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2012年06月10日 イイね!

250:トヨタ カローラについて(その5、そして最後)

 今回が「その5」まで続けたカローラの話題の最後になります。一連の考察を始めたのは、最近登場した11代目カローラがあまりに華がないデザインであったためで、その辺りの感想をポルシェのモデルチェンジと比較するかたちで239回目のブログに取り上げたことがきっかけでした(こちら)。



 何故そんなモデルチェンジをしたのだろうと、初代からの11台のカローラの比較分析をはじめて、その中でいろいろと発見もあり、4回に分けてブログでも書かせて頂きました(こんなに長くなるとは思ってませんでしたがw)。そして一連の考察の最後として、最初の疑問に対する自分なりの答えを出すべく考えてみたいと思います。

 繰り返しになりますが、E160 型カローラの特徴はダウンサイジングであり、これは先代までのプラットフォームを捨て、下位車種であるビッツのプラットフォームを利用したことによります(wikipedia参照)。このような方向性の根本には、トヨタの販売の主力がプリウスを筆頭とするハイブリッド車に移るとともに、カローラの販売数が減少し続けたことを踏まえて、ラインナップの「将来構想」から外れたことにより、できるだけ開発製造コストはかけたくないという思惑があったからだと思います。

 しかし、だからといってこのように明らかなダウンサイジングとなるモデルチェンジを行うことは、サイズの増大(参考)や装備の改善を伴うグレードアップに向かう強固なトレンドが存在することを考えると、通常モデルチェンジではやはり稀なことであると言っても良いでしょう。今回のモデルチェンジを業界マスコミが受け止めかねて、おかしな(苦し紛れな)提灯記事を連発していることからもそれが伺われます。

 言い換えると今回このようなモデルチェンジは行わず、カローラという車種をディスコンティニューする選択肢があったのではないかということです。コロナやカリーナ、別メーカーですが、サニーやブルーバードといった過去の主力車種は、そうやってひっそりと姿を消していきました。そして車種によっては(技術的に刷新されたか否かには係わらず)、一部は新しい名前のクルマとして改めて市場に投入されたのです。

 では何故そうしなかったのか?現在もなお多く存在するカローラオーナーの、特に年配オーナーで歴代のカローラを乗り継ぎ、「カローラじゃないとダメ」という層の確保を図ったというのが、最もあり得る理由でしょう。将来的にも力を入れていく車種ではない、ならば最後の1世代(あるいは2世代)を、現オーナー層の維持のためだけに(費用はできるだけ抑えて)開発する価値はあるだろう、ということです。だからこその”高齢者へ配慮した設計”や”省燃費設計”であり、”ダウンザイズ”であり、”新しさを感じさせないデザイン”なのです。

 しかし、本当にそれだけなのでしょうか?トヨタを半世紀に渡って支えてきたブランドである「カローラ」というクルマに対する感謝の思いや尊敬の念が、冷静なビジネス上の判断とは別にあったと思いたいのです。そのことが、ややイレギュラーに映る今回のモデルチェンジの一つの要因であるともし考えることができるなら、そしてトヨタという会社が敢えてそのようなことを考慮して今回の決断を行ったと信じることができるのであれば、新しい11代目カローラの地味なスタイリングもまた違って(輝いて)見えてくるのではないかと思うのです。
Posted at 2012/06/10 08:13:23 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日本車 | クルマ
2012年06月09日 イイね!

249:トヨタ カローラについて(その4)

 前回カローラの歴代モデルの中で相対的に最も高いレベルに達していたのではないかと、7代目E100型を話題にしました。このモデルは全長、全幅、全高、車重と全て前モデルを上回る唯一のカローラでしたが、拡大幅が最も大きかった訳ではなく、トップの座はカローラ9代目、2000年に登場したE120型に譲ります。



 特に注目してもらいたいのが、全高が先代1385mmに比べて1470mmと10cm近く背が高くなっていることです(こちらの表を参照)。カローラを話題とした一回目のブログでも触れたように、全高はスタイリングの面からも他のパラメータに比べて増加しにくいのですが、ここを大幅に拡大してきたことから、E120型がそれまでのカローラと成り立ちを大きく変えてきたことがはっきりと分かります。少し長いですがwikipediaから引用すると、

