Apexi Power FC マップトレーサー
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
ここではA'PEXi Power FC マップトレーサー機能を使って、ECUがどの値を読んでいるのか?を確認してまいります。
A'PEXi Power FCはFCコマンダーを使うことでセッティング等を行うことが出来まして、
その機能の一つとして今マップのどこを読んでいるのか?ということを確認できる
マップトレーサー機能があります。
その機能にはその瞬間瞬間のマップ位置を表示するリアルタイム表示と、
読み取った位置を記録しておける軌跡表示を行うことが出来ます。
まず、X軸がエンジン回転数、Y軸が負荷(吸入空気量)となります。
X軸は左が0rpmとなり、右に行くほど回転数が高く(右端が8000rpm)なります。
Y軸は上の方はアイドリング状態となり、下に行くほど負荷が高く(高トルク)となります。
こちらの画像ではマップトレーサー機能の軌跡表示を行っておりまして、
3速で1500rpm程からアクセルを全開にした時のマップの読み取り位置を表示したものになります。
これをどのように使うのか?ということにつきましては、
アクセルを全開にしてエンジン回転数が高くなっていくのに合わせて
どのように負荷が高くなっていくのか?ということと、
その時のマップの読み取り値を確認することが出来ます。
具体的な数値につきましては3工程目で説明します。
リアルタイム表示につきましては↓の動画を御覧ください。
https://youtu.be/8DQ14TID9Mk 2
1工程目は3速でアクセル全開にした時の軌跡表示ですが、
こちらはそこらの下道を4速まででそれほどアクセルを踏まない状態での軌跡表示となります。
回転数は2400rpm程までですが、ブースト圧(負圧領域?)はどのくらいだったのかは見ておりませんでした^^;
これを見るとアクセルをあまり踏まない状態では左上の方のマップを中心に読んでいることがわかります。
3
FCコマンダーの軌跡表示をスプレッドシートに起こしたターゲットA/Fマップに着色したものとなります。
X軸とY軸はFCコマンダーと同じにしております。
3速でアクセル全開にした時のマップの読み取り位置を黄色で塗りつぶしております。
この時の最大ブースト圧は0.92kgf/cm2(90kPa)でした。
Y軸につきまして、L15はブースト圧は0.92kgf/cm2(90kPa)程ということがわかります。
これがアクセル全開時の読み取り位置ということは、
アクセルを踏む量が少ないとこの黄色で塗りつぶした位置よりも上側のマップを読むことになります。
2工程目でマップの左上の方ばかりを読んでいることからわかるかと思います。
また、1速若しくは2速でアクセル全開にした場合のマップを読む位置は
ブーストが立ち上がってくるよりも回転数が高くなる方が早いため、
3速でアクセルを全開にしたときよりも回転数の上がり方が早くなることから
負荷の立ち上がり方が右(もう少し高回転で負荷が立ち上がってくる)方向になる傾向にあります。
ここで、負荷の立ち上がりというのはマップでは下方向に急に進行する状態のことを言います。
上下逆ならわかりやすいのでしょうけどね^^;
スプレッドシートでそのように作ることは可能なのですが、
FCコマンダーの表示と逆になるというのもなにかの拍子で間違いそうなので、
これで慣れていくことにします。
エアクリーナーを純正形状からきのこタイプに交換した場合は負荷の立ち上がる回転数が高くなる傾向に有るのですが、
こちらのマップを見るとエアクリーナーが純正形状のような負荷の立ち上がり方のように思えます。
これは自作 インダクションボックスのおかげでしょうかね?
https://minkara.carview.co.jp/userid/11052/car/12036/9833876/parts.aspx 4
ところで、理論空燃比はA/F=14.7で有ることが理解されていると思います。
これはガソリンエンジンから排出される有害物質としてCO、HC、NOxがありますが、
それらを浄化する三元触媒が有効に働く空燃比がそれに当たるためです。
一方、火炎温度はA/F=14.7よりも濃い領域で高くなり、
最もトルクの高い領域はA/F=12.5~13とされています。
このため、セッティングを行う際はA/F=12.5~13になるように燃料を調節したうえで、
点火時期を詰めていくという方法が用いられています。
また、ターボ車の場合はHKSではまずA/F=12にしたうえでセッティングを行うとされています。
ところで、ターボ車の場合は高負荷領域ではガソリン冷却という意味で
(未然混合気を使ってタービンや触媒を冷却=保護する)
A/F=10程にする場合もあるようです。
ただし、この場合は燃費が相当悪くなってしまいますが・・・(-_-;)
因みに、燃料消費率が低いのはA/F=14.7よりも薄い領域となります。
注:これらは1990年代までのエンジンが前提となります。
A/Fも当時はシリンダー内平均A/Fを元にしておりますが、令和の今どきであれば直噴技術等でプラグ周辺の局所A/Fという概念で設計がされているかと思われます。
参考文献
1) 長谷川浩之:HKS流エンジンチューニング グランプリ出版
5
2工程目のマップに戻り、マップを読む位置を見ると1600~2000rpmの負荷がL08~L15を見ると
初期設定値のターゲットA/Fが13後半~13前半となっていることがわかります。
負荷が低い領域は有害物質排出の事を鑑みて理論空燃比に合わせるというのが基本なのですが、
ある程度負荷が高くなる(この場合は特にターボ車)領域についてはA/F=12がターゲットにすべきと思われます。
注:本来はA/F計を装着したうえでセッティングをすべきですが今は無いのでターゲットA/Fを見ていきます。
L08~L15で800rpmと1200rpmを見るとターゲットA/Fが12前半であったり12後半になっているので、
何故この過渡期だけA/Fが薄いのか疑問に感じます(-_-;)
この薄さであれば過渡期でノッキングが一時的に現れるのもさもありなんという感じでしょうか?(-_-;)
この記事では現状のマップの読み取り位置を確認するのが目的ですのでこのくらいにしておきます。
実際に値を変えていくのは別記事にて紹介したいと思いますm(_ _)m
こちらの設定内容は可能な範囲で公開しております。
注:この設定を行ったことに寄る不具合は当方では対応できません(-_-;)
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1dAj4tPknmJ0FLr9VkYtK4gQZPmDkLbGaRFSOueKuASY/edit?gid=821995096#gid=821995096
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