時は判明しませんでしたが、こちらに使用する大きい方のターミナルは、060型TS で良いことがわかりました。

これからマネをされて作業をされる方は、ターミナルをきちんとそろえていただくことで、きれいな純正風に仕上げることができるかと思います。

※小さい方 (025型TS) は作業時に判明していましたので使用しました。

ターミナル (端子) の購入はこちらから購入しました。
・060型TS/オス端子 [060TS-TM]
https://auto-eparts.ocnk.net/product/754

・060型TS/メス端子 [060TS-TF]
https://auto-eparts.ocnk.net/product/755

・025型TS/オス端子 [025TS-TM]
https://auto-eparts.ocnk.net/product/2

・025型TS/メス端子 [025TS-TF]
https://auto-eparts.ocnk.net/product/3
7
作成したハーネスは2種類×運転席側、助手席側の2か所=4本。

プリウスシリーズ用の既存流用ハーネスとの接続←→B ピラー通過用と…

(仮名称としてハーネスBとします。)
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Bピラー←→キックパネル用配線用です。

(仮名称としてハーネスAとします。)

配線図の説明が終わりましたので、次は作業編に続きます。

(その2 ( https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4359308/note.aspx ) につづく)
関連動画:

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