~プラットフォームやエンジンが一新される。
・「New Century Value」(NCV)という新コンセプトを掲げ、セダンのGT系グレードおよびカローラレビンなどのスポーツモデルは廃止された。
・セダンのエクステリアデザインに関しては、トヨタの欧州デザインスタジオの「EDスクエア」(旧・EPOC)案がベースとなっている。
・フロントグリルのエンブレムはそれまでのカローラ(花冠)マークからNCVを図案化したものに変更。
・FF(前輪駆動)車用のリヤサスペンションは軽量化と合理化、走行安定性向上のため、カップルド・リンク方式のトーションビーム式となり、4WD(4輪駆動)車用にはバイザッハ・アクスル方式のダブルウィッシュボーン式独立懸架となる。
・4ドアセダンのCd値は前期型、中期型、後期型共に0.29を達成した。
・カローラにとっては初の横滑り防止機構(VSC)やトラクション・コントロール(TRC)といった安全装備が採用された。
・搭載するエンジンに関しては、ガソリンエンジンは全て新開発となっており、いずれもVVT-iに対応したDOHC16バルブ機構を採用する。カム駆動はタイミングチェーンを採用している~

 私もE120型が登場した際には、その革新ぶりに感銘を受け、曲面を多様して、フラッシュサーフェース化されたエクステリアデザインにはトヨタの本気度が伺われて、個人的には歴代モデルの中では最も好きな一台です(世間一般での人気はそれほどではなかったように思いますが)。

 この次のモデルからは、海外と国内ではモデルを作り分けることになり、またカローラ ●●というように、派生モデルで車名を区別して販売されるようになりました。なので、開発における力の入り具合も加味すると、このE120型は「カローラ」というトヨタの中核モデルの、実質的な意味で最後を飾るクルマであったと言えると思います。
Posted at 2012/06/09 22:49:49 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日本車 | クルマ
2012年06月09日 イイね!

248:トヨタ カローラについて(その3)

 トヨタカローラをテーマにした3回目のブログになります。まず1回目に載せた各代カローラのデータ表をもう一度ご覧いただきたく思いますが(こちら)、新型カローラがダウンサイジングを最大の特徴とするのとは対照的に、歴代モデルで唯一、全てのパラメーターで前のモデルに比べてアップサイジングした唯一のモデルが7代目のE100型になります。



 1991年とバブルの時代に登場した本モデルは、今から振り返るとカローラとしては絶頂期にあったと言えるのではないでしょうか。以下、少しwikipediaの記載を拾ってみます。

~金メッキ端子を用いたハーネスの採用、ボディの80%以上に亜鉛メッキ合金を用いた防錆鋼板の採用など、内外装や装備も含め至って高品質なモデルであった。車体設計にフルラップ衝突対応の「CIAS(サイアス)」を採用。また、国内向けのカローラとしてはこの代より全車にサイドドアビームが標準装備。1.6L 4A-GE型は1気筒あたり5バルブのDOHC20バルブとなる。その他のガソリンエンジンはバン並びにビジネスワゴンを除き全てDOHC16バルブ。ディーゼルエンジンは2C-III型2.0Lに統一。1.5L 5A-FEエンジン搭載車のMTが全て5速化。「SE」系グレードにはパワーステアリング、パワーウィンドゥ、エアコンなどが標準装備~

 個人的な思い出になり恐縮なのですが、米国赴任時代に、現地で知り合った友人が新車のE100を購入して何度も乗せてもらった経験があります。当時の米国で走っていた大衆車レベルのクルマに中では、カローラはクルマの作りは勿論、装備の質、充実度でも、高レベルにあったことを思い出しました。その頃の米国人の感想も、小型であるが高品質、高性能で壊れないクルマというものでした。そして、ドイツのライバル車であった下記のクルマと比較しても、決して劣っていない、いやむしろ米国ではE100がより輝いていたように思います。



 それから20年近く経ちましたが、今のカローラはその時の輝きを保ち続けていると言えるのでしょうか? 特に過去に好勝負を繰り広げてきたライバルと比べて。E100のデータを眺めていて、そういった考えが思い浮かびました。
Posted at 2012/06/09 17:37:39 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日本車 | クルマ
2012年06月09日 イイね!

247:トヨタ カローラについて(その2)

 ある物事の価値を判断する際には、それが世に現れた時もしくは生起した際の状況や環境、雰囲気、あるいはその時代の流行や主流となる考え方といった諸事とともにその価値を推し量る、更には評価者のその際の印象や感動をも価値の一部として評価する方法があります。

 一方で、その物事が後に与えた影響や、短期的な価値観や流行の変遷、あるいは当事者の意図といったものを排除して、ある意味普遍的な、総合的な価値を判断するために、ある程度の時間を置いてから改めて評価してみることも、また重要な手法といえるでしょう。

 クルマのエクステリアデザインにもそのことが当てはまります。10年、20年前のクルマを改めて見てみると、その価値の素晴らしさが再確認できるものと、逆に「あれ、あの時なんでこんなクルマが格好いいと思ったんだろう」と思うようなクルマがあるのもまた事実です。

 で、下の写真は1966年に登場した初代カローラになります。


 45年を経て改めて見て皆さん如何感じられたでしょうか?私は悪くない、いや積極的に良いデザインではないかと思いました。フロントグリルからサイドのあたりは特に機能的であり、シンプルながら味気なくならないぎりぎりのところに落とし込まれてデザインされているのではないかと感じました。

 国民車構想に呼応するかたちで登場したトヨタパブリカの上級車種として、その趣旨は引き継ぎつつ、より自由に設計できたこと、またパブリカのノウハウを活用できたこと等から、良いクルマとして登場できる素地は整っていたと言えるでしょう。また、当時の日本の技術レベルでは、贅沢や凝った作りを訴求することはやりたくてもできなかったでしょうが、そのことが却って良い結果に結びついたのかもしれません。

 現代のクルマから見たら性能的には比較にならないローテクであり、当時の欧米車とくらべても大きく見劣りしていたのでしょうが、初代カローラのデザインには紛れもなく優れた工業製品としての普遍的価値と、設計者の才能が感じられるのではないでしょうか?

 そして11代目の新型カローラには、初代ほどの普遍的価値があるのか否か、それを判断するには45年の時間は不要なのかもしせません。

*      *      *

 余談になりますが、今回のブログを書いていて、いわゆるヒストリックカーを愛好する方の気持ちの一面が分かったような気がしました。上に書いたように、時を経ることで、付随的なものが取り払われ、クルマの普遍的な価値が明確になるならば、その価値を認め、愛することには大きな楽しみがあると思うのです。
Posted at 2012/06/09 17:03:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日本車 | クルマ
2012年06月05日 イイね!

246:トヨタ カローラについて(その1)

246:トヨタ カローラについて(その1) 今回はフルモデルチェンジした11代目トヨタカローラについて考えてみたいと思います。新型カローラの特長を歴代モデルと比較して一言で述べよと問われれば、その答えは、「小さくなったこと」と答えるのが正解であると考えますが、その辺りを含めてより明確に理解するために、過去のカローラも含めてデータに基づいて分析を試みます。

 まず、以下の表を御覧ください。歴代カローラの全長、全幅、全高、それらに基づいて容積を計算しました。さらに車体重量も合わせて掲載しました(データはすべてwikipediaより引用)。以降に述べる考察の助けとなるように前のモデルより数値が大きくなった項目を網かけで表示しています。



 以前のブログで、クルマがモデルチェンジを経るごとにサイズを拡大する傾向があることを、複数メーカーの複数車種を例にあげて指摘しましたが(こちら)、カローラもその典型で、容積的には初代から一貫して、ひとつの例外もなく拡大を続けてきたことが表から読み取れます。特に全長と全幅の拡大傾向は明確で、それに比べると全高の増加はそれほどではありません。おそらく全高が全長と全幅とのバランスの問題であり、全高が低い方がスタイリング上は有利なこと、また車庫等の利用上の制限からも拡大傾向に歯止めをかける力が働きやすいのであろうと考えられます。

 一方、全幅は9代目で5ナンバー枠一杯の1695mmに到達してしまい、その後はもはや拡大せず、全長だけが拡大し続けることになりました。スタイリングのバランスの面から早晩、全長も拡大を止めることになることは容易に想像がつくのですが、実際、11代目では縮小方向に転じた訳です。車体重量に関しては、サイズよりも明確ではないのですが、やはり一貫した増加の傾向が認められます。

 しかし、データからもはっきり分かりますが、全長の縮小だけではなく、11代目となる今回の新型は、50年近くにも及ぶカローラの歴史のなかで、重量を含めた全ての面においてその数値を縮小させたはじめてのモデルであり、このことが大きな特長と言えるのです。一般的に、ある車種の長いモデルライフの中でサイズがこれほどまでに明確に縮小に向かうことは(私の知る限りでは)極めて珍しく、近年では他には思い当たりません。新型カローラは、エクステリアデザインはもとより、性能的にもこれといった華がなく、メディアでの評価も複雑なものがありますが、こうやってデータを分析してみると、そのユニークさがはっきり理解できるのです。

 カローラについては、もう少し考察してみたいことがあるので、このテーマでのブログは続きます。あしからず。
Posted at 2012/06/05 23:27:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日本車 | クルマ

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yutty1325です。シトロエンC5からの乗り換えで、ボルボS60に乗っています。下手の車好きです。ブログにはクルマを中心とした話題を取り上げていきます。
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